バカラックの曲がちょっと入ったアルバム

2018年9月16日 (日)

The Carnival/The Carnival (1969年)

米国のヴォーカル・グループ、カーニヴァルが残した唯一のアルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全12トラック中、バカラック作品は2トラック

7. WALK ON BY (2:27)
10. REACH OUT FOR ME (2:40)


米国西海岸の男女混成4人組ヴォーカル・グループ、カーニヴァルが1969年にリリースした唯一のアルバムです。

Img097メンバーは男女2人ずつ。ジャケット写真の後ろがベーシストのトミー・ニール、センターがパーカッショニストのホセ・リアレス。左の女性がテリー・フィッシャーで、右で腕を腰に当ててるのがジャニス・ハンセン。このうち、ホセとジャニスは元セルジオ・メンデス&ブラジル'66のメンバーでございます。

プロデュースは、フィフス・ディメンションやアソシエーションのプロデュースで知られるボーンズ・ハウ。バック・ミュージシャンはウエスト・コーストの一流どころと若手の混成メンバーだそうで、クレジットにはドラムスのハル・ブレインやエレピを弾いているピート・ジョリーなど、私でも知ってる名前が載ってます。

サンバのリズムでメロディなしのT-1.とがっつりボサノヴァなT-2.はブラジル色が前面に出ているものの、3曲目以降は基本ポップでAメロやBメロだけうっすらボサノヴァ風味があるかなぁという程度。アレンジも洗練されていて、全体的な音楽性はフィフス・ディメンションのテイストにブラジルのスパイスをまぶしたものと言えます。ヴォーカルは女性2人のユニゾンが主体で、その辺りはセルメン&ブラジル'66っぽいですが。

オリジナルはT-1.だけであとは全てカヴァー曲。そのうち2曲がバカラック・カヴァーです。T-7.「 ウォーク・オン・バイ 」はポップな仕上がり。間奏でのファンキーなオルガンがいいですねー。T-10.「 リーチ・アウト・フォー・ユー 」は原曲の持ち味に近いアレンジですが、ボサノヴァっぽいリズムが涼しげです。ただ、バカラック・カヴァーのこの2曲、アルバムの中では少々地味かと…。

レコメンドは、4人のハーモニーが美しく疾走感のあるT-6.「 HOPE」、テンポに緩急をつけたアレンジがいかにもソフト・ロックなT-11.「 LOVE SO FINE 」、これまた疾走感あるアレンジが心地よいT-12.「 THE WORD 」の3曲でしょうか。サウンドにしつこさが無いので、アルバム・リピートで何回も聴けるアルバムだと思います。


【データ】
『 The Carnival 』(邦題:カーニヴァル)
The Carnival

LP:1969年リリース (所有CDは、2000年3月15日リイシューの日本盤、ライナーは関美彦氏)
レーベル:World Pacific (US) (所有CDは、Vivid Sound)
番号:WPS-21894 (所有CDは、VSCD-582)

Production and Sound by Bones Howe for Mr.Bones Productions
Arranged by The Carnival with Bob Alcivar, Bill Holman, Bones Howe (and John Andrews Tartaglia on "Walk On By" and "Reach Out For Me")
The Carnival
  Tommy Neal - vocal, bass
  Jose Soares - vocal, percussion
  Terry Fischer - vocal
  Janis Hansen - vocal
Musicians
  drums:Hal Blaine, Ron Pelletier, John Guerin
  bass:Joe Osborne, Steve LaFever
  guitar:Tom Tedesco, Dennis Budimir, Mike Deasy
  piano:Jimmy Rowles, Larry Knechtel
  electric piano:Larry Knechtel, Pete Jolly
  organ:Danny Kurtzman, Larry Knechtel
  percussion:Larry Bunker

2018年7月15日 (日)

彩/aya Sueki (2018年)

日本の女性R&B系シンガーソングライター、aya Sueki の5曲入りミニアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全5トラック中、バカラック作品は1トラック

3. WHO'LL SPEAK FOR LOVE (4:14)


日本の女性R&B系シンガーソングライター、aya Sueki の5曲入りミニアルバムで今月リリースされたばかりです。

劇団所属の役者から歌手に転身。2000年にセルフタイトルのファースト・アルバム(全曲作詞作曲、セルフ・プロデュース)をリリースします。以降、2008年と2016年にフルアルバム、2015年にミニアルバムをリリース。並行してライブ活動と共にアーティストへの楽曲提供・コーラス、歌唱指導を行う…。公式サイト他の情報からかいつまんでまとめるとこんな感じでしょうか。お名前は漢字で書くと ” 末木文 ” 。縦書きしたら左右対称でユニークだと思うのですが、音楽やってるというよりは文学やってますって感じ。だからローマ字表記なのかなぁ。

Fullsizeoutput_2b6Fullsizeoutput_2b0 Amazonのマーケットプレイスで購入したCDにはこんなフライヤーが同封されてました(画像参照)。aya Sueki 主催のミュージカル! ─ 7月に発売のジャズアルバムの選曲をしていた時に出会った “ Shiny Stockings ”、“ Sweet Geogia Brown ” という曲から発想を得てひとつの物語にしました。 ─  いやいや、多才な人ですねー。彼女の詳しいプロフィールも書いてありますので興味がありましたらご覧くださいませ。

んで、フライヤー裏面右下でも紹介されているそのジャズアルバムというのが本作 『 彩 』 。“ あや ” と読みます。バックはギターと一部曲でベース。スキャットするT-1. 「 モーニン 」 やウォーキングベースに乗ってパワフルに唄う T-4. 「 スウィート・ジョージア・ブラウン 」 など確かにジャズフィーリングが感じられるアルバムです。

