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★バカラックの曲がちょっと入ったアルバム

2025年10月12日 (日)

Motoring Along/Al Cohn & Zoot Sims (1975年)

ジャズ史上に輝く名テナー・サックス・コンビ、アル・コーン&ズート・シムズが1975年にリリースしたアルバムです。バカラック作品を1曲収録!

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全5トラック中、バカラック作品は1トラック

B3. WHAT THE WORLD NEEDS NOW (8:40)



ジャズ史上に輝く名テナー・サックス・コンビ、アル・コーン&ズート・シムズが1975年にリリースしたアルバムです。

っても、アル・コーン、ズート・シムズ、どっちも名前知らんしなぁ。AIにでも訊いてみるか。

─ アル・コーン&ズート・シムズは、長年にわたり共同活動を行ったジャズ・テナーサックス奏者の名コンビのことです。二人とも1925年生まれで、ウディ・ハーマンの楽団でともに頭角を現しました。主な特徴は以下のとおりです。
①息の合ったテナー・サックス:互いに異なる個性を持ちながらも、相手の音色を尊重し合い、見事なアンサンブルを聴かせました。②スウィンギーで温かいスタイル:レスター・ヤングの影響を受けた、軽快で心地よいスウィング感が特徴です。③数々の傑作アルバム:1950年代から録音を重ね、多くの名盤を世に残しました。代表作としては、『フロム・A・トゥ・Z』(1956年)やライブ盤の『ハーフ・ノートの夜』(1959年)などが挙げられます。
④長期にわたる共演:1950年代からズート・シムズが亡くなる1985年まで、30年以上にわたって共演し続けました。
彼らの演奏は、二人の友情と成熟したジャズセンスが感じられる、大人のジャズとして高く評価されています。  ─ (Google AIモードによる)

ネットやWikiで調べるより全然簡単で
楽だぁ。これからはAIに教えてもらうことにしよう。(もう歳だし手抜きをしないとね😅)

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さて、本アルバムは2人をリーダーとしたクインテットによる1974年ストックホルム録音盤。全体的にスウィンギーです、ホント。彼らの他のアルバムは聴いたことありませんが、いつもこんな感じなんですかねぇ。AIによれば、─ スカンジナビア・ジャズらしいクールな雰囲気がありつつも、力強く絡み合うテナーが聴き応えを与えています。アル&ズートの他の有名作品の陰に隠れがちですが、録音状態も良く、ファンからはかなりの名盤として評価されています。  ─ なんだそう。いつもよりクールってことなのかな?

んで、バカラック作品はB3.「 世界は愛を求めている 」。原曲の3拍子ではなく4拍子のスウィングにアレンジ。そしてテンポが♩≒194〜200 と超速い。尺は約9分間ありますが、2人のアドリヴが殆どです(ピアノも少しだけアドリヴ有り)。これだけ曲が長いと途中退屈しちゃいそうですけれど、軽快感があるからか最後までダレずにリラックスして聴くことが出来ました(何を偉そーに)。特に二人がハモって吹いてるところは聴いていて気分が上がります。全体的になかなか良いんじゃないでしょうか。


【データ】
『 Motoring Along 』 (邦題:モータリング・アロング)
Al Cohn & Zoot Sims

LP:1975年リリース
レーベル:Sonet (UK)
番号:SNTF 684

Producer – Rune Öfwerman
Al Cohn (ts)
Zoot Sims (ts,ss)
Horace Parlan (p)

Hugo Rasmussen (b)
Sven Erik Norregaard (ds)
Recorded November 25th, 1974.
Studio: Stockholm, Sweden

©️ Sonet Productions Ltd. 1975
12 Needham Road, London W11 2RP
Distributed in the U.K. by Pye Records (Sales) Ltd.

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2025年8月24日 (日)

The Piano Of Eddie Higgins/Eddie Higgins (1967年)

米国のジャズ・ピアニスト、エディ・ヒギンスが1967年にリリースしたアルバムです。バカラック曲を1曲カヴァー!

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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

A1. ALFIE (2:33)


米国のジャズ・ピアニスト、エディ・ヒギンスが1967年にリリースしたアルバムです。

エディ・ヒギンスは1932年2月米国マサチューセッツ州ケンブリッジ生まれ(2009年8月没、享年77歳)。ノースウェスタン大学音楽学部を卒業後、2年間の兵役を経てシカゴに戻り自身のトリオを結成。ベーシスト兼アレンジャーのRichard Evans(リチャード・エヴァンス)とドラマーのMarshall Thompson(マーシャル・トンプソン)を主なメンバーとして1960年代後半までトリオを率いてシカゴで活動するとともに、様々なミュージシャンのサイドマンとしても活躍、多くの録音に参加しました。1970年フロリダに移り、1980年代初頭からはジャズフェスなどヨーロッパと日本で頻繁に演奏。晩年の2000年代には日本のVenusレーベルからアルバムを多数リリースしています。

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本作はヒギンス4作目のアルバム。取り上げた曲は1965年〜1966年の映画音楽やヒット曲がメイン。ピアノトリオ+金管/木管&ストリングスのオケ(A4.では男女コーラスも)という編成で、もちろん主役はヒギンスのピアノ。ヒギンスがアレンジした3曲は抒情的なのですが、その他のリチャード・エヴァンスがアレンジした曲はゴージャスなアレンジが多いです。例えばA3.「 ミッシェル 」やA5.「 いそしぎのテーマ 」はSwing調、B1.「 ララのテーマ 」はダイナミックな映画音楽調?、B4.「 サニー 」はラテン調、B6.「 蜜の味 」なんて高速ワルツに。"ゴージャス" が本アルバム全体の印象かなぁ。

