カヴァーアルバム

2018年2月25日 (日)

What The World Needs Now!/Tony Hatch & His Orchestra (1971年)

英国のソングライター、トニー・ハッチが1971年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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A1. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
A2. TRAINS AND BOATS AND PLANES
A3. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
A4. WALK ON BY
A5. A HOUSE IS NOT A HOME
A6. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
B1. I SAY A LITTLE PRAYER
B2. THE LOOK OF LOVE
B3. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
B4. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
B5. ALFIE
B6. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

収録時間約37分


Tony_hatch_photo_3 トニー・ハッチ(1939-)は1960年代から英国ポップスをリードしてきたソングライターであり、数多くのアーチストを世に送り出してきた名プロデューサー。

1961年にパイ・レコードと契約。サーチャーズやデヴィッド・ボウイなどに作品を提供し、数々のヒット曲を生み出しました。ペトゥラ・クラークの 「 Downtown (恋のダウンタウン) 」 は英国人女性初の全米NO.1に輝き、 「 Call Me (コール・ミー) 」 は世界中の歌手にカヴァーされています。その活躍ぶりは “ イギリスのバカラック ” と称されるほど。

1960年代半ばからはオーケストラを率いてイージーリスニング・アルバムを数多くリリース。本アルバムはそんなイージー・リスニング・アルバムのひとつで、1971年にリリースされたバカラック作品集です。ジャケ写は女性の写真。もろイージーリスニングだぁ。

R1047189514981339584924jpeg_3同じ年に日本盤もリリースされました。邦題は 『 トニー・ハッチ<プラス>バート・バカラック 』。トニー・ハッチにバカラックを足すとは、どーゆーこと? もしかしてトニー・ハッチとバカラック、世紀の共演なのかっ!?

─  イギリス最高のサウンド・クリエーターが見事な4チャンネル・アレンジで贈るバカラック・ソング ─ (日本盤の帯コピー)

帯を読まないと誤解しますよねー。素直に 『 トニー・ハッチ<プレイズ>バート・バカラック 』 としとけばよいものを…。

プロデュース&アレンジはトニー・ハッチ自身。クレジットに記載はありませんが、オーケストラは小規模ビッグバンド+ストリングス+ハープってな感じでコーラスは一切なし。トニー・ハッチ自身は指揮してるのかな?

Img_0268eeeImg_0269fff 取り上げた12曲はバカラックの定番曲ばかり。1971年ですからB3. 「 雨にぬれても 」 やB4. 「 遥かなる影 」 も入ってます。アレンジの仕立ては “ 軽快で明るいイージーリスニング ”。どちらかというとストリングスより管楽器が目立ちますが、各楽器にまんべんなくメロディを担当させてます。特にバス・トランペットは珍しいと思います。普通ポップスには使わんでしょう。一般的なトランペットより1オクターブ低く音色はトロンボーンにそっくり。知らなかったので勉強になりました。(参考:トランペット6種類のデモ動画 ~ 最初がバス・トランペット)

─  バート・バカラックは、コードとリズム構造の複雑さとメロディのシンプルさを融合させるわざの持ち主です。ハル・デイヴィッドは、おきまりのありきたりな表現をスタイリッシュなオリジナリティーに変える技巧をモノにしました。私は何年もの間、彼らの複合的な才能に敬意を表してきました。このアルバムで彼らのグレイテスト・ヒッツ12曲を演奏することは私にとって途轍もなく大きな喜びです。 ─ (トニー・ハッチ、 裏ジャケのライナーより)

バカラックとハル・デイヴィッドの2人を同じようにリスペクトしているのは作詞と作曲の両方をこなすトニー・ハッチならでは。取ってつけたようなアレンジの曲はなく、彼の言葉が儀礼的なものではないことがわかります。ハープで始まるイントロやAメロ初め2小節の弾むハーモニーが特徴的なA1. 「 サン・ホセへの道 」 、いろんな楽器を贅沢に使ったアレンジでバス・トランペットがいいアクセントになっているB1. 「 小さな願い 」 、速いテンポ(♩≒140)のジャズワルツでブラスとストリングスがゴージャスに奏でるB6. 「 世界は愛を求めている 」 あたりがレコメンド。

他にも、フリューゲルホルン2本とフルートがうまくハモるA2. 「 汽車と船と飛行機と 」 、フリューゲルホルンとトロンボーンによるメロディの掛け合いがたまらないB5. 「 アルフィー 」 あたりも捨てがたいです。トニー・ハッチは日本ではともかく英国では超有名ですからCD化されていてもよさそうなもんなんですが…。

R357085415013377633140png なお、B2. 「 恋のおもかげ 」 だけは1968年のアルバム 『 Latin Velvet And Other Warm Sensations 』 からのキャリーオーバー。
流麗なストリングスにフリューゲルホルン、サックス、ピアノがシンプルにメロディを乗せたサウンドは、確かに本アルバムの他の曲とはちょっと雰囲気が異なります。私のレコメンドではありませんねー。

このように、本アルバム以外にもトニー・ハッチは自身名義でバカラック作品をレコーディングしています。
以下まとめてみました。対象はあくまで彼自身名義のアルバムで、例えば “ ジャッキー・トレント(当時の奥様) with トニー・ハッチ ” のようなアルバムは含みません。
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R211496314665272806804jpegオマケとして、MP3でしか所有していないバカラック・カヴァーをご紹介。
上表のとおり、トニー・ハッチは1970年にリリースした Tony Hatch & The Satin Brass 名義のアルバム 『 Sounds Of The 70's 』 で 「 恋よさようなら 」(2:17) と 「 ディス・ガイ 」(3:20) を取り上げています。「 恋よさようなら 」 はマリアッチ調で、複数のトランペットによるメロディはどーみてもティファナブラスのパクリ(笑)。他にもホルンやトロンボーンがバリバリメロディを吹いてます。
「 ディス・ガイ 」 は本アルバムにも収録されていますが、イントロこそ似てるものの全くの別物。ボサノヴァ調で、後半は 「 恋よ~ 」 と同様に金管がバリバリ吹きます。本アルバム収録曲の方が私は好きですねー。


【データ】
『 What The World Needs Now! 』 (邦題:トニー・ハッチ<プラス>バート・バカラック)
Tony Hatch & His Orchestra With The Songs Of Burt Bacharach & Hal David

LP:1971年リリース
レーベル:Pye Records (UK)
番号:NSPL 41014

Produced by Tony Hatch
Arranged by Tony Hatch
Special Mentions
  Bass Trumpet - Ray Premru (A1,A6,B1)
  Flugel Horn - Tony Fisher (A2,B6), Greg Bowen (A2,A3)
  Trombone - Johnny Edwards (A2)
  Alto Sax - Ronnie Chamberlain (A5)
  Tenor Sax - Rex Morris (B5)

Recording Supervised by Ray Prickett at Pye Records Studios, London
Ⓟ1971 (except B2.- Ⓟ1968)

※ 日本の Amazon での取り扱いはなし

2018年2月18日 (日)

BACHARACH BRAVO!/Chris Hinze (1971年)

オランダの男性ジャズ・フルート奏者、クリス・ヒンゼが1971年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

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A1. THE APRIL FOOLS
A2. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
A3. THE LOOK OF LOVE
A4. TRAINS AND BOATS AND PLANES
B1. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
B2. LET ME GO TO HIM
B3. PAPER MACHE
B4. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU

