Mystical Soul/John Blair (1971年)
米国のジャズ・バイオリニスト、John Blair(ジョン・ブレア)が1971年にリリースしたヴォーカル・アルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!
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全6トラック中、バカラック作品は1トラック
A3. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN (6:22)
米国のジャズ・バイオリニスト、John Blair(ジョン・ブレア)が1971年にリリースしたヴォーカル・アルバムです。
ジョン・ブレアはアメリカのジャズ・バイオリニスト。1943年11月オハイオ州トレド生まれ(2006年6月NYC没、享年62歳)。彼はバイオリンとギターのアコースティックコンビネーションであるVitar(Wikipedia)の演奏家としてもよく知られているんだそう。自身の3枚のアルバム以外にも、多くのジャズファンク系レコーディングに参加していたようです。本作ジャケ裏のライナーによれば、この時点でアイザック・ヘイズ、ハリー・ベラフォンテ、サミー・デイヴィスJr、ジェームズ・ブラウン、リッチー・ヘヴンズ等のレコーディングに参加したとありますし、兵役に就いた際は空軍Strolling String SymphonyのメンバーとしてJ.F.ケネディ大統領とジョンソン大統領の前で演奏したんだそう。
本作はジョン・ブレアの1stアルバム。収録されている6トラック/7曲のうちA2, B2, B3.の3曲は自作曲で、その他4曲はカヴァー。A1.はビートルズ「 ゴールデン・スランバー 」とファイヴ・ステアステップス「 ウー・チャイルド 」のメドレー…ってゆーかマッシュアップ。ディオンヌ・ワーウィックやボビー・ジェントリーのヒットA3.「 恋よ、さようなら 」。そしてブラザーフッド・オブ・マンのヒットシングル「 UNITED WE STAND(二人だけの世界)」のB面曲であるB1.「 SAY A PRAYER 」。取り上げたカヴァーはいずれも1969〜1970年頃の曲ですね。
各曲の曲調はバラード〜ジャズ・ファンクまでと幅広いのですが、アルバム全体の印象はクールなソウル。若干しゃがれ声の男性ヴォーカルは彼自身によるもので、決して下手ではないけれどヴォーカリストとしてはあまり印象に残りません。それよりもバックトラックの手の込んだアレンジの方が印象的です。…とジャケットを確認したところ、アレンジはボブ・ジェームスとクレジットされていました。そっかそっかと納得。CTIレーベルに所属して様々なレコーディングにプレーヤーとして参加してた頃、こんなアレンジの仕事もしていたんですね。
さて、バカラック・カヴァーはもちろんA3.「 恋よ、さようなら 」。ディオンヌ版(1969/12:US#6,♩≒138)やボビー・ジェントリー版(1969/8:UK#1,♩≒114)とは全く異なり、グッと落ち着いた♩≒80のスローテンポ。8小節あるイントロは「 恋よ、さようなら 」がこれから始まるとは全く予想できない爽やかなメロディ&コード進行。んで、ジョン・ブレアがAメロを歌い始めるとソウルバラード調に。ギターとベースがオクターヴで爪弾くオブリガートがなんとも素敵です。サビではホルンやオルガンも加わり16ビートのファンクになるんですがこれがまた渋い! 4分ほどして一旦休止し、Aメロを1回リプレイした後(歌はココでおしまい)イントロのフレーズを繰り返すんですが、ジョン・ブレアによる緊張感あるバイオリン・ソロが加わり不思議な盛り上がり?を見せてフェードアウトして終わります。
他に類を見ない「 恋よ、さようなら 」の歌ものカヴァーだと思います。掛け値なしにレコメンドっす!
さて、ココからはオマケ。
私がこのジョン・ブレアのカヴァーを知ったのは、Radio France の『 Repassez-moi l'standard 』という約1時間の番組。その2024年4月14日の放送回が「 "I'll Never Fall in Love Again" composer Burt Bacharach & lyricist Hal David (1968) 」でして、「 恋よ、さようなら 」のオリジナルとカヴァーを次々紹介するというプログラムでした。オンエアされたのは計13曲。1. ジル・オハラ&ジェリー・オーバック、2. ディオンヌ・ワーウィック、3. シャーリー・バッシー、4. ボビー・ジェントリー、5. カーペンターズ、6. Wilson Simonal(ウィルソン・シモナール)、7. John Blair(ジョン・ブレア)、8. グラント・グリーン、9. アイザック・ヘイズ、10. ザ・デルズ、11. リーグモル・グスタフソン、12. Tok Tok Tok、13. Noël Akchoté …このうち私が聴いた事なかったのが 6.と7. でした。MP3が見当たらなかったため本LPをDiscogsでゲットしたワケです。
その放送回は こちら で聴く事ができます。また、リンク先ページを下の方にスクロールすると各曲のYouTubeも貼ってあります(12.と13.を除く)。よろしければ是非!。
【データ】
『 Mystical Soul 』
John Blair
LP:1971年リリース
レーベル:A&R (US)
番号:ARL 7100/002
Produced by Pete Spargo
Arranged and Conducted by Bob James
Engineer:Dave Greene
Violin Solos:John Blair
Recorded at A&R Studios, New York
A&R Records New York
Manufactured and Distributed by Mercury Records Productions, Inc.
※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し
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