さてさて、バカラック・カヴァーはA1.「 アルフィー 」。クラシックのピアノ協奏曲か!?と勘違いしちゃうような怒涛のイントロ。本編に入るとダイナミックで大袈裟なピアノのメロディをゴージャスなオケがバックアップ。そして再び怒涛のエンディング。裏ジャケのライナーノーツは全曲にコメントしているのですが、「 アルフィー 」についてはこんな感じ。 ─ エヴァンスの「 アルフィー 」の楽譜は、適度に飾り気のないピアノのラインを背景に、クラシックなサウンドとロックのサウンドの間の綱渡りをうまくこなしています。 ─ 適度に飾り気のないピアノ?🙄 いやいやそんな事ないでしょ。適度に大袈裟(お下劣と言ってもいいくらい😓)…ならわかりますが。因みに、Hi-Fiレコード・ストアさんの評は…。 ─ クラシックからポップまで弾きこなす天才肌のピアニスト。シカゴ・ジャズシーンの名ストリングス・アレンジャー、リチャード・エヴァンスを迎えてのバカラック・カヴァーです。奇抜なことはしていません。ただただ美しい。  ─ ただただ美しい?🤔 う〜ん、言い過ぎだと思うんですけどねぇ。

DiscogsではJazzのジャンルになっている本アルバムですが、Easy Listeningでいいんじゃね? そう感じたあるでおでございました。


【データ】
『 The Piano Of Eddie Higgins 』
Eddie Higgins with the Richard Evans Orchestra

LP:1967年リリース
レーベル:Atlantic (US)
番号:SD 8136 (Stereo), 8136 (Mono)

All selections were arranged by Richard Evans except A2,B2,B3 which were arranged Eddie Higgins.
Recorded at Universal Recording Corporation, Chicago, Illinois
©️1967 Atlantic Recording Corp.

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2025年8月17日 (日)

Traces/Brooks Arthur Ensemble (1969年)

米国のサウンドクリエーター、ブルックス・アーサーがブルックス・アーサー・アンサンブル名義でリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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全14トラック中、バカラック作品は2トラック

B2. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME (3:13)
B3. KNOWING WHEN TO LEAVE (2:45)


米国のサウンドクリエーター、ブルックス・アーサーがブルックス・アーサー・アンサンブル名義でリリースしたアルバムです。

ブルックス・アーサーは1936年ブルックリン生まれ(2022年没、享年86歳)。1960年代からエンジニアとして活躍し、60年代後半には自身のスタジオ(センチュリー・サウンド・スタジオ)もオープン。70年代前半はまだエンジニアとしての仕事がメインでピーター・アレン、ヴァン・モリソン他の作品に参加。そしてプロデュースを担当したジャニス・イアンの1975年作『 Between The Lines 』が全米1位となり、以降、ピーター・アレン、フィル・コーディー、キャロル・ベイヤー・セイガー、ベット・ミドラーなどN.Y.をベースとするシンガーのアルバムを中心にプロデューサーとして活躍しました。因みにバカラック関連では、キャロル・ベイヤー・セイガーのアルバム『 SOMETIMES LATE AT NIGHT(真夜中のくちづけ)』がバカラックとブルックス・アーサーによる共同プロデュース作品でございます。

そんなブルックス・アーサーは、ブルックス・アーサー・アンサンブル名義でアルバムを2作リリースしています。1作目『 Sole Forms 』は1966年にクリード・テイラーのプロデュースで発表。2枚目が本作で1969年に自身のプロデュースで発表しました。

─ このアルバムは、かつてブルックス・アーサーの頭の中にあったものが、今はこのアルバムに収められた、新しいサウンドです。めったに聞かれない音楽のカテゴリーに属し、正直なものと呼ばれています。

ブルックス・アーサーは美しい楽器を持つ歌手としてスタートし、歌手、ミュージシャン、アーティスト、プロデューサー、ビジネスマンなど、彼が手がけたすべての事業で成功を収め、現在では国内有数のオーディオエンジニアの一人となり、ニューヨーク市にある自身のセンチュリー・サウンド・レコーディング・スタジオの責任者となっています。彼の功績をすべて挙げることは不可能でしょう…(彼のアルバム『 Sole Forms 』/Brooks Arthur Ensemble, V6-8650 は1967年にグラミー賞にノミネートされました)。彼の名前は、事実上何百ものヒットレコードの裏面で見てきましたが、ここでついに表紙に登場しました。そして、私たちが最も関心を持っているのはこのアルバムです。なぜなら、すべてがここに至ったからです…。
ブルックス・アーサーには、愛、仕事、そして知識があり、それらはすべて結びついて音楽と呼ばれています。
ブルックス・アーサーにとって、自身のアイデアを実現するためのアレンジャーの選択は極めて重要でした。リー・ホールドリッジの選択は実に賢明でした。リーはコスタリカ在住時にドン・ウーゴ・マリアーニに師事し、後にボストンで有名なヘンリー・ラスカーに師事しました。リーとブルックスの音楽哲学は、愛を強調した温かみのあるアレンジメントに刻まれています。
このアルバムを聴いていると、お気に入りの椅子は柔らかくなり、暖炉は暖かくなり、人生と思い出はより甘美なものになるでしょう。 - Ann Ruckert Collins  ─ (本作裏ジャケのライナーノーツ、Google先生訳で)

ブルックス・アーサーについて詳しくは公式サイトをどうぞ。


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演奏はバンド+オケという編成。オケには金管/木管楽器・ストリングスに加えてシタールやリコーダーも入っています。メンバー全員クレジットされているのですが、確認したところ1枚目のアルバムとは編成やメンバーが違っていました。スタジオミュージシャンの寄せ集めなのかしらん。ブルックス・アーサー自身はプロデュース以外にシンガーズの一人としてクレジットされています。
取り上げた楽曲は、映画『 華麗なる賭け 』の挿入歌A1.「 風のささやき 」、Classics IVのヒット曲A2.「 TRACES 」、ビージーズのA6.「 若葉のころ 」、B7.「 マッカーサー・パーク 」など1967年〜1968年のヒット曲が主体。男女コーラスが随所に入ってるほか、A1,A4,B7の3曲では男性ヴォーカルが、A7では女性ヴォーカルがフィーチャーされています。