収録時間約36分


クリス・ヒンゼは1938年オランダ生まれのジャズ・フルート奏者。ハーグ王立音楽院で学び、1969年にバークリー音楽院に留学。1970年には自らのカルテットでモントルー・ジャズ祭に参加してソリスト賞を受賞しました。ジャズからバロック、1974年には尺八の山本邦山など邦楽器奏者とのセッション3部作を録音したり、後年はニューエイジに傾倒するなど幅広いジャンルで活躍した方のようです。

1969年に初リーダー作を録音。カルテットで2枚、クリス・ヒンゼ・コンビネーション名義で1枚のアルバムをリリース(ジャケ裏の3枚のLPジャケットがそれです)したあと、1971年にリリースした4枚目が本作です。

基本はフルート、ピアノ、ギター、ベース、ドラムスのクインテットで、更に一部の曲でフルート4人が参加。あまり馴染みのない編成なので新鮮ではあります。ちょっと残念なのはメンバーの写真がないこと。ジャケットにワケわからん写真使うくらいなら小さくてもいいから載せて欲しかったです…。

Imgp5321ccc_2Imgp5322ccc_2 収録された8曲は全てバカラック&デイヴィッド作品。

そのうちB2.. 「 レット・ミー・ゴー・トゥー・ヒム(恋に生きて) 」 とB3. 「 ペイパー・マシェ 」 はディオンヌがオリジナル。1970年のアルバム 『 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 』 収録曲で、どちらもシングルA面曲になったのですが、あまりカヴァーされていない曲です。超レアな 「 レット・ミー・ゴー・トゥー・ヒム 」 は私にとって初めて聴くカヴァー・バージョンとなりました。

全体にゆったりめで落ち着いたアレンジが多いです。各曲のテンポをその曲のオリジナル・バージョンと比較してみました。レーダーチャートをご覧ください。オリジナルより遅い曲が殆どです。特にA4. 「 汽車と船と飛行機と 」(♩≒72) とB3. 「 ペイパー・マシェ 」(♩≒70) はオリジナルよりグッと遅くて、受ける印象がかなり変わるのが面白い!
尚、B4. 「 遥かなる影 」 のオリジナルはリチャード・チェンバレンですが、ここではカーペンターズと比較しました。
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A面最初のA1. 「 エイプリス・フール 」 やB面最初のB1. 「 ディス・ガイ 」 は、他のどのカヴァーとも違うシンプル且つ幻想的なイントロから始まり、コイツは只者ではないな…と思わせます。全編を通して、クリスはフラッター・タングング(巻き舌)や尺八のような奏法など、派手ではないけれど様々な技を駆使してメロディを奏でています。このアルバムはイージー・リスニングなんかじゃなくてやっぱりジャズなんですね。

落ち着いたアレンジが多いと書きましたが、A2. 「 世界は愛を求めている 」 やA3. 「 恋のおもかげ 」 はクリスやピアノのアドリヴがけっこう多くてハードな仕上がり。特に 「 恋のおもかげ 」 はアヴァンギャルドなアドリヴで、 『 ルパン三世 』 TV第1シリーズの世界観と近しい印象を持ちました(あくまで個人的な感想ですが)。本アルバム中、私のイチオシです。

アドリヴもなく単調なB4. 「 遥かなる影 」 のようにちょっと残念な曲もありますが、どうしてこれまでCD化されてなかったんだろう?と訝しく思ってしまう、掘り出し物のアルバムでございました。地味ですけどねcoldsweats01

R105858615133448519141pngSankyoalto ちなみに、ワケわからんジャケ写は1973年の再発時にクリスの写真に差し替えられ、アルバム名もわかりやすく 『 Hinze Plays Bacharach 』 に変更されました。(画像左です)

再発時のジャケ写でクリスが吹いてるフルート、よく見ると管が平行に2本あります。クリスは曲によって普通のフルートとアルトフルートを吹き分けていますが、どうもU字管のアルトフルートみたいですね。アルトフルートは普通のフルートの1.5倍くらいの長さがあり手が届きにくくなることから、ストレートと一回曲げたU字管の2種類の形状(画像右参照)があるんですって。今回初めて知りましたflair

そのアルトフルートがそうなのかはわかりませんが、クレジットによればクリスのフルートはムラマツ製。日本製フルートが欧米で高い評価を得た最初の製品がムラマツフルートだった…と何かの本で読んだことがありますが、1970年頃すでにそうだっんだっ!?と認識しました。


【データ】
『 BACHARACH BRAVO! 』
Chris Hinze

LP:1971年リリース
レーベル:CBS (Netherlands)
番号:S 64312

Produced by Ruud Jacobs
Arranged by Chris Hinze
Personnel
  Chris Hinze - flute & alto flute
  Henk Alkema - piano & organ
  Wim Overgaauw - guitar
  Roger Cook - bass
  Frank Bennett - drums
  David Porcelijn - flute (A2,B2,B4)
  Rien de Reede - alto flute (〃)
  Govert Jurriaanse - flute (〃)
  Margriet De Wijs - flute (〃)

Chris Hinze plays a silver Muramatsu flute

※ 日本の Amazon での取り扱いはなし

2018年2月11日 (日)

Promises, Promises/Aimi Macdonald and Ronnie Carroll (1969年)

UKアーティストによるミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 のスタジオ・キャスト・アルバムです。

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A1. OVERTURE  ~ Orchestra ~
A2. HALF AS BIG AS LIFE  ~ Ronnie Carroll
A3. UPSTAIRS  ~ Ronnie Carroll
A4. YOU'LL THINK OF SOMEONE  ~ Aimi Macdonald and Ronnie Carroll
A5. SHE LIKES BASKETBALL  ~ Ronnie Carroll
A6. KNOWING WHEN TO LEAVE  ~ Aimi Macdonald
B1. TURKEY LURKEY TIME  ~ Daphne Bonnet, Lissa Gray and Christine Parker
B2. A FACT CAN BE A BEAUTIFUL THING  ~ Ronnie Carroll and Patricia Whitmore
B3. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU  ~ Aimi Macdonald
B4. WHERE CAN YOU TAKE A GIRL?  ~ Frank Holmes, Fergus O'Kelly, Eddie Lester and Charles Young
B5. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Aimi Macdonald and Ronnie Carroll
B6. PROMISES, PROMISES  ~ Ronnie Carroll

収録時間約35分


─  ブロードウェイでの大ヒットを受け、『 プロミセス・プロミセス 』 ロンドン公演が10月2日プリンス・オブ・ウェールズ・シアターで始まった。「 THE STORY OF MY LIFE(ストーリー・オブ・マイ・ライフ) 」 「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE(世界は愛を求めている) 」 「 ANYONE WHO HAD A HEART(恋するハート) 」 などこの10年の間に数多くのヒット曲を生んだバート・バカラックとハル・デイヴィッドによる最初のミュージカルである。一番の人気曲 「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN(恋よさようなら) 」 は公演開始一週間以内にUKチャート1位となり、ショーの成功を改めて裏付けることとなった。そのほか注目すべき曲は、「 WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU(あなたはあなた) 」 「 WANTING THINGS(ウォンティング・シングス) 」 そして、とても楽しいタイトル曲である。 ─ (ジャケ裏のライナーノーツより)