そんなジャズ・スタンダードばかりの中でそうではない曲がバカラック・カヴァーのT-3. 「 フール・スピーク・フォー・ラヴ 」 。トレインチャのバカラック作品集第二弾(2007年リリース)の為にバカラックが書き下ろしたバラード曲です。タイトルの直訳は “ 一体誰が愛の代弁者になってくれるの? ” 。愛の大切さと ‘ あなた ’ への想いを切々と綴った曲でございます。私の知る限り aya さんはこの曲をカヴァーした二人目のお方(バカラックのセルフ・カヴァーを除いて)。ギターだけをバックに重心低めのザラッとした肌触りの声でしみじみと心を込めて歌っておいでです。すぐそばで歌ってくれてるような感覚になるのは録音のせいでしょうか、それもあってか心に沁みるぅ…。出しゃばらずしっかり支えるギターもグッジョブ。好カヴァーだと思います。

ここからはオマケでMP3でしか所有していないバカラック・カヴァーをご紹介。
Fab5eb_6e63ebcac64a4cf19d3f006182c6「 フール・スピーク・フォー・ラヴ 」 を最初にカヴァーしたのはオーストラリアの女性シンガー、Louise Anton でした。2008年にリリースした初めてのソロアルバム 『 True Believer 』(画像)でカヴァー。バックはピアノだけで、落ちつているけれど若干ハスキー且つチャーミングな歌唱でこちらも心を込めて歌っておられます。この方は2009年にリリースした 『 True Believer (Live In Sydney) 』(画像なし)でもカヴァーしていて、よりハスキーで表現力も高いライヴ版の方が私的には好みかな。


【データ】
『 彩 』
aya Sueki

CD:2018年7月7日リリース
レーベル:BQ Records
番号:BQR-2073

Produced by 南 たけし
  Vocal - aya Sueki
  Guitar - 油科 孝
  Bass - 伊藤 勇司 (T-2,4,5.)
Recording Studio:Orpheus Recording Studios (2018.5.20)

2018年7月 8日 (日)

ニュー・サウンズ・イン・ブラス '97/東京佼成ウィンドオーケストラ (1997年)

吹奏楽のポップス曲集シリーズ、『 ニュー・サウンズ・イン・ブラス 』 の第25集です。バカラック作品を1曲収録!

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全10トラック中、バカラック作品は1トラック

9. ALFIE (3:48)


今年(2018年)第46集がリリースされた吹奏楽ポップス曲集シリーズ、『 ニュー・サウンズ・イン・ブラス 』 の第25集です(1997年リリース)。

バカラック作品は、1972年にリリースされた第1集に4曲が収録されただけでその後は取り上げられてこなかったと思ってました。ところが、本作に 「 アルフィー 」 が収録されていることをごく最近知りまして…。速攻、中古CDを購入した次第です。

岩井直溥さん指揮、日本を代表するプロ吹奏楽団である東京佼成ウィンドオーケストラ(TKWO)による演奏。このシリーズはヤマハから楽譜が出版されていて、レコード/CDはその模範演奏的な役割も担っています。私も第1集〜第7集の曲はレコードを何度も聴き、そして色々演奏しました。その頃と同じ岩井さんとTKWOの組み合わせを見ただけで中学〜高校時代にタイムスリップするんですよねぇ。あぁ懐かしや 。

本作の曲目リストを眺めてみましょう。T-3. 「シャル・ウィ・ダンス? 」 やT-4. 「 恋のマカレナ 」 あたりは前年(1996年)のヒットを受けての選曲だし、T-2. 「 古畑任三郎のテーマ 」だったりT-5. 「 SMAPメドレー 」 の各楽曲も当時の人気曲。一転、T-1,6〜10. の洋楽曲はスタンダードといっていい曲たちなのですが、T-9. 「  」 だけは前年のTBS系TVドラマ 『 協奏曲 』 でバカラック作品が全面的にフューチャーされヴァネッサ・ウィリアムスが歌った 「 アルフィー 」 がヒットしたことによるものでしょう。

「 アルフィー 」 の吹奏楽アレンジは真島俊夫さん。フリューゲルホルンがメロディのほとんどをソロで吹き、バックの演奏はしっとりマッタリ系でサビでは音を厚くして盛り上げます。一部でバラード系8ビートを刻むほかはリズムも無し。この曲の王道アレンジとも言え、イージーリスニングのオケがやりそうな演奏です。実際トニー・ハッチ&ヒズ・オーケストラは同じような感じ。これまで吹奏楽版 「 アルフィー 」 は2種類ご紹介していますが、英国王立海兵隊音楽学校軍楽隊もトロンボーン・ソロで同傾向のアレンジでした。

同じ吹奏楽でも航空自衛隊航空音楽隊の 「 アルフィー 」 はユニークで、なんとマーチ風アレンジ。意外にもこれが結構楽しくてさすがは岩井直溥さんのアレンジだなと。『 ニュー・サウンズ・イン・ブラス 』 シリーズの1曲であれば、何かチャレンジングなアレンジを期待したかったです。まぁ、無い物ねだりかもしれません。バカラック作品を取り上げてくれただけで嬉しいです、ハイ。

ここからはオマケです。MP3でしか所有していないバカラック作品をご紹介。
20180707_1443『 ニュー・サウンズ・イン・ブラス 』 シリーズでは実はもう1曲バカラック作品が取り上げられています。
1990年リリースの第18集 『 ニュー・サウンズ・イン・ブラス '90 』 に 「 カーペンターズ・フォーエバー 」(6:26) というカーペンターズ6曲のメドレー・ナンバーがあるのですが、その4曲目が 「 遥かなる影 」。正味1分。トランペットがソロを吹いています。メドレーの中では箸休め的な存在かと…。
本当にオマケでしたcoldsweats01