本作、Hi-Fiレコード・ストアさんのサイトでは ─ 洗練されたムード~ソフト・ロックの快作 ─ と紹介されていました。表ジャケは女性じゃないしクレジットもキッチリしているのでイージーリスニングではないんでしょうが、インスト曲が多いこともあって"アレンジに工夫の見られるイージーリスニングの好盤"…てな印象を持ちました。Discogsでも Easy Listening に分類されていますしねー。

さて、バカラック・カヴァーは2曲。
B2.「 愛の想い出 」は1964年ルー・ジョンソンがオリジナル(US#49)で、同年サンディ・ショウが大ヒット(UK#1, US#52)させた曲ですが、ブルックス・アーサー版はそれら2曲のアレンジをほぼ踏襲。
ホルンやストリングスが主メロを演奏しますが、サビの少し前〜サビ部分は男女コーラスが主メロ(歌詞)を歌っています。オブリガートや合いの手で金管(トランペット、トロンボーン、バストロンボーン)が目立つくらいで、他にはそれほど特徴が見られないカヴァーです。
B3.「 去りし時を知って 」は1968年のミュージカル『 プロミセス、プロミセス 』の劇中歌。個人的に好きなバカラック曲のひとつ。この曲には優れたカヴァーが多いのですが、ブルックス・アーサー版もなかなかの好カヴァー。まずイントロ。ピアノのアルペジオとヴァイオリンの不協和音が緊張感を漂わせます、"この曲はなんだろう?"と。主メロはフリューゲルホーンが主役で、時々女性コーラスも歌詞を歌っています。ハープ、トロンボーン、ティンパニ、ストリングス、トランペットなど様々な楽器&バリエーションのオブリガートが新鮮です。このアレンジでフル女性ヴォーカル版を聴きたいところです。


【データ】
『 Traces 』
Brooks Arthur Ensemble

LP:1969年リリース
レーベル:Verve (US)
番号:V6-8779

Produced by Brooks Arthur

Arranged and Conducted by Lee Holdridge

Recorded at Century Sound Recording Studios in New York City

Engineer:Brooks Arthur



PERSONNEL

Drums:Gary Chester, Al Rogers

Keyboards:Stan Free, Frank Owens, Morris Wexler

Percussion:George Devens

Guitar:Sam Brown, Charlie Macey, Willard Suyker

Sitar:Vinnie Bell

Bass:Richard Davis, Julio Ruggiero, Richard Romoff

Woodwinds:Jerry Dodgion, Romeo Penque

Recorder:William Hammond

Trumpet:Bert Collins

Fluegelhorn:Bert Collins

Trombone:Wayne Andre, Eddie Bert, Mickey Gravine, Richard Hixon, Alan Rath (Bass Trombone)

Violin:Gene Orloff, Emanuel Green, Max Cahn, Norman Carr, Selwart Richard Clarke, Henri Aubert, Michael Comins, Theodore Isreal, Peter Dimetrias, George Ockner, Harry Lookofsky, Leo Kahn, Harry Urbont, Julius Brand

Harp:Eugene Bianco

Cello:Kermit Moore, Harry Wimmer

Singers:Marilyn Jackson, Maretha Stewart, Linda November, Jim Campbell, Kenny Karen, Brooks Arthur

Vocal solos:Kenny Karen (A1, A4, B7), Maretha Stewart (A7)



Manufactured by MGM Records Division; Metro-Goldwyn-Mayer Inc.

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2025年8月10日 (日)

I Love This Land/Al Harrington (1975年)

ハワイのレジェンド・シンガー、アリ・ハリントンのデビュー・アルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全10トラック中、バカラック作品は1トラック

A2. LIVING TOGETHER, GROWING TOGETHER (3:13)


ハワイのレジェンド・シンガー、アリ・ハリントンのデビュー・アルバムです。1975年リリース。

─ 2021年に86歳で亡くなったハワイのレジェンド・シンガー。これがデビュー・アルバムです。ドン・コスタのプロデュースでトラディショナルだけでなく、本土アメリカの要素も積極的に吸収。若いバンドのようにロックには走らず、そのかわりバカラックやポール・ウィリアムスをとりあげています。バカラック「Living Together」のこのカヴァーはほとんど知られてないのでは? ─ (Hi-Fiレコードさんのアルバム紹介コメントより)

ハイ、全くその通り! このバカラック・カヴァーは知りませんでした。

アル・ハリントンは1935年12月生まれで、本アルバムリリース時は39歳。かなり遅いデビューじゃない? ライナーノーツにアリ・ハリントンのバイオ&キャリアが詳しく載っていましたが、歌は彼のマルチな才能の一つに過ぎないんですねー。せっかくなのでGoogle先生の訳で全文引用します、長いですけど😅。

─ ハワイに長年住んでいる人に「アル・ハリントンって誰?」と尋ねれば、それぞれ違った説明をするでしょう。彼は、実に様々な形で多くの人々の人生に影響を与えてきました。ハワイの名門プナホウ校での素晴らしい学業成績を覚えている人もいるでしょう。また、アメリカ本土以外で初めて高校オールアメリカンに選ばれたフットボールの才能、そしてボルチモア・コルツがかつて彼をドラフトしようとしたことを覚えている人もいるでしょう。スタンフォード大学への奨学金について話す人もいるでしょう。そして、後にプナホウに戻って5年間歴史を教えた際に、プナホウの優秀な教師の一人に選ばれたことを話す人もいるでしょう。最近では、「彼は『 HAWAII FIVE-0(ハワイ5-0)』※1 の Ben Kokura だ」とか、「ワイキキでヘッドライナーを務める明るくエネルギッシュなエンターテイナーだ」といった話も聞かれるでしょう。