1969年、『 プロミセス・プロミセス 』 のロンドン公演が始まって一週間経った頃の描写からライナーノーツは始まっています。前回記事で紹介したロンドン・オリジナル・キャスト・アルバムと同じく1969年にリリースされた本アルバム、ロンドン公演のキャストは一人も参加していません。

アルバムの名義はアイミ・マクドナルドとロニー・キャロル。ジャケットの2人です。略歴がライナーに書いてありましたので引用して紹介します。(邦題やUKチャートなど参考情報を追記しました)

─  フランスとアメリカでバレエのキャリアをスタートさせた後、アイミはイングランド戻ってミュージカル 『 On the Town(オン・ザ・タウン) 』 『 Boys from Syracuse 』 に出演。そのあと彼女はTVコメディ・シリーズ 『 At Last The 1948 Show 』 で大ブレーク、“ the lovely Aimi Macdonald ” のキャッチフレーズが付いた。シリーズ終了後すぐに彼女はガーシュインの 『 Lady, be good(レディー、ビー・グッド) 』 でLionel Blairと共演した。 ─

─  ロニー・キャロルは約12年間歌手として活動しており、「 Say wonderful things 」(1963年、UK6位)、「 Roses are red 」(1962年、UK3位)、「 Dear heart 」 などのヒット曲がある。リラックスした歌唱スタイルを持ち、長年にわたり多くのラジオやTV番組に出演してきた。このところ録音が減っていたが以前と同様に彼が歌うのを聴けて非常に喜ばしい。 ─

作品や曲がわからないので読んでもピンときませんがcoldsweats01

Pp_uk_studio_cast_5この2人以外に、一部の曲では他のアーティストも参加しています。左の表はミュージカルの役と本アルバム参加アーティストの関係をまとめたものですが、その曲を歌う役に合わせて歌手をあてがってるワケですね。

Wikiで調べて知ったのですが、公演キャストとは別にレコーディングしたアルバムをスタジオ・キャスト・アルバムって言うんですね。?マークの方は出身&生年等調べてもわからなかったのですが、UKの色々なスタジオ・キャスト・アルバムに名前が出てくる…そんな方々ばかりでございます。

Imgp5319cccImgp5320ccc 収録されているのは、オリジナル・キャスト・アルバム(以降、OC盤)の17曲からシェルドレイク役やドレイファス医師役が歌う曲などをカットした12曲。オケのアレンジはOC盤に似ているけど全くの別物。レコードを耳コピしてOC盤を再現しようとしたけど力及ばず…だったのかなぁと推察。唯一みられる独自の工夫は、A1. 「 序曲 」 の途中に 「 恋よさようなら 」 を挿入したこと。時間にして20秒間、アイディアは良いのですが惜しむらくはここのアレンジが安直で…。時間に余裕がなかったのかしらん。

チャック役ロニーの歌唱は安定していて、とびぬけたところはないけれど安心して聴くことが出来ます。一方、フラン役のアイミはちょっとツラい。ネコ声なのはいいのですが、若い(当時27歳)わりに声の張りは無く音程は不安定。特にバラードのB3. 「 あなたはあなた 」 はそれが顕著。他のアーティストが頑張ってるだけに余計アイミの不安定さが目立ちます。

全体的なクオリティは明らかにOC盤より低く、本アルバムはオススメ致しかねます。これだったらOC盤を買えばいいワケで…。企画意図がよくわかりません。イージーリスニングのように原曲とは一味違ったアレンジで特徴を出すのならまだ存在意義があるんでしょうけどね。

そういう意味では、超一流アーティストが歌うスタジオ・キャスト・アルバムを作ったら面白いと思うんですけどね。OC盤を上回る圧倒的なクオリティで! 英国だったら、ちょうど今 『 トゥギャザー・ジャパン・ツアー 2018 』 (2018年2月10~12日、@東急シアターオーブ)で来日しているマイケル・ボールとアルフィー・ボーでアルバム制作したらスゴイことになるだろうなぁ。チャック役はどちらもキャラ合わないけど、ふたりともバカラック作品をカヴァーしているのでオファーしたらOKしてくれそうだし…などと夢想するあるでおでした。
マイケル・ボール 『 BACK TO BACHARACH 』
アルフィー・ボー 『 TRUST 』


【データ】
『 Promises, Promises 』
Aimi Macdonald and Ronnie Carroll

LP:1969年リリース
レーベル:fontana (UK)
番号:SFL 13192

プロデュース、アレンジ等は不明。
Orchestra directed by Keith Roberts
その他クレジットは前述の表を参照ください。
Ⓟ1969

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2018年2月 5日 (月)

PROMISES, PROMISES/Original London Cast Recording (1969年)

ミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 のオリジナル・ロンドン・キャスト・アルバムです。

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A1. OVERTURE  ~ Orchestra ~
A2. HALF AS BIG AS LIFE  ~ Anthony Roberts
A3. UPSTAIRS  ~ Anthony Roberts
A4. YOU'LL THINK OF SOMEONE  ~ Betty Buckley, Anthony Roberts
A5. OUR LITTLE SECRET  ~ Anthony Roberts, James Congdon
A6. SHE LIKES BASKETBALL  ~ Anthony Roberts
A7. KNOWING WHEN TO LEAVE  ~ Betty Buckley
A8. WANTING THINGS  ~ James Congdon
A9. TURKEY LURKEY TIME  ~ Donna McKechnie, Miranda Willis, Susi Pink
B1. A FACT CAN BE A BEAUTIFUL THING  ~ Anthony Roberts, Kelly Britt
B2. GRAPES OF ROTH  ~ Orchestra ~
B3. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU  ~ Betty Buckley
B4. WHERE CAN YOU TAKE A GIRL?  ~ Ronn Carroll, Jay Denyer, Ivor Dean, Don Fellows
B5. CHRISTMAS DAY  ~ Toni Eden, Eula Parker, Jackie Lee, Barbara Moore
B6. A YOUNG PRETTY GIRL LIKE YOU  ~ Anthony Roberts, Jack Kruschen
B7. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Betty Buckley, Anthony Roberts
B8. PROMISES, PROMISES  ~ Anthony Roberts

所要時間約44分


ミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 のオリジナル・ロンドン・キャスト・アルバムです。

本家ブロードウェイ版 『 プロミセス・プロミセス 』 の好評を受け、ロンドンのウエスト・エンドで1969年10月にオープン。560回上演してこちらも好評だったそうです。ジャケットにクレジットされていた主なスタッフ及び主要キャストは以下表のとおり。ブロードウェイ版も併記しました。
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照明と演出を除いてブロードウェイ版(以降、BW版)のスタッフが名を連ねています。Original production directed by とわざわざBW版の演出家までクレジットされていますし、アルバムのジャケットもそっくり。BW版と同じクオリティを目指したものと推察します。

チャック役のトニー・ロバーツについては 『 バカラック自伝 』 にエピソードが載っています。BW版のリハーサル中のこと。脚本のニール・サイモンがチャック役のジェリー・オーバックを嫌ってトニー・ロバーツの起用をプロデューサーに進言。香港からトニー・ロバーツをニューヨークに呼び戻したのですが、急にニール・サイモンがジェリー・オーバックを代えないと言い出して結局この話はおじゃんに。ウエスト・エンド版(以降、WE版)のチャック役は彼以外あり得なかったのかも…。トニー・ロバーツはその後、ブロードウェイで2代目チャックとなったそうです。良かったね、トニー。