【データ】
『 ニュー・サウンズ・イン・ブラス '97 』
東京佼成ウィンドオーケストラ

CD:1997年4月28日リリース
レーベル:東芝EMI
番号:TOCZ-9284

プロデュース:佐藤浩士(東芝EMI)、長尾美樹(ヤマハミュージックメディア)
指揮:岩井直溥(いわい なおひろ)
演奏:東京佼成ウィンドオーケストラ
編曲:岩井直溥(T-1,8,10.)、真島俊夫(T-2,9.)、宮川彬良(T-3.)、明光院正人(T-4.)、佐橋俊彦(T-5.)、星出尚志(T-6.)、上柴はじめ(T-7.)
録音:1997年1月30,31日
  T-9. 「 アルフィー 」 フリューゲルホルン・ソロ:数原 晋

2018年6月10日 (日)

ELEPHANT/The White Stripes (2003年)

米ロック・バンド、ザ・ホワイト・ストライプスが2003年にリリースした4作目のアルバム。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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所有CD(日本盤)のジャケットの表/ケースの裏

全14トラック(日本盤は16トラック)中、バカラック作品は1トラック

4. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF (2:46)


米ロック・バンド、ザ・ホワイト・ストライプスが2003年にリリースした4作目のアルバムです。

Fullsizeoutput_20a ─  デトロイト南西地区出身のジャック・ホワイト(vo,g)、メグ・ホワイト(drs)姉弟バンド。97年結成。99年アルバム・デビュー。2000年に2作目リリース。2001年発売の3作目 『 ホワイト・ブラッド・セルズ 』 は、全世界で大ブレイク、(中略)時代の寵児となった。 ─  (日本盤CDの帯:バイオより)

んで、4作目の本アルバムは3作目以上に世界中でヒット。全米6位、全英1位になりました(3作目はそれぞれ61位、55位)。

このバンドのジャンルは、Wikiによるとガレージロック、ブルースロック、オルタナティヴ、インディー・ロック、パンクロックなんだそう。普段ロックを聴かない私には違いがわかんないんですが^^;。アルバムを聴いてみると、いかにもガレージで演奏してそうなハードな曲もありますが意外やポップ・バラード風の曲もあったりして、このジャンルに馴染みの無い私でもなんとか通して聴けました。

ジャック・ホワイトが書いた曲ばかりの中で、唯一のカヴァー曲がバカラック作品のT-4. 「 恋のとまどい 」 。ブルージーでワイルドなギターとドラムス。そして感情を露わにさせるジャックのヴォーカルが心に刺さります。エンディング無しで曲がスパッと終わるのも気持ちがいいです。この曲はエルヴィス・コステロも若い頃にカヴァーしてますし、ロックとかポップとかジャンルなんて関係ないんだなぁと改めて感じました。

それにしても、何故 「 恋のとまどい 」 をカヴァーしたのか? セルフ・ライナーノーツや日本盤解説ではそのことに触れてなかったのでネットで調べました。ある記事にこの曲に対するジャックのコメントが載っていましたので、ざっくり紹介します。 ─  バート・バカラックのソングライティングが大好きなんだ。特にメグがダスティ・スプリングフィールドの「 恋のとまどい 」 を気に入っていて、ライヴで取り上げるようになったんだ。この曲は大好きさ。この曲の本質はブルースなんだと分かったからね、だから俺はブルージーに歌ったのさ。 ─

なんと、彼らもバカラックのファンだったとは! まぁ、そうじゃなきゃわざわざロックバンドがカヴァーしないですよね…。YouTubeにはこの曲のライヴ・バージョンがいくつかアップされています。Reading Festival 2004 の時に顕著ですが、" I Just Don't Know What To Do With Myself " と歌う場面ではライヴ会場全体で歌い、サビの部分では観客がジャンプしてます。なんかいいなぁ。

この曲はアルバムからの2枚目シングルとしてリリースされ、全英13位を記録しました(何故か米国では未リリース)。あのソフィア・コッポラが監督しファッションモデルのケイト・モスがランジェリー姿でポールダンスを踊ったモノクロのMVは、ローリングストーンズ誌による " The 30 Sexiest Music Videos of All Time " で見事16位に輝いています、パチパチ。


【データ】
『 ELEPHANT 』
The White Stripes

CD:2003年4月1日リリース (所有CDは、3月19日先行リリースの日本盤)
レーベル:V2 (US)  (所有CDは、V2 Records Japan)
番号:63881-27148-2  (所有CDは、V2CP 150)

Produced by Jack White
Written by Jack White (except T-4.)
Written by B. Bacharach & H. David (T-4.)
Meg White - drums, vocals
Jack White - vocals, guitar, piano
Recorded to eight track reel to reel at Toe-Rag Studios, Hackney, London in April, 2002 (except T-4.)
Recorded at the BBC Maida Vale studio (T-4.)

2018年4月 1日 (日)

Kiss Me/Moon (2018年)

韓国の女性ジャズ・シンガー、Moon のソロ・デビュー・アルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全10トラック中、バカラック作品は1トラック

1. THE APRIL FOOLS (5:11)


今日は4月1日、エイプリルフール(英語: April Fools' Day)ですね。

英語の April Fool は直訳すると4月ばかですが、エイプリルフールのいたずらにかつがれる人を指すんだそう。今回辞書を引くまで知らなかったです。カトリーヌ・ドヌーブとジャック・レモンが共演した映画 『 The April Fools 』 は複数形だから4月ばか達…ということになりますか。映画の主題歌である 「 THE APRIL FOOLS (エイプリル・フール) 」 の歌詞にもこんなくだりがあります。

─ 私たち二人はまわりの障害に気付かない4月ばかね かつがれていたとしてもかまわないわ 二人の愛は本物なんだから ─ (歌詞の一節を要約)

この映画の邦題 『 幸せはパリで 』 は含蓄ある素敵なタイトルですが、4月ばかの二人というニュアンスまでは表現できてないですからねー。原題タイトルの意味にやっと気付いたあるでおですcoldsweats01