真実は、彼がこれらすべてであるということです。そして、西サモアのパゴパゴ出身のタウアス・ターという3歳の少年が、町中の人々に愛され、親友となったエンターテイナー、アル・ハリントンに至るまでの道のりは、あまりにもアメリカ的なサクセスストーリーすぎて、信じられないほどです。
若者は彼を現代のヒーローとして尊敬しています。年配の人々は、すべての少年が彼のようになればいいのにと思っています。エンターテイナーや友人たちは彼の活発な才能を尊敬し、ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ、シェラトン・ワイキキ、アラモアナ・ホテルのメインショールーム、そして『 ハワイ5-0 』の刑事として全国的な人気を得るまでの道のりを彼を励ましました。
アル・ハリントンは美しい男だ。彼のたくましくハンサムな顔立ちは、まさにスターダムにふさわしい。故郷ハワイへのアルの愛は、島の歌を温かく歌い上げる姿に反映されている。優しいウィット、機敏な心、表現力豊かな歌声、そして奔放な魅力は、彼のワイキキでのショーを島で最も人気のあるショーの一つにしている。訪れる人々は、アル・ハリントンとハワイを共に喜び、存分に体験することができる。地元の人々は、彼を愛するためだけに何度も足を運んでいる。
力強い力で歌われるオープニング曲でありタイトル曲でもある「 I LOVE THIS LAND 」から、繊細で魅惑的なメランコリーを奏でる「 TRY TO REMEMBER 」まで、アル・ハリントンの声は、この男の魔法のような人生の深さと広さを反映している。
これからアル・ハリントンについてもっと知ることになるだろう。そして、彼について知るべきことはたくさんあります。彼が特別な存在であることは、たった1分聴けばわかるだろう。しかし、彼のすべてを知るには何年もかかるだろう。  ─

※1 HAWAII FIVE-0(ハワイ5-0):アメリカCBS系で1968年から1980年まで12シーズンに渡り、284話が放送された刑事ドラマ。 また、リメイク版の『 HAWAII FIVE-0(ハワイファイブオー)』が2010年秋のシーズンからアレックス・オロックリンの主演で放映されました。そのリメイク版にもアル・ハミルトンは Mamo Kahike 役で10話ほど出演しています。

さて本アルバム。演奏はバンド+オケ。オケの編成はストリングスに金管・木管もいる充実したもの。バンドにはハワイらしくスチールギターも入ってますがその露出は控えめで節度を持った鳴らし方。敢えてそうしている感じで、ハワイ風味は薄く全体的にはポップな仕上がりです。アル・ハリントンの歌声はちょっとガラガラした所謂“おじさん声”ですが、低音ボイス且つ押し出しが強くて張りがあります。見た目のイメージに近い声じゃないかと。


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んで、バカラック・カヴァーはA2.「 LIVING TOGETHER, GROWING TOGETHER(リヴィング・トゥゲザー、グロウイング・トゥゲザー)」。裏ジャケやレーベル面は「 LIVING TOGETHER 」と省略した表記になっています。1973年の映画『 LOST HORIZON(失われた地平線)』の挿入歌で、フィフス・ディメンションのカヴァーが1973年2月全米32位になった曲です。アリ・ハリントンのカヴァーは映画のサントラ版をベースとしたアレンジですが、テンポがサントラ版(♩≒116)より速く(♩≒130)元気がいいし、子供たちのコーラスが入っていて多幸感があります。バックの演奏も、金管楽器や木管楽器による楽しい雰囲気のオブリガートが多幸感を後押ししています。これはレコメンドですねー。クレジットを見たらアレンジはドン・コスタでした、納得!

アルバムの他の曲について少し言及しますと…。A3.「 LOVE CALLS 」は、歌詞の所々に日本語や
日本女性の名前が出てくる変な曲。しっとりスローなA5.「 DREAM AWAY 」やB5.「 TRY TO REMEMBER 」あたりは聴き応えがありました。

最後にちょっと。表ジャケの真ん中あたりに誰かのサインが書かれています。最初はアル・ハリントンの自筆サインかと思ったのですが、そうは読めません。Discogsでこのアルバムを見てみると、やはりサインが入っています。そういうデザインなのかと思ってよく見ると同じサインではありませんでした。このサインは一体なんなんだ???


【データ】
『 I Love This Land 』
Al Harrington

LP:1975年リリース
レーベル:Maui Records (Honolulu, Hawaii)
番号:HR-1001

Conductor & Arranger:Don Costa
Children's Chorus:Honolulu Children's  Chorus
Background Singers:Coppernickles
Musical Consultant:Gary Shimabukuro

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2025年1月26日 (日)

The Greatest Roman Of Them All/Lyn Roman (1968年)

米女性シンガー、リン・ローマンが1968年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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全10トラック中、バカラック作品は2トラック

A1. KNOWING WHEN TO LEAVE (3:14)

B5. THE LOOK OF LOVE (2:54)


米女性シンガー、リン・ローマンが1968年にリリースしたアルバムです。

リン・ローマンはワシントンD.C.出身。1963年スモーキー・ロビンソンによりMotownと契約して本名(Linda Griner)でシングル1枚リリース。翌年からはリン・ローマンの名でColumbia、Mercury、Dot、BrunswickのレーベルでPop〜Soulのシンガーとして活動。80年代はIchiban RecordsからDisco/Soul路線のアルバムをリリース、90年代からは本名に戻しているようです。(彼女の公式サイト