フラン役のベティ・バックリーは1947年生まれで1969年当時22歳。出身地のテキサス州で一度は会社勤めをしたものの同年ニューヨークにやってきてブロードウェイ・デビューしたばかりでした。BW版のフラン役ジル・オハラがその後鳴かず飛ばずだったのに対して、ベティ・バックリーは映画/TV/ミュージカルなど幅広く活躍。ミュージカル 『 キャッツ 』 のブロードウェイ初演でグリザベラ役を演じて1983年トニー賞助演女優賞を受賞しています。尚、Wikiによればブロードウェイ何度目かの米国内ツアーの時にもフラン役を演じたそうです。

BW版が上演中ですから当然別の役者がキャスティングされているのですが、唯一の例外はミス・デラ=ホヤ役のドナ・マッケニー。のちにミュージカル 『 コーラスライン 』 で1976年のトニー賞主演女優賞を獲得しています。ブロードウェイは代役に交代したのかな。

表の主要キャストのうち英国の役者はカークビー役とアイケルバーガー役の2人のみ。ただ、役名は載ってないけれどB5. 「 クリスマス・デイ 」 を歌う女性4人組のうちアイルランド生まれの歌手Jackie Lee(ジャッキー・リー)と英国生まれでスキャットの女王として知られるBarbara Moore(バーバラ・ムーア)はWE版ならでは…なんだそう(某サイトの受け売りです^^;)。

Imgp5329cccImgp5332ccc 曲目はBW版と同じなのですが、構成面では細かいところでいくつか違いがあります。A3. 「 二階の僕の部屋 」 はBW版が2コーラス歌うのに対して1コーラスのみ、A9. 「 ターキー・ラーキー・タイム 」 では中盤にある間奏部に1小節挿入してドラムスのアドリブを強調、B3. 「 あなたはあなた 」 は終止形で終わるBW版に対しフェードアウトで終わる、B5. 「 クリスマス・デイ 」 の冒頭にフルートのソロを4小節追加する代わりにBW版にあるアウトロを省略、B8. 「 プロミセス・プロミセス 」 でBW版はフェードアウトですが終止形で終わっている、といったところです。

アレンジは基本同じなのですが、オケのメンバーや指揮者は現地調達でしょうから表現上の違いがみられます。例えばA1. 「 序曲 」 の前半、「 去りし時を知って(もうさようならの時) 」 のサビをトランペットが吹くところ。2小節だけ音型を比較してみたのがコレ。
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1969年のアルバム 『 MAKE IT EASY ON YOURSELF 』 でバカラックがセルフ・カヴァーした 「 去りし時を知って 」 のサビの音型はBW版と瓜二つ。─  わたしの書いたパートを、わたしが希望する通りのかたちでプレイさせることに強くこだわっていた ─ とBW版リハーサルの模様をバカラックが自伝で触れていますが、ナルホド納得です。片やWE版にバカラックが関与することはなかったのでしょう。自伝にもそんな記述ありませんし。
それと、B6. 「 可愛い女の子(若くてかわいい女の子) 」 だけキーが2度高いです。ドレイファス医師役の声域に合わせて移調したのでしょう。

トニー・ロバーツはジェリー・オーバックより4歳若いのですが、このアルバムを聴く限り逆なんじゃ?と思えます。声質は似ていますが声量が少し負けてるのかなと。A3. 「 二階の僕の部屋 」 やA4. 「 誰かいるさ 」 のようなアップテンポの曲では所々リズムに乗れない部分もあったりして。私はジェリー・オーバックに軍配を上げます。

ベティ・バックリーとジル・オハラは同い年。お互いブライトな声質で声量もあり甲乙つけがたいです。幾分ネコ声気味のベティ・バックリーの方が茶目っ気ある印象を受けますが、フラン役をどう演じるかに関わる話でありどちらがいいとは言えません。軍配は引き分けです。個人的な好みを言うとベティ・バックリーかな。

このミュージカルで最もお客さんに受ける場面でチャック役とB1. 「 事実は美しいはずなのに 」 を歌うマージ役。これはWE版のケリー・ブリットがもう抜群です。酔ってチャックをおちょくる女性を表情豊かに演じていて、チャック役のトニー・ロバーツをうまくリードしています。フラン役との絡みがイマイチなトニー・ロバーツもこの曲では生き生きとして息の合った絡みをみせます。

BW版とWE版を比較して雰囲気がちょっと違うと思ったのはコーラス形式で歌うB5. 「 クリスマス・デイ 」 。テンポが速めでゴージャスなBW版に対し、WE版はゆったりしたテンポで情感豊か。雰囲気が好きなのはWE版の方です。

このWE版の中古LPを私はDiscogsのマーケットプレイスでゲットしたのですが、2010年に米国 Kritzerland レーベルから1,000枚限定でCD化されていることをごく最近知りました。日本のAmazonでは扱ってませんが、UKとドイツの Amazon では扱ってるようです。とはいっても新品は売り切れてて中古だけ、しかもお値段かなりするようですが。内容的にはBW版と大きな違いはありませんから、興味ある方は中古LPをリーズナブルな価格で購入するのがよろしいかと。


【データ】
『 PROMISES, PROMISES 』
Original London Cast Recording

LP:1969年リリース
レーベル:United Artists (UK)
番号:UAS 29075

クレジットは前述の表を参照ください。

※ 日本の Amazon での取り扱いは無し

2018年1月28日 (日)

THE BEAT MY HEART SKIPPED/The Blue Devils (2011年)

米国のドラムコー、ブルーデビルスの2011年のプログラムを収めたアルバム。この年はオール・バカラック・プログラムでした。

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1. HOUSE IS NOT A HOME (1:01)
2. SUMMER OF '77 (2:40)
3. I SAY A LITTLE PRAYER (3:20)
4. WOMEN (1:46)
5. WIVES AND LOVERS (1:27)
6. HOUSE IS NOT A HOME (Reprise) (1:30)
7. SALVATION IS CREATED (0:54)
8. Bb TUNING MAJOR (0:55)
9. Bb TUNING MINOR (0:58)
10. MALFRED - PERCUSSION (1:27)
11. PARADISE 2011 - PERCUSSION (1:43)


収録時間約18分 (T-1~6. Total 11:44)


米国のドラムコー、ブルーデビルスの2011年のプログラムを収めたアルバムです。

ドラムコー (Drum corps) とは、打楽器、金管楽器、カラーガードによって編成されたマーチングアンサンブルのこと。正式にはドラム&ビューグル・コー (Drum and bugle corps) といいます。ただし、吹奏楽編成のマーチングバンドとは起源や発展の歴史が全く異なるそうで、別のカテゴリーです。

ブルーデビルス (The Blue Devils、以降BD) は、米国カリフォルニア州コンコードを拠点とするドラムコー。Drum Corps International (ドラムコー連盟のひとつ、以降DCI) 大会のワールドクラスで過去最多となる18回※の優勝を誇ります。 (※2017年大会まで)

DCI大会は毎年8月中旬に行われます。ワールドクラスの場合は6月1日時点で21才以下という年齢制限があり、最大150名で最大12分間のプログラムを披露してスコアを競います。100点満点のスコア配分は、General Effect 40点、Visual 30点、Music 30点。ビジュアルと音楽が半々ということから、ドラムコーは総合舞台芸術なんだとわかります。