Img051sssImg051ddd さて、今回紹介するアルバムは、「 エイプリル・フール 」 のカヴァーが収録されているアルバム。韓国のジャジー・ポップ・ユニット、WINTERPLAYの元ヴォーカリストで現在はソロとして活動するヘウォンが Moon 名義で今年2月にリリースしたソロ・デビュー・アルバムです。

1984年、韓国の全州市生まれ。中学生の頃シンガーを目指すようになり、大学でジャズに目覚めて2007年にWINTERPLAYの前身となるバンドに参加。韓国はもとよりアジア各国で人気となるも2016年末に脱退して2017年よりソロ・シンガーとして始動。かねてから日本での活動を希望しており、原田知世のプロデュース・ワークで知られるギタリスト/作曲家の伊藤ゴロー氏をプロデュース&アレンジに迎えて制作したのが本作というわけです。

CDパッケージに貼られていた宣伝ステッカーにも原田知世の推薦コメントが…。そういえば、以前ご紹介した原田知世のアルバム 『 恋愛小説 』 も伊藤ゴロープロデュースでした。

ライナーは英語によるクレジット&歌詞のみ。日本語ライナーノーツを期待してD/LではなくCDを購入したのですが、その点はガッカリ。音質にこだわりなければD/Lでもよろしいかと…。プロフィールその他は ユニバーサル・ミュージックのアルバム紹介 および CDジャーナルのインタビュー記事 を参考にしました。詳しい情報はリンク先を参照ください。

ピアノトリオ+ギターのカルテットを基本として曲によりゲスト・ミュージシャンが加わります。収録されているのは10曲。基本的に歌ってみたかった曲を集めたそう。ジャズ・スタンダードは2曲のみ(T-6,7.)で、あとはロック/ポップスをカヴァーしています。

まずはバカラック・カヴァーから。T-1. 「 4月ばかの二人 」 …じゃなくて 「 エイプリル・フール 」 はアコースティックな肌触りでジャズとアダルト・コンテンポラリーの融合といった仕立て。アグレッシヴなイントロでつかみはOK。オリジナルのディオンヌとは違うことヤルよ!っていう意気込みが伝わってきます。声量はありませんが透明感のあるMoonの歌声はクールな伴奏ともうまく溶け合い、愛し合ってるけれどちょっと不安…というこの曲の微妙なニュアンスもちゃんと伝わってきます。

CDジャーナルのインタビューでは曲ごとにMoonがコメントしてるのですが、残念ながら 「 エイプリル・フール 」 は取り上げられていません。この曲をチョイスしたのはMoon/プロデューサーどちらなのか? Moonのチョイスだとしたら曲に対する想いを知りたかったんですけどねー、残念。

それにしても、ロック/ポップスのカヴァーはなかなかユニークな曲が揃っています。

T-5. 「 キス・ミー 」 はシックスペンス・ノン・ザ・リッチャーの曲。軽いシャッフルのアレンジが新鮮。意外やこの曲では声質がシックスペンス~のヴォーカル、リー・ナッシュに似てるんすょ。Moon、ポップ路線もイケますね。ホール&オーツがオリジナルのT-9. 「 プライベート・アイズ 」 はボサノヴァ風アレンジに乗せたクールなエレピ&ギターが心地良い。Moonのヴォーカルもノリが良くこちらも好カヴァーです。T-8. 「 恋のひとこと 」 はオリジナルのシナトラ父娘版と同じテイストのカヴァー。デュエットしてるTOKUとの相性も良さげです。

他のカヴァーも、T-2. 「 ブラザシア 」 (Yutaka~ブラジル)、T-3. 「 キス・オブ・ライフ 」 (シャーデー)、T-4. 「 クァンド、クァンド、クァンド 」 (トニー・レニス~イタリア)、T-10. 「 絆 」 (橋幸夫!) とバラエティ豊か。因みに、「 絆 」 だけ韓国語で歌っているのですが、全く韓国語に聴こえないのが不思議。

ジャズ・アルバムという触れ込みですが、どちらかといえばアダルト・コンテンポラリーのアルバムと捉えたほうがイメージ合ってるかも。

実は最初 「 エイプリル・フール 」 だけダウンロードしたのですが、なかなか良かったので他の曲も試聴したところ興味が膨らんでアルバムを購入した次第。聴く度にじわっと味が染み出るアルバムだと思います。


【データ】
『 Kiss Me 』
Moon

CD:2018年2月7日リリース
レーベル:Verve / Universal Music LLC (Japan)
番号:UCCJ-2151

Produced by 伊藤ゴロー
Arranged by 伊藤ゴロー (T-1~5,7~9.), 小沼ようすけ (T-6.), ハクエイ・キム (T-10.)
Recorded at STUDIO Dede, Universal Music Studio Tokyo, Ninho do Barata

<参加ミュージシャン>
  Moon - vocals
  伊藤ゴロー - classical, acoustic & electric guitars
  佐藤浩一 - acoustic piano, Fender Rhodes (T-1,2,4,5,7,8.)
  坪口昌恭 - acoustic piano, Fender Rhodes (T-3,9.)
  鳥越啓介 - acoustic bass (T-1,3,4,8.)
  Jrge Helder (ジョルジ・エルデル) - acoustic & electric bass (T-2,7,9.)
  みどりん (SOIL&"PIMP"SESSIONS) - drums (T-1,3,4,8.)
  Rafael Barata (ハファエル・バラータ) - drums, percussion (T-2,7,9.)
Guests:
  太田 剣 – alto saxophone (T-1,2.)
  小沼ようすけ - classical guitar (T-6.)
  TOKU – vocal, flugelhorn (T-8.)
  ハクエイ・キム – acoustic piano (T-10.)