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本作は1968年にDotからリリースしたアルバムで、ビリー・ホリディの歌唱が有名なA2.「 GOD BLESS THE CHILD 」、リチャード・ハリスが1968年に歌ったA4.「 DIDN'T WE 」、O.C.スミス1968年のヒット曲B1.「 LITTLE GREEN APPLES(青い果実)」、ダスティ・スプリングフィールドの1968年シングルB面曲のB2.「 ジャスト・ア・リトル・ラヴィン 」、ご存じアレサ・フランクリン1967年のヒットB3.「 ナチュラル・ウーマン 」などポップやソウルの良曲カヴァーが目立ちます。

んで、バカラック・カヴァーは2曲。A1.「 去りし時を知って 」は1968年12月からスタートしたブロードウェイ・ミュージカル『 プロミセス・プロミセス 』の中の曲。まず、イントロ冒頭4小節でのトロンボーンが吹くシンコペーションのメロディにほんわかした気持ちになります。オリジナルはもとより他のカヴァーでは聴いたことが無いフレーズで、つかみはバッチリ。リン・ローマンの歌声はハリがあって芯が太く、そして歌がうまい。バックの演奏はハープやグロッケンも入ったポップスオーケストラで特にブラスのメリハリが素晴らしいです。中間の間奏部分でイントロ冒頭とはまた異なる4小節のフレーズをトロンボーンが、次にトロンボーン+オーボエ、そして金管がバリバリと吹きまくります。いいですね〜。彼女の歌はそのバックに負けていません。超レコメンドです!

もう1曲はB5.「 恋の面影 」。この曲もイントロから引き込まれます。テンポは♩≒130。キューバン・ボレロに近い感じのリズムで、イントロ冒頭8小節はパーカッションのみで奏でます。9小節目からベースやギター、ピアノが加わり、13小節目からAメロを歌い始めます。この曲でのリン・マーロンはソウルフルな歌いっぷりで、特に後半部16小節で繰り広げられるフルートとのアドリヴ合戦はとてもファンキーで圧巻です。この曲もレコメンドですねー。

アレンジャーは、A1.「 去りし時を知って 」がリチャード・ウェスで、B5.「 恋の面影 」はアーティー・バトラー。2人ともいい仕事してると思います。

他には、A3.「 WHEN I WAS FIVE 」が個人的に気に入った曲でした。

尚、YouTubeに「 去りし時を知って 」は見当たらなかったけれど「 恋の面影 」はありました。ご興味あれば是非!


【データ】
『 The Greatest Roman Of Them All 』

Lyn Roman

LP:1968年リリース
レーベル:Dot (US)
番号:DLP 25903

Produced by Gerry Granahan
Arrangers:Artie Butler (A4,B3-5), Richard Wess (A1,A3,A5,B1-2), Tom Scott (A2)

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2024年12月 1日 (日)

If You Could Read My Mind/Cameron Carpenter(2014年)

米国のオルガン奏者、キャメロン・カーペンターが2014年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全27トラック中、バカラック作品は1トラック

1. J.S. Bach / Cameron Carpenter: Cello Suite Elaboration (after Cello Suite No.1 in G major: Prelude)
2. Leonard Bernstein: Candide - Overture
3. Sergei Rachmaninov: Vocalise, Op. 34/14
4. Cameron Carpenter: Music For An Imaginary Film
5. Astor Piazolla: Oblivion
6-17. Marcel Dupré: Variations Sur Un Noël - pour grand orgue Op. 20
      Cameron Carpenter: Song Paraphrases
18. IF YOU COULD READ MY MIND (Gordon Lightfoot)
19. ALFIE (Burt Bacharach)  (3:01)
20. SISTER OF MERCY (Leonard Cohen)
21. PURE IMAGINATION (Anthony Newley & Leslie Bricusse)
22. BACK IN BABY'S ARMS (Bob Montgomery)
23-24. Alexander Scriabin: Piano Sonata #4 In F Sharp major, Op. 30
25-27. J.S. Bach: Organ Sonata #6 In G major, BWV 530

収録時間約78分



米国のオルガン奏者、キャメロン・カーペンターが2014年にリリースしたアルバムです。

キャメロン・カーペンターは、1981年ペンシルヴァニア生まれ。少年合唱団で歌っていた頃から作曲も始め、12歳でカンタータを作曲。ノースカロライナ芸術高校ではオルガンを学び、マーラーの交響曲第5番など100曲以上をオルガン用に編曲していたそう。2000年ジュリアード音楽院に進学後はさらに大規模な作品を作曲する傍らで膨大なピアノ作品をオルガンに編曲。卒業後はオルガニストとしてワールドツアーを敢行。2005年に最初のアルバムをリリース。有名オケとの共演も多数。超絶技巧とショーマンシップ、高度なオルガン奏法と編曲で知られるオルガニストなんだそう。(彼の公式サイト

─ これはキャメロン・カーペンターのインターナショナル・ツーリング・オルガンでのデビュー録音です。この楽器は、世界中の楽器からデジタル化された音を使用して、彼独自の仕様で製作されました。

「 私のビジョンは、クラシック・オルガンの最高の部分、つまり感情の豊かさ、音域、色彩豊かなドラマ性などを残しつつ、パイプ・オルガンの不動性、可動部分、コスト、制度性から解放することです。私は ‘アメリカン・クラシック’ 大聖堂オルガンを、その対極であるシアター・オルガンと組み合わせ、1つの楽器にしたいと思っています。それは、時には空気のように軽妙でリズムのない音になり、時には世界中のどのパイプオルガンよりもリズムが激しい音になります。」キャメロン・カーペンター ─ (CDケース裏より、ほぼグーグル先生訳で)