アルバム・タイトルの 『 THE BEAT MY HEART SKIPPED 』 はプログラム名。T-1~6.まで6トラックに分割して収録されています。ただし、大会のライヴ音源ではなくて大会の数日前にスタジオ録音したものです。動き回るはずの金管楽器やドラムの音(定位)が固定されたままですからねー、納得。

BD公式サイトによればプログラムのレパートリーは以下のとおり。そう、オール・バカラック・プログラムなんです。
・A House Is Not a Home
・Summer of '77
・Walk On By
・One Less Bell To Answer
・Woman
・I Say A Little Prayer
・Wives And Lovers
・God Give Me Strength

実は、私が最初にBDを知ったのはまったりさんのブログでして。 → こちら
ここまでの内容、まったりさんのブログとかなりダブっていますがご容赦くださいませm(__)m。記事を読むとまったりさんの興奮が伝わってきますね~。動画の一部は現在再生できなくなってますが…。

先ほどのBD公式サイトでは本アルバムと同じ6トラックを聴くことが出来ます。加えて、分割されてないフルバージョンも! (だったらCDにも収録しろよ~T_T) → こちら 

2011年BDのメンバー構成は以下のとおり。
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年齢17才~21才の男女たち150人の大迫力サウンドに圧倒されます。ただのメドレーじゃなくて、元曲のメロディラインやモチーフを取り出して組曲風に再構築した形のアレンジもスゴイなぁと思います。日本だと細かいミスを出さないようにきっちり演奏しよう…となりがちですが、細かいところをあまり気にしないダイナミックな演奏は聴いてて楽しいですねー。

T-2. 「 SUMMER OF '77(サマー・オブ・'77) 」 とT-4. 「 WOMAN(ウーマン) 」 はバカラック1979年のアルバム 『 WOMAN 』 の収録曲。2曲ともカヴァーされた初めてのケースだと思うのですが、そんな超レアな曲をチョイスしたトコロにも感心しちゃいます。なんてチャレンジングな!

T-3. は 「 小さな願い 」 というタイトルになっていますが、3分20秒間 の尺のうち最初の約40秒間は 「 WALK ON BY(ウォーク・オン・バイ) 」 が、続く約1分間は 「 ONE LESS BELL TO ANSWER(悲しみは鐘の音とともに) 」 のモチーフやメロディが組み込まれています。一方、公式サイトに挙げられていたレパートリーの中で何度聴いてもどこに使われているのか判らないのが 「 GOD GIVE ME STRENGTH 」 。どなたか教えてくださいませm(__)m

T-7~11.は練習用の曲でバカラック作品ではありません。

2011年8月13日に行われたDCI大会決勝、BDはスコア 97.8 で惜しくも2位でした…。そのパフォーマンスがYouTubeにアップされています。ビジュアルと音楽どちらも大事なドラムコーは動画じゃないと楽しさ半減ですので是非ご覧くださいませ。 → こちら

なお、購入したCDはオンデマンドCDでメディアもCD-R。ライナーノーツやクレジットも一切無くショボいですcoldsweats01。どうしても音源欲しい方はMP3で、そうでない方はBD公式サイトやYouTubeをお聴きになればよろしいかと。


【データ】
『 THE BEAT MY HEART SKIPPED 』
The Blue Devils

MP3/CD:2011年8月13日リリース
レーベル:Blue Devils Mediabox
番号:なし ※ On Demand CD (メディアはCD-R)

Recording date: August 9, 2011

2017年10月29日 (日)

Close To You ~ Burt Bacharach Song Book/Nicki Parrott (2017年)

歌う女性ベーシスト、ニッキ・パロットによるバカラック・カヴァー集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. WALK ON BY
2. ALFIE
3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
4. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
5. WISHIN' AND HOPIN'
6. A HOUSE IS NOT A HOME
7. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
8. WIVES AND LOVERS
9. THE APRIL FOOLS
10. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
11. MAKE IT EASY ON YOURSELF
12. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
13. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU
14. I SAY A LITTLE PRAYER
15. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

収録時間約53分


歌う女性ベーシスト、ニッキ・パロットによるバカラック・カヴァー集。今月(2017年10月)リリースしたてのホヤホヤspaです。
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ニッキさんはこれまでもちょくちょくバカラック作品を歌っておいでで、拙ブログでも2015年に一度取り上げています。簡単なプロフィールなどもその記事に載せていますのでよかったら参照ください。 → こちら

そしていよいよバカラック集をレコーディング! ボーカル&ベースのニッキさんに、ドラムス、ピアノ、テナー・サックス、ギターのクインテット編成。収録された15曲は全てバート・バカラック&ハル・デイヴィッド作品でカヴァー定番曲ばかり。15曲もあれば少しはレアな曲もあるかな?と期待しましたが、意表を突く選曲は無くてチト残念。

全体的にはわりと真っ当なジャズかな~という印象。でも、畏まって聴く感じではなくて、ニッキさんの若干ハスキーでまろやかな歌声に合わせてバックの演奏は全体的に暖色系で角が丸く、リラックスして聴けるアルバムです。

クィンテット編成は5曲だけで、曲によってピアノのみ、ピアノトリオ、ギタートリオ、ギター抜きカルテット、サックス抜きカルテットという風に変化をつけています。ニッキさんはそれほど声量がないこともあって、クィンテット編成などの賑やかな演奏には押されてしまってる感があります。ピアノのみやトリオ編成くらいの方が歌と演奏のバランスが取れててニッキさんの持ち味が発揮できるのかなぁと思います。

私のイチオシgoodは、T-9. 「 エイプリル・フール(幸せはパリで) 」 。バックはピアノのみ。リリカル且つシンプルなピアノが素晴らしく、イントロとアウトロも素敵です。丁寧に感情を込めて歌っているニッキさんも素敵。この曲だけを何度も繰り返し聴きたくなります(事実繰り返し聴いてます)。同じくピアノのみをバックに歌うT-7. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン(遠い天国) 」 やT-13. 「 ディス・ガール(貴方に恋して) 」 なども味があってレコメンド。“ 歌う女性ベーシスト ” の肩書はこの際忘れましょうcoldsweats01

ピアノトリオのT-6. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 、クィンテット編成で渋いバラードにアレンジされたT-1. 「 ウォーク・オン・バイ 」 あたりもレコメンドにしときます。ここまでピックアップした5曲は全てバラード曲。ニッキさんはバラードがしっくりくるなーと感じました。

R969257714848559505806jpeg ここからはオマケです。MP3データしか所有していないバカラック作品をご紹介。

これはニッキ・パロットが昨年(2016年)リリースした 『 Yesterday Once More ~ The Carpenters Song Book 』 というアルバム。タイトルが何だか似てますがそれはこの際置いといてsmile、そのアルバムの中で 「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」(3:50) と 「 (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU 」(4:43) を取り上げて歌っています。どちらも賑やかで楽しいボサノヴァ風アレンジ。こういうアレンジだとリズムに乗って軽やかに歌ってほしいところですが、なんか乗り切れてないような感じを受けます。やっぱりニッキさんはバラード曲の方がお似合いなんじゃないかなぁ~。


【データ】
『 Close To You ~ Burt Bacharach Song Book 』 (邦題:遥かなる影~バート・バカラック・ソング・ブック)
Nicki Parrott