2018年3月26日 (月)

ガーデン・オブ・ザ・ペンフレンドクラブ/ザ・ペンフレンドクラブ (2018年)

2012年に結成された日本のバンド、ザ・ペンフレンドクラブの5thアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全11トラック中、バカラック作品は1トラック

6. MY LITTLE RED BOOK (2:30)


2012年に平川雄一により結成された日本のバンド、ザ・ペンフレンドクラブの5thアルバムです。今月21日にリリースされたばかりのホヤホヤっす。

Img050sss_2バンドの公式サイトによると、─ 音楽性は主に The Beach Boys, Phil Spector 周辺の60年代中期ウェストコーストロック ─  とのこと。バンド・メンバーは裏ジャケの左から、ドラムスギター/ヴォーカルサックスメイン・ヴォーカルベースグロッケンオルガンという7人。ファッション/サウンド共に60年代ポップスの雰囲気を感じます。また、本作では生ストリングス(夜長オーケストラ)も参加しています。

リプライズのT-11. を除いた10曲はオリジナル/カヴァーが半々。オリジナルはT-1,2,5,7,10. の5曲で、その中ではT-2. 「 飛翔する日常 」 がフィフス・ディメンションの 「 ビートでジャンプ 」 や平山三紀の 「 いつか何処かで 」 を彷彿とさせる佳曲ですし(コード進行的には赤い鳥の 「 ラブリー・チェリー 」 にも近似性を感じます)、フォーキーなT-10. 「 僕と君のメロディ 」 も好印象です。

カヴァーは、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ(T-3.)、ブライアン・ウィルソン(T-4.)、大瀧詠一(T-8.)、ザ・ヤング・ラスカルズ(T-9.)という具合。それぞれ原曲を知らないのでコメントは避けますが、良質なポップスであることはわかります。

さて、本題のバカラック・カヴァーはT-6. 「 マイ・リトル・レッド・ブック 」 。この曲をチョイスした時点でセンス良すぎっ! 日本のアーティストがこの曲を取り上げたのはザ・ペンフレンドクラブが初めてでしょう。んで、聴いてみたら何だか雰囲気が違うんです。そのうちピンっときました。ヴォーカルが女性だからだっ!

─ 君と別れてすぐ、僕は小さな赤い手帳を取り出して街の女の子とデートした。でも君のことを話してしまうんだ。誰一人君の代わりにならなかった。女の子たちはみな僕が君のことを好きだって知ってるんだ。どうか僕の処へ帰ってきて。君が必要なんだ ─  …要約するとこんな歌詞ですからねー、オリジナルのマンフレッド・マンやカヴァーの殆どは男性ヴォーカル。メイン・ヴォーカルが女性なのは 『 THE BURT BACHARACH ALBUM “BROADWAY SINGS THE BEST OF BACHARACH” 』 の Melba Joyce ぐらいでしょう。そういう意味でも貴重なカヴァーと言えます。

サビではもう一人女声が加わり最初はユニゾンで…最後は6度高い音でハモリます。これが爽快なんですょ。また、キーが低いのも雰囲気が違う一因かと。マンフレッド・マンやバカラックのセルフ・カヴァーはメロディの最初の音がB♭。ラブのカヴァーはB。それに対してザ・ペンフレンドクラブはA♭。なんとなくサウンドが骨太なのはそのせいでは? 細かいところのアレンジにもニヤリとさせられます。サビ部のストリングスによるオブリガートは新鮮で素敵だし、3コーラス目のAメロでオルガンとグロッケンが奏でるメロディは3度高くてハッとさせられるし、無伴奏になって女声ヴォーカルだけになるエンディングもこの歌の切なさを上手く表現していて唸っちゃいました。

今後もバカラックをカヴァーして欲しいですね。


【データ】
『 ガーデン・オブ・ザ・ペンフレンドクラブ 』 (英題: Garden Of The PenFriend Club)
ザ・ペンフレンドクラブ (英名: The PenFriend Club)

CD:2018年3月21日リリース  (解説:ウチタカヒデ)
レーベル:Penpal Records (JP)
番号:PPRD-0003

Producer, Mixing Engineer, Mastering Engineer, Art Designer: 平川雄一
Recording Engineer: 平川雄一、DEW Makino、中村康隆(夜長オーケストラ)
Strings Arranger: 中村康隆(夜長オーケストラ)
Sax Solo Arranger: カンケ
ザ・ペンフレンドクラブ
  平川雄一 (HIRAKAWA, Yuichi) - Vocal, Chorus, Guitars, Bass, Percussions
  藤本有華 (FUJIMOTO, Yuka) - Vocal, Chorus
  西岡利恵 (NISHIOKA, Rie) - Bass, Chorus
  ヨーコ (Yoko) - Organ, Piano, Flute, Soprano Recorder, Chorus
  祥雲貴行 (SAKUMO, Takayuki) - Drims, Bongo
  中川ユミ (NAKAGAWA, Yumi) - Glockenspiel, Windchimes
  大谷英紗子 (OTANI, Asako) - Saxophone (Soprano, Alto, Tenor, Baritone), Chorus
夜長オーケストラ (Yonaga Orchestra) - Strings

2018年2月 3日 (土)

the Lost BBC sessions 1967/Jeff Beck Group (2018年)

ジェフ・ベック・グループ、結成直後の1967年の3回のBBC出演ライヴを収めたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録! …なのですが

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全18トラック中、バカラック作品は1トラック

12. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)  (2:48)


Img044ccc ジェフ・ベック・グループ、結成直後の1967年の3回のBBC出演ライヴを収めたアルバムです。どんなアルバムなのか、CD帯の紹介文がコンパクトに纏まってましたので引用させていただきます。

