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2024年9月15日 (日)

I Who Have Nothing/Tom Jones (1970年)

トム・ジョーンズが1970年にリリースしたスタジオ録音アルバムです。今年ちょっと話題になったバカラック・カヴァー1曲を収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全11トラック中、バカラック作品は1トラック

B2. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (2:39)


トム・ジョーンズが1970年にリリースしたスタジオ録音アルバムです。

トム・ジョーンズは1940年英国南ウェールズ生まれの男性ポップシンガー。バカラック曲「 WHAT'S NEW PUSSYCAT?(何かいいことないか子猫チャン)」、「 PROMISE HER ANYTHING(プロミス・ハー・エニシング)」、「 US(アス)」のオリジナル・アーティストでもあります(これらの曲はバカラック物コンピ集にもよく取り上げられています)。2006年には大英帝国ナイト位を授与されました。所謂 “サー” の称号付きで呼ばれるわけですね、すげー。

本作は『 Tom 』(1970年4月リリース、UK#4)に続けて同年11月にリリースされました。1967年以降のアルバムが全てUKチャートで1桁順位だったのに対して、本作はUKチャート10位。彼独特のダイナミックな歌唱は健在だしノリの良い曲(A4,B6)もありますが、バラードタイプの曲(A2,A3,A5,B1,B5)も多くて全体的に大人しめな印象です。ジャケット裏面には、赤いドラゴン(ウェールズ国旗の中央に描かれている竜ですよね)、
“WALES” LAND OF SONG... This is my homeland; where I was born and raised のコピー、ウェールズと思しき丘陵地を背に佇むトムの写真…。出身地のウェールズに想いを馳せて感傷的になってそういう曲が多くなったのかしらん。(知らんけど)
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んで、バカラック・カヴァーはB2.「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE(当時の日本盤の邦題:愛を求めて)」。歌い出しはイントロなしでアウフタクト2拍をゆったりと。オリジナルと同じ3拍子でテンポは♩≒118。バックはビッグバンド+ストリングスのゴージャスなサウンド。トム・ジョーンズは最初は抑えめに歌っていますが、ラストサビでは彼らしいシャウトを聴かせます。いいですねぇ〜、
レコメンドでございます。公式動画がありましたので貼っておきます。


当時トム・ジョーンズはテレビ番組『 This is Tom Jones TV Show 』(1969〜1971年)のホストを務めていました。その番組で、1969年にサミー・デイヴィスJr.とこの曲をデュエットしています。エンディングが少し違っていてテンポも僅かに遅いですが、本アルバムのバージョンと基本的にバックの演奏は同じ。シャウトの掛け合いが素晴らしいです。これも公式動画を貼っておきます。


そして、今年ちょっと話題になったのが…。来月(2024年10月)公開となる映画『 Joker: Folie à Deux(ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ)』。今年4月10日リリースの特報トレーラーにトム・ジョーンズの歌う「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE 」が使われていたんです(ワーナー公式サイトのNEWS参照。特報トレーラーも視聴できます)。じっくり聴いてみると、デュエット版からサミー・デイヴィスJr.の冒頭の歌声が、本アルバムのトム・ジョーンズ版からラストサビの2フレーズ目の歌声が使われているようです。バックの演奏はとても重厚ですし、ゆったりしたインスト部分の美しさも際立っていますね〜。映画本編でも使われるのか、フォローしたいと思います。


ここからはオマケ。MP3で所有しているトム・ジョーンズのバカラック・カヴァーをご紹介。
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トム・ジョーンズは1967年のアルバム『 Green, Green Grass Of Home 』〜 ただし、Decca盤(UK)には収録されておらず、Parrot盤(US)のみ収録 〜 で「 ANY DAY NOW 」(2:54)をカヴァー。こういう曲にトム・ジョーンズの歌い方は相性いいですね。後半でのシャウトもハマっています。補足:1966年フランスでリリースした4曲入りEP『 What A Party 』のA面2曲目が初出の模様。
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同じく1967年リリースのアルバム『 13 Smash Hits 』で「 I WAKE UP CRYING 」(2:19)をカヴァー。それほど特徴はなくオーソドックスな仕上がり。もちろんトム・ジョーンズの歌唱はパワフルですけれど。
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ついでにライヴ盤も。1967年の『 Tom Jones Live! At The Talk Of The Town 』で「 WHAT'S NEW PUSSYCAT? 」(2:14)を歌唱。イントロで何やらおどけてるみたいですがよくわかりません。ライヴはやっぱり映像が欲しいですな。楽しく歌ってるのは伝わってきますけど。


【データ】
『 I Who Have Nothing 』(邦題:アイ)
Tom Jones

LP:1970年11月リリース
レーベル:Decca (UK)
番号:SKL 5072

詳細クレジット不明

Amazonリンク(MP3)(1998年リイシューCD 2 in 1

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