CDケーストレイの下には、件のインターナショナル・ツーリング・オルガン(International Touring Organ:略してITO)の写真が! ダース・ベイダーみたいな漆黒&精悍な佇まいに心が躍ります。
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このITO、Marshall & Ogletree Inc.という米国のオルガンビルダーがキャメロン・カーペンターの依頼により2013年に製作した Opus 8 というモデルです。メーカーサイトの Opus 8 紹介ページを読んでもなかなか理解できないのですが、キャメロン自身が説明しているように ‘アメリカン・クラシック’ 大聖堂オルガンを、その対極であるシアターオルガン(※)と組み合わせ、1つの楽器にしたもののようです。  (※)シアターオルガンはパイプオルガンの一種で、20世紀初頭にデザインされ、様々な音色と効果音や打楽器音などを発することができ、ワンマン・オーケストラとして映画館などに設置され無声映画の伴奏に使用されていた楽器。シアターオルガンによるバカラック・カヴァー集もあります(紹介記事はこちら)。

本アルバムの収録曲はクラシックからポップス系まで幅広いもの。クラシック曲で私が知ってるのはT-1.「 バッハの無伴奏チェロ組曲 」とT-2.「 バーンスタインの《キャンディード》序曲 」くらいでしょうか。他にラフマニノフやピアソラ、スクリャービンの曲も。一方、ポップス系の曲については5曲ほど取り上げています(T-18〜22.)。

んで、バカラック・カヴァーはT-19.「 アルフィー 」。パイプオルガンとシアターオルガン両方の音色が出せるITOの特徴をしっかり生かしたアレンジで、荘厳且つ煌びやか。冒頭では銅鑼のような音が、途中グロッケンの音色、アウトロでは鐘の音も聴こえます。音色がころころ変わるんですが、レジストチェンジ(音色切り替え)はエレクトーンみたいにシーケンス制御なのかな? 本当に素敵な演奏で、コレはぜひ生で聴いてみたいです。

ランニングシャツ姿(いや、タンクトップ姿ですね)で自己陶酔して弾いてるようなジャケ写を見て “バッタもん” じゃねーの?…と思った第一印象は、
聴いて180°変わりました。見た目で判断しちゃいけませんね、反省。

なお、YouTubeでフルアルバム聴くことができます。(→こちら


【データ】
『 If You Could Read My Mind 』
Cameron Carpenter

CD:2014年リリース
レーベル:Sony Classical (Europe)
番号:88883796892

Recording Producer:Philipp Nedel
Recording Engineer:Martin Kistner
Executive Producer:Michael Schetelich
Arranger:Cameron Carpenter (CD T-2,3,5,18-24)
Recorded November 26 to December 2, 2013 at Methuen Memorial Music Hall, Methuen, Massachusetts, USA on the International Touring Organ (Opus 8/2013) by Marshall & Ogletree
Total design by Cameron Carpenter

(P)&©️ 2014 Sony Music Entertainment.

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2024年11月10日 (日)

SENSIBILITY/Bill Cantos (2023年)

米国のキーボード奏者/歌手/ソングライター/プロデューサー、ビル・カントスが2023年にリリースしたアルバムです。バカラックのメロディに歌詞をつけた曲を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)

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MP3 artwork

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所有CDジャケットの表/裏

全12トラック中、バカラック作品は1トラック

3. BULL IN A CHINA SHOP (5:46)


米国のキーボード奏者/歌手/ソングライター/プロデューサー、ビル・カントスが2023年にリリースしたアルバムです。

バカラック爺の2014年来日公演でキーボードを担当し、何曲かはビルも歌っていたのを覚えています(→ライヴの感想@拙ブログ)。でも知ってるのはそれくらい…。仕様がないので、タワーレコードのサイトで紹介されていた “発売・販売元 提供資料” から引用します(但し、一部書式を拙ブログ仕様に置き換えています)。

─ 歌声、アレンジ、新曲、カヴァー、どれも最高! 大人ジャジーメロウな2024年作!

1995年に『 WHO ARE YOU(明日巡り逢う君)』でソロデビューしAOR好きや大人ジャジーなメロウもの好きに人気のシンガー・ソングライター、ヴォーカリスト、ピアニストのビル・カントスが2024年作をリリース! バート・バカラックやハーブ・アルパートのツアー・バンド・メンバーやレコーディングも行う彼の2024年作はジャズ、ポップス、ブラジル音楽の影響を融合させた魅惑的な音楽の旅。オリジナル曲に加え想像力豊かに見事なアレンジで驚かせるカヴァーを組み合わせたカントスならではのスタイルで期待に応えつつも時に心地よく予想を裏切ってくれます。本作には故バート・バカラックとジョニー・マンデルが作曲で、ハーブ・アルパートが演奏で、と関係の深いレジェンドも参加。乾いた質感の伸びやかな極上の歌声は、衰え知らずどころか深みを増した絶妙な節回しでリスナーを魅了すること間違いなし。ピアノを中心とした小気味よい大人ジャジーな演奏も最高過ぎ。モンキーズやビートルズのカバー・アレンジも素晴らしく鼻歌フンフンが止まりません♪ CDにはボーナス1曲入り。  ─ (発売・販売元 提供資料より)

文中 “2024作” とありますが、 2023年にMP3でリリースされていたのを知らなかったんでしょう。


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ジャケットを開くと、ハーブ・アルパート(上)、バカラック(下)との2ショット写真が!