─  孤高のギタリスト/ジェフ・ベックがロッド・スチュワートをヴォーカル、ロン・ウッドをベースに迎え結成した “ ジェフ・ベック・グループ ” の貴重な初期ライヴ解禁! ジェフが歌う 「 Hi Ho Silver Lining 」 などでは鋭角的なギター・ソロで公式発表テイクと較べ圧倒的にロックなパフォーマンスを聞かせます。BBCマスター消失により音質にバラつきもありますが 「 ロック・マイ・プリムソウル 」 、「 迷信嫌い 」 など全テイクが元祖ハードロックと呼ばれる迫力ある演奏です。B・バカラック曲の独創的カヴァーは必聴。ボーナスとしてマーキー・クラブでの 「 ジェフス・ブギー 」 などライヴ4曲を追加収録。 ─ (CD帯より)

キッカケは何かのニュース記事。ちょうど本アルバム発売日にその記事を目にしてバカラック・カヴァーが入ってることを知ったのです。そこでAmazonを見たら次の様な記述が目に留まりました…。

─  そして最大のサプライズはバート・バカラック・ソングのカバー 「 You'll Never Get to Heaven 」 。ジェフの爆音コードが鳴らされると、主旋律は何とロン・ウッドのベース・ソロが受け継ぎロッドを中心にメンバーによるアカペラ・コーラスへと進行し、ほとんどソフト・ロックな雰囲気で仰天必至です。 ─ (Amazon 商品の紹介 “ 内容説明 ” より)

サプライズに仰天必至だと? ロックはワタクシど素人で、ジェフ・ベックは名前を知ってるだけ。でも、これは聴かねば! 試聴/ダウンロードはできないのか…。 ほんじゃ買うしかねーじゃん!!

─  ご存知の様にBBC放送には既にマスターが残されていないため、ここでも音質的にやや問題のある音源(track.5,11,12,13,14)も含まれていますがそれでも近年発見されたマスターからの収録に努めました。 ─ (同上)

そりゃー読みましたょ、一応。 音質的にやや問題のある音源? よござんしょ、“ やや ” ぐらいならOKだぜ! ポチッ!!

CDは翌日届きました。他のトラックには目もくれずT-12. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 を再生! ………なんだ? このヒドイ音質は…。まるで短波放送で遠い海外放送局を聴いてるかのような感覚。ノイズレベルが高くて音が遠くなったり近くなったり。そういえば小学生~中学生のころBCL流行ったよなぁ、懐かしいconfident いや、そんなこたぁどーだっていい! ライナーによれば、BBCはマスターテープを破棄。一部はローカル局の放送用にLPレコードにプレスして残したそうですが(T-3,7,9.など)、その他は一般視聴者によるラジオ放送の録音だそう。ナルホドそれで疑問が解けました。それにしてもヒド過ぎます。こんなもの売り物にすんじゃねーっつーのっannoy

Img045fffCD帯をひっくり返すとこんなことが書いてありました。

─ (略) 20世紀の音楽遺産を未来へ伝承すべく企画されたシリーズです。マスターに起因するノイズ、音トビ、録音ムラ等のお聴き苦しい点が含まれている場合が御座いますが、50年以上前の当時の録音機材、録音環境、録音状況、また録音テープの経年劣化によるものであり、制作・製造上の瑕疵やディスク不良では御座いません。何卒ご理解の上、アーティスト達の今尚色褪せぬ素晴らしい演奏をお楽しみくださいますようお願い申し上げます。 ─ (CD帯のウラ側より)

つまり我々(制作サイド)に責任はありませんと。アーティストのマニア/ファン向けの企画なのですね。あんたら好きで買ったんでしょ?と。

仕方がない。気を取り直して 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 ですが、曲の後半にある20秒弱ほどのアカペラ・コーラスを除く全編でベースがメロディを弾いています。珍しいですし独創的と言えると思います。が、このベースによるメロディライン、お世辞にも素晴らしい演奏とは言えません。音質が悪すぎてそれすら判断できないとゆーか。クリアな音質で聴きたかったなー。トホホcrying

尚、番組DJによる曲紹介MCがトラックの冒頭と最後に入ってます。曲とかぶってないのでカットできると思うんですけどね。ま、どーでもいいですcoldsweats01

他の曲については特に感想もないしノーコメントです。悪しからず。


【データ】
『 the Lost BBC sessions 1967 』 (邦題:ザ・ロスト・BBCセッションズ 1967)
Jeff Beck Group

CD:2018年1月31日リリース
レーベル:Eternal Grooves (JP)
番号:EGRO-0004

Jeff Beck (Guitar) Vocal on T-1,9.
Rod Stewart (Vocal)
Ron Wood (Bass)
Rod Coombes (Drums) on T-1~5.
Aynsley Dunbar (Drums) on T-7~9.
Mickey Waller (Drums) on T-10~14.

T-1~6.: Saturday Club, rec. date: March 7, 1967
T-7~9.: Saturday Club, rec. date: July 4, 1967
T-10~14.: Top Gear, rec. date: Nov. 1, 1967
T-15~18.: <BONUS TRACK> Marquee Club, London Sept. 26, 1967

2017年12月31日 (日)

Milo Pavlović Berlin Big Band/Milo Pavlović & Berlin Big Band (1984年)

ドイツのビッグバンドによる1984年のアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全11トラック中、バカラック作品は1トラック

B3. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:07)


トランペッターのミロ・パブロビッチとベルリン・ビッグバンドによる1984年のアルバムです。

収録されてるバカラック・カヴァーはクリスマス・ソングの 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 。本来であれば12月24日にアップした前回記事(この曲のオリジナル・バージョン&所有する全カヴァーをご紹介)よりも前に取り上げたかったのですが…。LPがオランダのお店から送られてきたのはクリスマスの後でした(>_<) まぁ、クリスマスが過ぎるとスパッと正月準備モードに切り替わる日本と違って欧米では年明けくらいまでクリスマスの余韻が残ってるみたいですからね。あまり気にせず紹介しちゃいますぅ。