CD:20.17年10月18日リリース
レーベル:ヴィーナス・レコード(日本)
番号:VHCD-1222

Produced by Tetsuo Hara
  Nicki Parrott - vocals & bass
  John Di Martino - piano
  Paul Meyers - guitar
  Harry Allen - tenor sax
  Alvin Atkinson - drums
Recorded at Trading 8's Studio in NY on July 4, 5 & 6, 2017
  T-1,3,5,10,12,15. ~ b,p,d,g,ts
  T-2,14. ~ b,p,d,ts
  T-4. ~ b,p,d,g
  T-6,8. ~ b,p,d
  T-11. ~ b,d,g
  T-7,9,13. ~ p

2017年7月30日 (日)

Johnny Mathis sings the music of Bacharach & Kaempfert/Johnny Mathis (1970年)

ジョニー・マティスが1970年にリリースした、バカラックとケンプフェルトの作品集です。

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ジャケット裏側の中央右、"25"と書いてあるのはシールです。剥がそうとしましたがビリビリになりそうで断念しました^^;

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LPダブルジャケット見開き状態

LP2枚組: 1枚目(SIDE1/SIDE2)はBert Kaempfert集で、2枚目(SIDE3/SIDE4)がBurt Bacharach集。

SIDE3
1. WALK ON BY
2. THE LOOK OF LOVE
3. I SAY A LITTLE PRAYER
4. HEAVENLY
5. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
SIDE4
1. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
2. ALFIE
3. ODDS AND ENDS
4. FAITHFULLY
5. DON'T GO BREAKING MY HEART

収録時間約32分 (2枚目のみ)


米国の男性ポピュラー・シンガー、ジョニー・マティスが1970年にリリースした、バカラックとケンプフェルトの作品集です。以下、2枚目のバカラック集のみ言及してまいります。

ジャケット見開きにジョニー・マティスが本アルバムに寄せたコメントが載ってまして、その一端をわたくしめの超意訳でご紹介。

─ 作曲家シリーズのアルバムを作ろうというアイディアを思い立った時、私はどこから始めたらよいかという難題に直面した。 … バート・バカラックとベルト・ケンプフェルトを取り上げたらどうだろう? 悪い考えじゃないぞっ!
 ニューヨークのイーストサイドにあるアパートで、あれは確か晴れた日の午後だったかな、バート・バカラックと故シドニー・ショウが 「 HEAVENLY 」 を作ってくれたんだ。(そういえば、バートは大型のボクサー犬を飼ってたな) 「 HEAVENLY 」 は、アルバムのコンセプトを発展させてくれた素晴らしい曲だった。その後、「 FAITHFULLY 」 、「 WARM AND TENDER 」 、 「 WALK ON BY 」 、「 ALFIE 」 、「 THE LOOK OF LOVE 」 、「 RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD 」 、そして最近ではアルバム 「 CLOSE TO YOU 」 のタイトル曲なんかを歌ってきた。いずれもとても楽しい経験だったょ。 (以降略)  ─


ジョニー・マティスが歌ったバカラック作品リスト(対象期間 : 1956年~1995年)がこちら↓
Photo

ご覧の通り、本アルバムはそれまでに歌ってきたバカラック作品(OriginalやCover)のなかから10曲をコンパイルした編集盤なんですね。アルバムの存在は知っていたのでCD化されるのをず~っと待っていたのですが、我慢できず中古LPを購入した次第。Amazonのマーケットプレイスに出品されていたのを今月たまたま発見! 見るとお店は英国。LPだし途中で割れないかなぁ~と若干心配だったのですが10日ほどで無事届きました。良かった良かったhappy01

コンピ集CDに入ってたりMP3をダウンロードしたりして知ってる曲もありますが、半数の5曲は初めて聴く曲でした。せっかくなので、全10曲、元々の収録アルバムを年代順に辿りながら紹介して参ります。

『 Heavenly 』、1959年8月リリース (CS 8152)
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彼がライナーで書いてる通り、SIDE3-4. 「 HEAVENLY 」 を収録。
バカラックが書下ろしたスローでしっとりした4ビートの曲。年代が年代だけに、メロディ他作曲面でバカラック臭は殆ど感じられません。アレンジ&指揮はグレン・オサー。ストリングスを中心としたオケとピアノ・トリオによるバックの演奏はオールドファッション且つ流麗そのもの。ジョニー・マティスの評価は悪くなかったワケで、職業作曲家として依頼された仕事を頑張ってこなしてたんだろーな…としばし想像。

『 Faithfully 』、1959年12月リリース (CS 8219)
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前作 『 Heavenly 』 に続くアルバムで、SIDE4-4. 「 FAITHFULLY 」 を収録。
これも書下ろし曲。韻を踏んでいる曲名やスローでしっとりした曲調も含めて 「 HEAVENLY 」 とは兄弟曲って感じ。さりげなく転調するところはちょっぴりバカラック臭がしますが。

以上2曲はどちらもカヴァーを一度も聴いたことがない超レア曲です。

『 Love Is Blue 』、1968年3月リリース (CS 9637)
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SIDE3-1. 「 WALK ON BY 」 、SIDE3-2. 「 THE LOOK OF LOVE 」 、SIDE3-3. 「 I SAY A LITTLE PRAYER 」 、SIDE4-5. 「 DON'T GO BREAKING MY HEART 」 の4曲を収録。
「 WALK ON BY 」 は、短いイントロのあとジョニーがラララ~とメロディをハミングで歌うのに意表を突かれます。が、その部分も実はイントロで、転調して半音下がってからようやく1コーラス目が始まります。それ以外はディオンヌ版の焼き直しです。「 THE LOOK OF LOVE  」 は、途中までは平凡なカヴァーなのですが、エンディングでメロディをフェイクしてまったりとフェードアウトするところは印象的。「 I SAY A LITTLE PRAYER 」 もイントロの独特なフレーズや間奏やちょっとした対旋律など洒落たアレンジが好印象。反面、ジョニーの歌唱は印象薄いんですが。「 DON'T GO BREAKING MY HEART 」 はロジャニコ版とクリソツで可もなく不可もなくといったところ。

『 Those Were The Days 』、1968年11月リリース (CS 9705)
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SIDE3-5. 「 THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU 」 を収録。
以前ジョニー・マティスの1996年のアルバム 『 ALL ABOUT LOVE 』 を紹介した際取り上げましたので、ここでは割愛します。

『 Love Theme From "Romeo And Juliet" (A Time For Us) 』、1969年7月リリース (CS 9909)
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SIDE4-1. 「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」 を収録。
1コーラスめはアコギ主体の伴奏。一部女性ヴォーカルとのハモりもあってミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 でチャック役が歌ったバージョンと似ています。転調後の2コーラスめはストリングスやピアノにグロッケン、それに女性コーラスなんかも絡んできて賑やかに。アウトロではストリングスが小粋なフレーズを奏でます。こういう曲にジョニー・マティスのまったりした声質は合ってるかも。
この曲はアルバムに先立ちシングルでもリリースされました(1969年5月17日リリース、4-44837)。カップリングは同じく 『 プロミセス・プロミセス 』 から 「 WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU 」 。この 「 WHOEVER ~ 」 はシングル・オンリーで収録アルバムは見当たらないんですよねー。聴いてみたいなぁ。 ⇒ iTunes でダウンロードしたので、オマケとして追記。

