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2024年7月28日 (日)

Marrakesh Express/Stan Getz (1970年)

米国男性ジャズ・テナー・サックス奏者のスタン・ゲッツが1970年にリリースしたアルバムです。バカラックナンバー4曲を収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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Original LP front cover/back cover

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所有日本盤LPジャケットの表/裏

全10トラック中、バカラック作品は4トラック

A3. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN (2:54)
B2. Medley: BECAUSE - DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE (8:12)
B3. RAINDROPS KEEP FALLIN' ON Y HEAD (3:41)
B4. THE APRIL FOOLS (3:10)


米国男性ジャズ・テナー・サックス奏者のスタン・ゲッツが1970年にリリースしたアルバムです。

スタン・ゲッツは1927年2月ペンシルバニア州フィラデルフィア生まれ(没年1991年、享年64)。1942年に15歳でプロ・デビュー。各楽団を転々としたのち、1947年にウッディ・ハーマン・オーケストラに加わりクール・スタイルのテナー・マンとして一躍名声を得ました。1949年に独立。'50年代は欧州中心に活動。'62年、当時人気を得てきたボサノヴァを取り入れて演奏したアルバム『 Jazz Samba 』が大ヒット。1963年にはアストラッド・ジルベルトをフィーチャーしたボサノヴァの名盤『 Getz / Gilberto 』をリリース。一家に一枚と言われるほど(事実、私もCD持ってます)の世界的なヒットになります。この頃からスタン・ゲッツは多分にイージー・リスニング・ジャズ的な演奏をすることが多くなってきたんだそう。1968年にはバカラック・カヴァー集『 What The World Needs Now - Stan Getz Plays Bacharach and David 』もリリースしています。そして1970年にリリースしたのが本アルバム。

─ このレコードはイージー・リスニング・ジャズ的な性格ももっており、最近のヒット曲を中心に演奏している。とくに4曲もあるバカラック・ナンバーが注目されよう。オーケストラの編曲と指揮はリチャード・ヒューソンが担当、ストリングスも加えたオーケストラはしゃれたムードを作っている。なお、プロデュースには、ジョージ・マーティンが当っている。ゲッツの最新盤らしいフレッシュなアルバムだ。  ─(所有日本盤LPの解説より、岩浪洋三氏)

実は昨年(2023年)コイツのアナログ重量盤がリイシューされました。でもね、6,000円近くもするんですょぉ…わたしゃ買えません😭。中古盤もなかなか高くて(海外送料が高い)どうしようか悩んでましたら中古の日本盤(タイトルがロミオとジュリエットに変更されてます)でプロモ品の安いヤツを見つけてゲットした次第。アナログ盤がリイシューされたからでしょう、いつの間にかYouTubeで全曲聴けるようになってるし…😅。

折角当時の日本盤が手元にあるので、バカラック・ナンバー4曲の解説を引用して紹介いたします。表記はママで。※印
はあるでお注。各曲名のリンク先はYouTubeです。

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A3.「 恋よさようなら 」
─ このところブームを呼んでいるバート・バカラック作曲の佳曲で、ブロードウェイ・ミュージカル『 プロミシーズ・プロミシーズ 』(※1)の主題歌である。ディオンヌ・ワーウィックの歌でヒットしたが、ここではスタン・ゲッツが原曲のメロディーの美しさを充分に生かして演奏している。軽快で抒情的なテナー・ソロをきかせ、バックのストリングスを生かしたオーケストラも見事である。  ─
木管楽器をうまく使った可愛らしいオケのアレンジが印象的です。ゲッツのサックスは全体的に寝ぼけてますけど。
※1 現代での一般的な邦題は
『 Promises, Promises(プロミセス・プロミセス)』。「 恋よさようなら 」はあくまでも挿入歌であって主題歌ではありません。

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B2.「 ビコーズ / サン・ホセへの道 」
〜 ビコーズについては割愛 〜
─ 「 サン・ホセへの道 」は原曲の軽快な味を生かして、リズミックなプレイが行われるが、弦を加えたオーケストラはカラフルで美しく、ゲッツはリラックスした気分で、快適なアドリブをくりひろげている。にぎやかで楽しい演奏である。このアルバムの中でもとくに聞きものの一曲といえよう。  ─
確かにバカラック・ナンバー4曲のうちで最もゲッツがアドリヴを聴かせるのはこの曲かも。バカラック版のアレンジがベース。オケのアレンジは軽快で派手で小技も効いててユニークです。

B3.「 雨にぬれても 」
─ このアルバム三つ目のバカラック・ナンバー。ちょっととぼけた味と哀感があって、数あるバカラックの作品のなかでもとくに印象ぶかい曲である。上当りした愉快な映画『 明日に向って撃て! 』の主題歌のひとつで、B.J.トーマスが映画のバックでも歌ってヒットさせた。ミディアム・スロー・テンポによるスタン・ゲッツの演奏は、原曲のユーモアのセンスも込めて楽しい仕上りとなっている。  ─
この曲でも木管楽器の響きがスパイスとなったオケのアレンジが楽しいです。ゲッツのサックスは相変わらず眠たそう。

B4.「 幸せはパリで 」
─ 1970年の秋に日本でも封切られる映画『 幸せはパリで 』(原題エイプリル・フールス)(※2) の主題歌で、この映画のためにバート・バカラックが作曲したものである。映画にはカトリーヌ・ドヌーヴとジャック・レモンが主演、社長夫人に恋をした社員が職を捨ててパリにかけ落ちするという恋をテーマにした映画である。現代の愛を歌い上げた映画にぴったりの甘美で哀感にあふれた曲で、スタン・ゲッツもロマンティックなバラードとして歌い上げている。ストリングスを加えたオーケストラを背影にしてのゲッツのソロはあざやかだ。ゲッツにはバカラック集があるようにバカラックは得意にしている作曲家である。  ─
全然派手じゃないし、オケのアレンジも楽器や音数が少なめでシンプルなのですが、私はバカラック・ナンバー4曲中この曲が最も印象に残りました。ゲッツのサックスがオケに寄り添ってる風だったからかなぁ。
※2 映画『 The April Fools 』の邦題が『 幸せはパリで 』なのに対し、同名タイトルのこの曲「 THE APRIL FOOLS 」の邦題は「 エイプリル・フール 」というのが一般的です。まだ日本で公開されてなかったんだ!?と思って調べたところ、米国で1969年5月28日に公開されたこの映画、日本公開日は1970年10月24日でした。

スタン・ゲッツのテナー・サックス+オケという編成。岩浪洋三氏はイージー・リスニング・ジャズと表現されてましたが、イージー・リスニングでいいんじゃね?というのが率直な感想です。スタン・ゲッツよりもオケのアレンジの方が主役ですもん。ジャケットは主役よろしくカッコいいんですけどねー。



【データ】
『 Marrakesh Express 』 (日本盤LPタイトル『 Romeo And Juliet(ロミオとジュリエット)』
Stan Getz

LP:1970年9月リリース (所有日本盤LPは、1971年リリース、解説:岩浪洋三氏)
レーベル:MGM Records (US) (所有日本盤LPは、MGM/日本グラモフォン)
番号:SE 4696 (所有日本盤LPは、MM 2021)

Produced by George Martin
Arranged and Conducted by Richard Hewson
Stan Getz - tenor sax

Amazon リンク(2023年リイシューLP


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