バカラックの「 BOND STREET 」にビルと奥様のマリ・ファルコーニが歌詞を乗せた曲が T-3.「 BULL IN A CHINA SHOP 」。クレジットを見ると2023年にASCAPに登録されているので、カヴァーではなくバカラックとの共作曲ということになるんでしょう。タイトルを直訳すると「 陶器店の雄牛 」。ビルは公式サイトの "STORY BEHIND THE SONG" で次のように語っています。

─ BURT & THE BUCKET LIST:2011年から2019年末の最後のショーまでバートと一緒にツアーに参加できてとても楽しかったし、光栄でした。でも、マリと私が彼と曲を共同制作する方法があるのではないかとずっと考えていました。このアルバムの制作中に、彼のソロアルバムの曲「Bond Street」から、とても楽しいインストルメンタル曲という形でその機会が訪れました。
LYRIC INSPIRATION:私です。私は陶器店の牛です。何かにぶつかったり、落としたり、壊したりしたら、私はそれを見つけます。マリは「センシビリティ」の女の子です。エレガントで、ユニークで、クールです。私はこの男です。でも、歌詞の出来栄えは気に入っています。マリは Bond Street という言葉を歌詞に取り入れる方法さえ見つけました...
IT WAS SUPPOSED TO BE A REALLY SHORT SONG:トラックは、The Hideaway スタジオの Eric Astor と録音しました。私、ベースの Kevin Axt、ギターの Grant Geissman です。オリジナルの「 BOND STREET 」は 2 分ほどですが、少し遅くして、最後にずっと続くヴァンプを追加しました。3 人の間の素晴らしい対話になり、あまりに良かったのでフェードアウトするのに耐えられませんでした (後で Mike Shapiro がパーカッションを追加しました)。家に持ち帰って、たくさんの BGV をオーバーダビングしました。
DID HE LIKE IT?:既存のインストルメンタル曲を歌詞付きでリリースするには、作曲者の承認を得る必要があります。そこで、私たちは曲を完成させてバートに送りました。電話を受けたとき、自分がどこに立っていたか、はっきりと覚えています。あのしわがれた声で「うん、最高だ!」と言っていたのを。完成した曲をバートが聞いてくれて本当にうれしいですし、皆さんとシェアできることをとてもうれしく思っています。どうぞお楽しみください。  ─

歌詞を見ると、確かに Bond Street という言葉が出てきます(公式サイトの "SENSIBILITY credits and lyrics" を参照)。ズンチャチャリズムで♩≒208のオリジナルに対して、テンポは♩≒180でそこまで速くはないもののチャールストン風のリズムが原曲のユーモラスな感じをうまく表現しています。かっこいいしクールだし、ビル・カントスさすがです。3分過ぎで終わるかと思ったら、すんげぇ長いアウトロが約2分半同じノリのまま続きます。それぞれの楽器とビルが楽しく掛け合いしながら遊んでいるかのよう。なんか微笑ましいです。バカラック爺の承認もちゃんと貰えて良かった(じゃなきゃASCAPに登録なんて出来ないもんねー)。

カヴァー曲は他に、ジョニー・マンデルの曲にビルとマリが詞を付けてハーブ・アルパートがトランペットを吹いているT-5.「 LOVE, TO ME 」、ビートルズのT-8.「 THINGS WE SAID TODAY(今日の誓い)」、モンキーズのT-4.「 I'M A BELIEVER 」、ホール&オーツのT-6.「 KISS ON MY LIST 」などをセレクト。スタンダード曲では、T-11.「 FLY ME TO THE MOON 」やT-2.「 THIS CAN'T BE LOVE 」を取り上げています。アルバム全体はコンテンポラリー・ジャズ・ヴォーカル・アルバムでした。(YouTube


【データ】

『 SENSIBILITY 』
Bill Cantos

MP3:2023年7月21日リリース
LP:2024年4月19日リリース
CD:2024年4月26日リリース
レーベル:SLEEPY NIGHT RECORDS (US)
番号:MP3:- /LP:SNRV003/CD:SNRCD030

Produced and arranged by Mari Falcone and Bill Cantos
Recorded at The Hideaway, Reseda, CA (Eric Astor, engineer)
              GIC Productions, Glendale, CA (Bill Cantos, engineer)
              QnQ Studios, Manila, Philippines (Marvin Querido, engineer)
              Hussain Jiffry Studios, Tarzana, CA (Hussain Jiffry, engineer)
Mixed by Bill Schnee at Schnee Studios, Nashville, TN
    except T-12.「 I’ve Always Been Here 」, mixed by Carlos Gallardo-Candia

T-3.「 BULL IN A CHINA SHOP 」
  (music by Burt Bacharach; lyrics by Mari Falcone/Bill Cantos)
  ©2023 New Hidden Valley Music/Jolly Holiday Music/Jam Bar Music (ASCAP)
  piano/all vocals: Bill Cantos
  guitar: Grant Geissman
  bass: Kevin Axt
  additional percussion: Michael Shapiro

ちなみに、ギターの Grant Geissman は1999年にバカラックカヴァーアルバム『 BACHARACH! THE INSTRUMENTAL SIDE 』をリリースしています。

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2024年10月27日 (日)

LOUNGE-A-PALOOZA/V.A. (1997年)

1997年に米国でリリースされたラウンジ・ミュージックのコンピレーションCDです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)

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全14トラック中、バカラック作品は1トラック

2. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU (3:31)  〜 Fastball 〜


1997年に米国でリリースされたラウンジ・ミュージックのコンピレーションCDです。

─ モダン・ロックの先鋭からポップスの大御所まで、クセ者揃いのカクテル・パーティー。ラウンジ・ミュージックの未来がここにある⁉︎ ─ (同時期リリース日本盤CDの帯より)


ユル〜いラウンジ物を集めたのかと思ったら大違い。実際のところ、14組のアーティストによるいろんなジャンルのコンピでございました。オリジナルは2曲だけ(T-4,14.)ですがいずれもラウンジ成分多め。他はカヴァーで、T-1,9.はリメイク物でもありますね。'90年代のカヴァー(T-3,5.)もあるけど、エスキヴェルのT-1.「 ミニ・スカート 」、ゲッツ&ジルベルトのT-6.「 イパネマの娘 」、10ccのT-8.「 アイム・ノット・イン・ラヴ 」、グレン・キャンベルのT-9.「 ウィチタ・ラインマン 」、フランク・シナトラのT-10.「 ウィッチクラフト 」、キャプテン&テニールのT-11.「 愛ある限り 」、アンディ・ウィリアムスのT-12.「 恋はリズムに乗せて 」、サッシャ・ディステルのT-13.「 グッド・ライフ 」等'50〜'70年代のカヴァーが多いです。