『 Raindrops Keep Fallin' On My Head 』、1970年2月リリース (CS 1005)
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SIDE4-2. 「 ALFIE 」 、SIDE4-3. 「 ODDS AND ENDS 」 を収録。
「 ALFIE 」 はオケが奏でるゴージャスなバックと較べてジョニーの歌はちょっと軽い感じ。エンディングの手前、 “ アルフィー ” のところを長~く伸ばして歌うなど頑張ってるんですけどね。一方の 「 ODDS AND ENDS 」 は、ピアノが奏でる雨だれのような可愛らしいイントロをはじめとした軽快なオケストレーションにジョニーのまったりした歌唱が良くマッチしてます。
アルバムのタイトル曲 「 RAINDROPS KEEP FALLIN' ON THE HEAD 」 は、残念ながら本アルバムには未収録。これも聴きたかったなぁ…。

評価は曲によってバラツキ大ですが、安価でしたら中古LP購入オススメします。

2018/2/4追記 ⇒ ここからはオマケです。
R444919214899132588856jpeg_3R444919214899132613660jpeg_3 ジョニー・マティスは、1969年リリースのクリスマス・アルバム 『 Give Me Your Love For Christmas 』 (CS 9923) で 「 CHRISTMAS DAY 」(3:23) をカヴァーしています。「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」 と同じくミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 の曲です。優しい音色のオケ&ピアノトリオに女性コーラスを加えた演奏とジョニー・マティスの優しくも芯のある歌声との見事なコラボレーション。アレンジャーのアーニー・フリーマン、いい仕事していますね~。超レア曲なだけに、こういう素敵なカヴァーが聴けると嬉しいです。好カヴァーと思います。
2018年になってからこのカヴァーの存在を知り、さっそくMP3をダウンロード。“ ジョニー・マティスが歌ったバカラック作品リスト ” にも追記しておきましたscissors

2018/2/6 追記
 ⇒オマケ その2
R501115613966336482162jpeg_2R501115613966336539023jpeg前述しましたが、シングル・オンリーの 「 WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU 」(3:55) をiTunesでダウンロードして聴くことが出来ました。プロデュース&アレンジはシングルA面の 「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」 と同じく、Columbia のアレンジャーだった Robert Mersey というお方。原曲よりもゆったりとして繊細なオーケストレーションはとっても素敵。そんなバックの演奏とまったりした歌唱が持ち味のジョニー・マティスとの相性は抜群。女性が歌っている原曲よりも女性らしい仕上がりです(誉め言葉ですょ)。
2日前に更新したばかりの “ ジョニー・マティスが歌ったバカラック作品リスト ” に追記しました。


【データ】

『 Johnny Mathis sings the music of Bacharach & Kaempfert 』
Johnny Mathis

LP:1970年Autumn リリース
レーベル:Columbia
番号:CG 30350

Produced by Robert Mersey, except SIDE4-2 by Jack Gold
Arranged and conducted by Robert Mersey (SIDE3-1,2,3, SIDE4-1,5)
Arranged and conducted by Glenn Osser (SIDE3-4, SIDE4-4)
Arranged and conducted by D'Arniell Pershin (SIDE3-5)
Arranged and conducted by Ernie Freeman (SIDE4-2,3)

Written by Burt Bacharach & Hal David (except SIDE3-4, SIDE4-4)
Written by Burt Bacharach & Sidney Shaw (SIDE3-4, SIDE4-4)
↓ なんと本アルバムがCDリイシューされます! 発売予定日は2018年3月2日! 知ってたら中古LP買わなかったのにーshock

2017年7月12日 (水)

In Love Again - Bacharach's songs/Alessandro Pitoni (2017年)

イタリアの男性シンガー、アレサンドロ・ピットーニのバカラック・カヴァー集です! リリースしたてのホヤホヤ!

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1. THE LOOK OF LOVE
2. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)
3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
4. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
5. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
6. ANY DAY NOW
7. ON MY OWN
8. MAGIC MOMENTS
9. A HOUSE IS NOT A HOME
10. WIVES AND LOVERS
11. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
12. PLEASE STAY
13. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
14. WALK ON BY
15. ALFIE

収録時間約50分


イタリアの男性シンガー、アレサンドロ・ピットーニのバカラック・カヴァー集です!

リリース日は先月6月30日。リリースしたてのホヤホヤです。今のところAmazonではイタリア本国も含めてMP3のみですが、ディスクユニオンさんのサイトには “ CD 8月下旬入荷予定 ” との情報が! 私は待ちきれなくてダウンロードしちゃいました^^;

ジャケットには、アレサンドロ・ピットーニの名前の上に小さく “ papik presents ” と書かれています。papik とは、ローマの作編曲家である Nerio Poggi が立ち上げた音楽プロジェクトのこと。平たく言うとバンドみたいなものか? ともあれ、本アルバムはその papik がプロデュース&バックアップしたもののようです。

アレサンドロ・ピットーニ本人は、1990年からグループやソロで活動してるロック/ポップ系のシンガーらしいっす。でも詳しいことはよくわかりません。彼の公式サイトを開いて(勿論イタリア語)バイオグラフィをGoogleで日本語に翻訳してみたんですけど、なんとも理解困難で…。

収録曲はバカラック作品ばかり15曲。カヴァー定番曲が多いですが、全米1位になったT-7. 「 オン・マイ・オウン 」 、古いT-8. 「 マジック・モーメンツ 」 、R&BのT-12. 「 プリーズ・ステイ 」 など有名だけどあまりカヴァーされない曲も取り上げています。

全体的な印象はコンテンポラリーでポップ。元曲にこだわらず、新鮮なアレンジを施したものが多いです。クラブ風のT-1. 「 恋のおもかげ 」 、ボサノヴァ風のT-2. 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 、アイザック・ヘイズ版っぽい8ビートのT-3. 「 遥かなる影 」 、静かに始まるものの女性シンガーとソウルフルなデュエットを聴かせるT-7. 「 オン・マイ・オウン 」 、スチール・ギターをフィーチャーしたちょっぴりハワイアンなT-8. 「 マジック・モーメンツ 」 、ハモンドの和音が懐かしいブリティッシュ風味の T-9. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 、4拍子のジャズ・バラード仕立てにしたT-10. 「 素晴らしき恋人たち 」 、コンテンポラリー・ロック調のT-14. 「 ウォーク・オン・バイ 」 など、色々と工夫が見られます。

一方、奇を衒わずに心を込めて歌うT-13. 「 世界は愛を求めてる 」 、ピアノだけをバックに歌い上げるT-15. 「 アルフィー 」 も悪くないです。アレサンドロのしゃがれた声は渋味も感じられて、こういったシンプルな歌もそれなりに聴かせます。

気軽に聴けてしかもアレンジに工夫がみられるこのアルバム、けっこう掘り出し物かと。


【データ】
『 In Love Again - Bacharach's songs 』
papik presents Alessandro Pitoni

MP3:2017年6月30日リリース
レーベル:Irma La Douce / Irma Records (IT)
番号:IRM 1603

Guest female singer: Ely Bruna (T-7.)