ミロ・パブロビッチは、1930年ユーゴスラビア(現:セルビア)ベオグラード生まれのトランペット奏者。まずラジオ・ベオグラードのオーケストラで頭角を現します。1957年から西独ケルンWDR(*1)のクルト・エーデルハーゲン・オールスター・バンド、1968年からはベルリンのSFB(*2)ビッグ・バンドで活躍。1982年に自身のバンド “ ベルリン・ビッグバンド ” を立ち上げて、以降バンド・リーダー及びソリストとして活動したお方だそうです。 (裏ジャケのライナーを参考にしました)

(*1) WDR = Westdeutscher Rundfunk Köln = West German Broadcasting Cologn : 西ドイツ放送協会
(*2) SFB = Sender Freies Berlin = Radio Free Berlin : 自由ベルリン放送協会

Imgp5298www LPジャケットの中には二つ折りになったピンナップが入ってました(画像参照、サイズはH300mm x W600mm)。裏ジャケの写真から察するに、真ん中左に仁王立ちしてるのがミロ・パブロビッチさんでしょうね。
それにしても、コレを部屋に飾る人いる? 飾るんだったら演奏してる場面の方がいいなぁ~。

アルバムA面5曲はスタンダード曲中心、B面6曲はクリスマス向けという選曲。ホリデーシーズンにリリースされたのでしょう。バカラック・カヴァーの 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 はB面の3曲目に収録されています。イントロはAメロ~A'メロ間のつなぎ部分のコード進行を流用したもの(*3)で、他のカヴァーではみられないアレンジです。本編のメロディは一部を除いてトランペットが演奏しているのですが、ワウワウミュートを用いたと思われる音色はなかなかユニーク(好き嫌いはあるでしょうけど)。リズム&テンポともに軽快で金管やサックスの音にもキレがあり、この曲本来の良さを損なわないアレンジ&演奏だと思います。

(*3) 曲のキーがCメジャー(ハ長調)の場合で、C - Am - CM7 - Am

それにしても、1969年のアニタ・カー・シンガーズ以降カヴァーがなかったこの曲をミロ・パブロビッチはよく発掘したなと。同じトランペット奏者であるハーブ・アルパートの 『 Christmas Album 』 を聴いてどうしても演奏したかったのか? 2年後の1986年にオランダのリタ・ライスがこの曲をカヴァーしたのは本作がきっかけだったのか? …などなど、とても興味深いです。

Imgp5315ccc アルバム全体の印象は、派手さはないけどアレンジも含めてマナーの良いビッグ・バンドだなぁ…というもの。BGMとして安心して聴けます。レコメンドはB4. 「 ETUDE OPUS NR. 10/3 ("E"-Dur) 」 。あのショパンのエチュード第3番作品10-3 「 別れの曲 」 を♩≒92の16ビートにアレンジ。シブくてカッコイイです(メロディを吹くトランペットがイマイチでそれがチト残念…)。

ちなみに、Berlin Big Band でネット検索すると同名バンドのサイトが出てきます。ちゃんと活動してるようなのですが、本作と同じバンドなのかは判断付かず…。どなたかご存知の方いらっしゃいましたらコメントお願いいたしますぅ。

それでは、良いお年を~paper


【データ】
『 Milo Pavlović Berlin Big Band 』
Milo Pavlović & Berlin Big Band

LP:1984年リリース
レーベル:Hoechst (West Germany)
番号:B-1581

詳細クレジットは不明
Arranged by Alyn Ainsworth (A1,B1,B3,B5.), Werner Windler (A2.), Robert Pronk (A3,A5,B4.), Francy Boland (A4.), Jerry van Rooyen (B2,B6.)

* Amazonでは取り扱い無し (私はDiscogsで購入しました)

2017年12月17日 (日)

SPREAD YOUR WINGS AND FLY/Laura Nyro (2004年)

1971年5月30日、ニューヨークのフィルモア・イーストで行われたローラ・ニーロのライヴを収録したもの。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

5. Medley: WALK ON BY / DANCING IN THE STREET (4:58)


Img037ggg1971年5月30日、ニューヨークのフィルモア・イーストで行われたローラ・ニーロのライヴ録音アルバムです。彼女の死後7年経った2004年にリリースされました。

先日(12月10日)の “ 山下達郎のサンデー・ソングブック ” でローラ・ニーロが歌う 「 ウォーク・オン・バイ 」 が流れました。以前ご紹介したアルバム 『 ANGEL IN THE DARK 』 (2001年リリース)の 「 ウォーク・オン・バイ 」 ではなく、1994年2月の来日公演を収めたライヴ盤  『 An Evening With Laura Nyro 』 (2003年リリース) からの1曲。私の知らないバージョンです。これはっ!と思いAmazonでポチッとしかけたのですが、5ケタのお値段に目がテンwobbly。いやいや、お小遣いの少ないオジサンにはちょっとキツイな~。

ポチッ を断念して他のストアを探している時、今回ご紹介するアルバムにもライヴ・バージョンの 「 ウォーク・オン・バイ 」 が入ってることを知りました。プライスも手が届くゾ。…てなワケで本作をゲットした次第。

1947年生まれのローラはこのライヴの時点ではまだ23歳。でもでも、ピアノ弾き語りで歌うローラのストレートで骨太なパフォーマンスはキャリアを十分積んだベテラン・シンガーのよう。アルバム終盤ではローラの歌声もちょっとかすれ気味だったりしますが、ただただ歌の力に引き込まれます。

収録曲は12トラック全17曲。ライヴということもあってかメドレーが多いです。17曲の内訳は、7曲がソウル・ナンバーのカヴァーで残り10曲がローラのオリジナル。カヴァーのうちの1曲がバカラック・ナンバーのT-5. 「 ウォーク・オン・バイ 」 で、マーサ・リーヴス&ザ・ヴァンデラスの 「 ダンシング・イン・ザ・ダーク 」 とのメドレーとなっています。

「 ウォーク・オン・バイ 」 は、ゆたりとしたR&Bフィーリング溢れるカヴァー。

Photo_6 『 An Evening With Laura Nyro 』 と 『 ANGEL IN THE DARK 』 は、ライヴ/スタジオの違いはあっても1994年のほぼ同じ時期の録音ということもあって似ています。それらと較べると、同じピアノ弾き語りでテンポも同等なのに本作は微妙に雰囲気が違うんですよねー。私なりに出した答えがピアノ左手で弾く “ ベース・ライン ” の違い。表にまとめましたが、本作は1拍目/2拍目の裏/4拍目に音の頭が来るパターンで一貫しているのに対し、1994年はフィーリングが異なる複数のパターンが登場します。だからかなと。

ヴォーカルの表現力はメロディをフェイクしたりする1994年の方が明らかに上。でも、私にとってシンプルに心に響くのは本作の 「 ウォーク・オン・バイ 」 。このあたりは個人的な好みの範疇になるんでしょうけどねー。


【データ】
『 SPREAD YOUR WINGS AND FLY : LIVE AT THE FILLMORE May 30, 1971 』 (邦題:飛翔~ライヴ・アット・フィルモア・イースト)
Laura Nyro

CD:2004年3月9日リリース (所有CDは、2004年7月22日リリースの日本盤。ライナーは渡辺亨氏)
レーベル:Columbia / Legacy (所有CDは、Sony Music Direct (Japan))
番号:CK 92493 (所有CDは、MHCP 244)

Produced for compact disc by Al Quaglieri
Recorded debut / Recorded 5/30/71

2017年12月10日 (日)

Have yourself a merry little Christmas/Rita Reys (1986年)

オランダのジャズ・シンガー、リタ・ライスが1986年にリリースしたクリスマス・アルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

6. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:13)


オランダのジャズ・シンガー、リタ・ライスが1986年にリリースしたクリスマス・アルバムです。

リタ・ライスは1924年生まれ(2013年没、享年88)。リリース当時62歳ということになりますが、“ Europe's First lady of Jazz ” として知られるリタにとって本作は初めての(そして唯一の)クリスマス・アルバムなんだとか。

バックの演奏は、リタの御主人でもあるピム・ヤコブスのピアノ・トリオとメトロポール・オーケストラ。オーケストラの指揮とアレンジはロジャー・ヴァン・オッテーロー。リタは1971年にバカラック・カヴァー集 『 Rita Reys sings Burt Bacharach 』 をリリースしているのですが、その時も彼はオケのアレンジと編曲をしていました。

─  The subtle swing of the trio, combined with the genuine warmth of strings, adds a fresher and brighter quality to these familiar songs. トリオの巧みなスイングとストリングスの本物の暖かさとの組み合わせは、これらおなじみの曲をより生き生きと明るく描き出します。 ─ (ライナーより、超意訳 by あるでお^^;)

私も同感です。T-1. 「 HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS (あなたに楽しいクリスマスを) 」 、T-2. 「 WINTER WONDERLAND 」 、T-9. 「 THE CHRISTMAS SONG 」 、T-12. 「 WHITE CHRISTMAS 」 の定番曲もいいですし、アニタ・カー作のT-3. 「 IT'S CHRISTMAS TIME 」 やクリスマス・キャロルのT-7. 「 THE STAR CAROL 」 あたりの暖かみあるサウンドを聴いてると体の芯まで温まってきます。

─  One of the most original songs in the world of jingle bells and silver bells is undoubtedly Burt Bacharach's "The bell that couldn't jingle." ジングル・ベルや銀の鈴の歌の世界で最も独創的な曲のひとつがバート・バカラックの 「 ザ・ベル・ザット・クドント・ジングル 」 であることは間違いありません。 ─ (同)

よく発掘したな~と思ったのが、バカラックが作曲した数少ないクリスマス・ソングのT-6. 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 。1970年代以降は全くカヴァーされてませんでしたからねー。ライナーを書いた方の評価が高いのにもビックリ。

んで、リタ版はとっても素敵なカヴァーとなりました。ストリングスと木管楽器がクラシカルな掛け合いを演じるイントロにまず心が弾みます。このイントロのフレーズは過去のどのバージョンにも見られないものです。本編に入ってからはピアノトリオが主体となるのですが、ウキウキ感がある演奏でピアノのちょっとしたアドリブなんかもいいですね~。リタの歌唱は若干高音域が苦しげですが、秀逸なアレンジに大満足。ただ、惜しむらくは曲の尺が短いこと。もっと長く演奏してくれたら良かったのにー。

Amazonは在庫切れ。そこでDiscogsサイトのアカウントを取得してオランダの中古屋さんから取り寄せたのですが、購入して正解でしたhappy01。まぁ、今月からAmazon/iTunesでダウンロード出来るようになったんですけどね…crying


【データ】
『 Have yourself a merry little Christmas 』
Rita Reys

CD:1986年リリース  ライナーノーツ: Imme Schade van Westrum
レーベル:Polydor (West Germany)
番号:831 254-2

Musical Advice: John J. Vis/Imme Schade van Westrum
Orchestra arranged and conducted by Rogier van Otterloo
  Pim Jacobs - Keyboards
  Ruud Jacobs - Bass
  Peter Ypma - Drums
  Ack van Rooyen - Trumpet
  Ruud Brink - Tenorsax
  Ary Jongman - Flute
  Martin de Ruiter - Hobo
  Roel Koster - Horn
Recorded at Wisseloord Studios, Hilversum, Holland

Ⓟ 1986 Polydor B.V.
Ⓒ 1986 Polydor B.V.
Marketed by Polydor B.V.
Printed in West Germany

↓ 左:CD、 右:MP3

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