2017年7月 9日 (日)

CLOSE TO YOU - Tribute to Burt Bacharach/Iva Stanič & Gregor Ftičar trio (2015年)

スロベニアの女性ジャズ・シンガー、イヴァ・スタニックによるバカラック・カヴァー集です。

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1. WALK ON BY
2. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
3. TRAINS AND BOATS AND PLANES
4. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
5. A HOUSE IS NOT A HOME
6. THE LOOK OF LOVE
7. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
8. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)  (Instrumental)

収録時間約33分


スロベニアの女性ジャズ・シンガー、イヴァ・スタニックによるバカラック・カヴァー集です。

スロベニアは旧ユーゴスラビア最北端の国。西はイタリア、北はオーストリアと国境を接している…と言えばなんとなく場所おわかりでしょうか。私自身はそういう説明だけじゃピンと来なくて地図みてようやく認識できたんですけどね^^;。

146ff32c6490956d92aa74e548c1a68b_5300x300_2Staniciva_3イヴァさんは、スロベニアの首都リュブリャナの生まれ。 残念ながら生年は不詳。 ネットで画像拾ってみました。お美しい方ですね。 2005年にデビュー。スロベニア国内のジャズ・シーンで歌ってきた方だそうです。

2011年、そんな彼女が Best of Burt Bacharach プロジェクトを発表。以来、バカラックの曲をライヴなどで歌っているみたい。YouTube で彼女の名前を検索すると、2013年にライヴ録音された 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 や 「 ウォーク・オン・バイ 」 が見つかったりします。そのプロジェクトの中から8曲セレクトして2015年にリリースされたのが本アルバムというワケです。

取り上げられた8曲は、ちょっとマイナーなT-3. 「 汽車と船と飛行機と 」 を除くと有名曲ばかり。バックを務めるのは2013年のライヴでも演奏していた Gregor Ftičar トリオで、 ピアノの Gregor Ftičar はアレンジも担当。曲によりゲスト・ミュージシャンも参加しています。

イヴァさんはちょっと低めでザクッとした肌触りの声の持ち主。パワフルさ/繊細さどちらも適度に備えてらっしゃいます。バックもそうですが、あまり凝ったことはせず個々の楽曲の持ち味をシンプルに引き出そう…という意図を感じます。印象に残ったのは、R&B感が心地よいT-1. 「 ウォーク・オン・バイ 」 、男性シンガーとデュエットして楽しい雰囲気のT-4. 「 ディス・ガイ 」 、リズムが少し凝ってるT-7. 「 雨にぬれても 」 あたり。ラストのT-8. 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 はピアノトリオだけの演奏で、前半はイージーリスニング的で退屈なのですが後半のピアノとドラムスのアドリヴには心躍りました。

本アルバム、CDはスロベニアだけでリリースされたらしく、日本のAmazonはもとよりスロベニアの隣国イタリアのAmazonでさえMP3しか購入できません。あしからず。


【データ】
『 CLOSE TO YOU - Tribute to Burt Bacharach 』
Iva Stanič & Gregor Ftičar trio

CD:2015年リリース (所有MP3は、2017年3月13日リリース)
レーベル:ZKP RTV SLO (Slovenija)
番号:113949

Arranged by Gregor Ftičar
Iva Stanič - vocal
Gregor Ftičar trio:
  Gregor Ftičar - piano
  Aleš Avbelj - bass
  Ante Žurbi - drums
Guest soloists:
  Adam Klemm - tenor sax (T-1.)
  Tomai Gajšt- flugelhorn (T-2,6.)
  Blaž Vrbič - male vocal (T-4.)

↓ Amazonでは購入できるのはMP3のみ

2017年5月21日 (日)

残念なバカラック・カヴァー集 アレコレ

所有しているバカラック・カヴァー集の中から、おススメしない残念なアルバムをまとめて蔵出し!

2013年1月に拙ブログを開設して以来、カヴァーアルバム、バカラックの曲がちょっと入ったアルバム、ディオンヌやバカラックのアルバムなどをご紹介してまいりました。

ですが、これまで敢えて紹介してこなかったカヴァーアルバムがございまして。今回記事のタイトル通り、残念なヤツらです。このまま放っておくつもりだったのですが方針転換! 間違っても手を出さないように…との願いを込めて、今回まとめて蔵出しすることにしました。

手間を省くため曲名リストは割愛します。確認したい方はジャケ写の画像をご覧ください(クリックすると拡大します)。Amazonのリンクも省きます。


『 the music of BURT BACHARACH 』
The Starshine Orchestra and Singers
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全18トラック(全18曲)、収録時間約53分
CD:1995年リリース(と思われる)
レーベル:Hallmark / Carlton Home Entertainment (England)
番号:301552

イージーリスニングです。アレンジはオリジナルまたはヒットしたバージョンがベースなのですが、ストリングスやブラスがシンセの曲が多く演奏レベルも水準以下。特にメロディを奏でる楽器がアッサリしすぎで、聴いてて 「 もうちょっとしっかりやれ! 」 と突っ込みたくなります。18曲中、7曲は何故かフルートが全編メロディを吹きます。Singers なのに、歌声が聴こえるのは女性シンガーが歌う 「 アルフィー 」 、男女コーラスがパヤパヤ歌う 「 サン・ホセへの道 」 、ごく一部にコーラスが入る 「 オン・マイ・オウン 」 の3曲しかありません。あと、音質面も低レベルで、歪は多いし音域レンジやダイナミックレンジも狭いです。

ツマんなくて最後までCD聴くのがツラかった…。


『 The Starlite Orchestra plays BURT BACHARACH 』
The Starlite Orchestra

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全13トラック(全13曲)、収録時間約41分
CD:1994年リリース(と思われる)
レーベル:MADACY MUSIC GROUP (Canada)
番号:SH-2-8314

イージーリスニングです。アレンジはオリジナルまたはヒットしたバージョンがベース。アレンジに独自性がみられるのは 「 雨にぬれても 」 くらい。ストリングスとブラス、それにハーモニカやドラムスなども全編に亘ってシンセ。一体どこがオーケストラやねん。コーラスは全く入らず、インスト・オンリーでとってもチープなサウンドです。

買うんじゃなかった~と後悔しました。


『 The Burt Bacharach Story - The Look of Love
The Gary Tesca Orchestra

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全10トラック(全10曲)、収録時間約33分
CD:1994年リリース(と思われる)
レーベル:TRC Music (Netherlands) / Sound Solutions (Canada)
番号:MIRAGE 9202613

1曲目を聴いてデ・ジャヴを感じた私。前述の The Starlite Orchestra 1曲目と全く同じなんです。まさか?と曲目リストを確認。全10曲のうち8曲が Starlite~ と重複していて、それら全て同じ音源でした。チックショ~

得体の知らないアーティストのCDは金輪際買わないぞ!と心に決めたのでした。(15年以上前にネット通販で購入。当時は試聴できませんでしたから…)


『 Thomas Stafford Sings Bacharach/David 』
Thomas Stafford

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全11トラック(全11曲)、収録時間約38分
CD:2007年リリース
レーベル:TMSOriginals Records(自主制作盤)
番号:なし

コレは論外。自宅で多重録音したものと思われますが、演奏・歌・録音ともにとても売り物のレベルではありません。ジャケットはペラペラの普通紙にインクジェットプリンタで印刷したチープなものですし、ディスクもCD-Rです。コレを売る神経が私には理解できません。今回記事を書くにあたり上の3枚のCDは聴いたのですが、コイツだけは聴きませんでした。

以上4枚は間違っても買わないように!
  

より以前の記事一覧

★ リンク ★

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