そして、バカラック・カヴァーのT-2.「 ディス・ガイ 」。パフォーマンスしているファストボールは、1992年に結成された米国のオルタナ系ロック・バンド。オリジナルのハーブ・アルパートはシャッフルのリズムですが、彼らは力感ある8ビートでカヴァー。ところが途中からシャッフルに変化します。オリジナルをリスペクトしてのことなのかしらん? でもこのリズムの変化があることで2度美味しいです。ところどころハモるヴォーカルもエモいなぁ。好カヴァーかと。(YouTube


スティーヴ&エディ(スティーヴ・ローレンスとエディ・ゴーメのおしどり夫婦デュオ)が歌うT-5.「 ブラック・ホール・サン 」がしみじみするバラードでレコメンド。カサンドラ・ウィルソンのざらっとした歌唱が魅力のT-13.「 グッド・ライフ 」、そしてポップで多幸感あふれるベン・フォールズ・ファイヴによるT-3.「 SHE DON'T USE JELLY 」もレコメンドですねー。あのピチカート・ファイヴも参加していて、T-6.「 イパネマの娘 」をカヴァーしています。

ちなみに、本作をリリースしたHollywood Recordsは映画『 オースティン・パワーズ 』1作目のサントラも同じ1997年にリリースしています。本作のアーティストのうちEdwyn Collins(T-10.)とThe James Taylor Quartet(T-12.)は『 オースティン… 』サントラにも参加していますし、音楽的なつながりを感じるところです。


ここからはオマケ。MP3で所有しているバカラック・カヴァーをご紹介。
本作に参加しているベン・フォールズ・ファイヴは、バカラック・トリビュート・コンサート『 ONE AMAZING NIGHT 』(1998) に出演して「 雨にぬれても 」をカヴァーしていました。(YouTube
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バンド解散後はソロで活動しているベン・フォールズが、一昨日(2024/10/25)リリースしたホリデー・アルバム『 Sleigher 』で「 THE BELL THAT COULDN'T JINGLE 」(3:11) をカヴァー。オリジナルのPaul Evans版を紹介した記事でこの曲のカヴァーを類型化しましたが、その中ではグループB(ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラス版が元ネタ)に当てはまりますね。イントロのアカペラも素敵だし、楽しい演奏です。メロディをちょっと変えて歌ってる点は気になりますが、好カヴァーでしょう。(YouTube


【データ】
『 LOUNGE-A-PALOOZA 』 (邦題:ラウンジ・ア・パルーザ)
V.A.




CD:1997年10月7日リリース (所有CDも同じ)
レーベル:Hollywood Records (US) (所有CDは、Hollywood Records (Europe))
番号:HR-62072-2 (所有CDは、162 072-2)

Executive Producers:Bill Forman, David Konjoyan, Rob Seidenberg
Mastered by:Stephen Marcussen at Precision Mastering
Creative Director:Dave Snow

T-2.「 THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU 」
(Burt Bacharach and Hal David)
Produced by Julian Raymond and Fastball for A Violent Society Productions
  Miles Zuniga:Guitar, Lead Vocals
  Tony Scalzo:Bass, Vocals
  Joey Shuffield:Drums
  Bennett Salvay:Keyboards
  The Magneto USA Chamber Orchestra:Strings, Orchestration
Recorded at The Hit Factory, NYC, NY and A&M Studios, Hollywood, CA

(P)1997 Hollywood Records
©️1997 Hollywood Records

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2024年9月29日 (日)

SOUL/Lena Horne (1966年)

米国のポピュラー・シンガーで俳優のリナ・ホーンが1966年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)

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Original LP front cover/back cover
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所有リイシューCDのジャケット表/ケース裏

全12トラック中、バカラック作品は1トラック

4. WHAT THE WORLD NEEDS NOW (2:26)


米国のポピュラー・シンガーで俳優のリナ・ホーンが1966年にリリースしたアルバムです。尚、彼女のファーストネームは "レナ"・"リナ" 二通りの表記がありますが、Lena は英語では "リーナ" のように発音されるそうで
拙ブログでは "リナ" と表記いたします。

彼女は1917年ブルックリン生まれ(2010年没、享年92歳)。1933年にコットンクラブの舞台に立ち、1938年のミュージカル映画でジャズ歌手としてデビュー。彼女の父親が白人とのハーフだったために黒人(アフリカン・アメリカン)にしては色が薄かったため、白人からだけでなく黒人からも差別を受けたそうです。しかし、その美しさゆえハリウッドからも声がかかり、1940年代以降、映画やミュージカルなどで大活躍しました。公民権運動にも積極的に参加したことからブラック・リストに載り、アメリカ国内での活動が制限され活動の本拠をヨーロッパに移した時期も…。'50年代からコンスタントにアルバムを発表する傍らテレビなどに出演するようになり、その後映画にも復帰。2000年頃まで活躍しました。

本作は、1965年に United Artists レーベルに移籍した後にリリースした3作目にあたります。裏ジャケのライナーノーツにはこう書かれています。長いですがせっかくなので全文引用します。Google先生の訳で、どーぞ。

─ 「 ソウル 」という言葉は、最近、ポピュラー音楽の世界で最も頻繁に使われる名詞や形容詞の 1 つになっています。この言葉は、最近、さまざまなタイプの歌手に当てはめられ、時には誤って当てはめられ、その意味は混乱しています。しかし、長年にわたり、魂を込めて歌い続けてきた偉大な女性がいることを否定する人はほとんどいません。もちろん、彼女は比類のないリナ・ホーンです。
 これは、素晴らしいリナがユナイテッド アーティスツ レコードのために作った 3 枚目のアルバムです。最初は『 Feelin' Good 』、次は『 Lena In Hollywood 』でしたが、この 2 つの優れたコレクションに対する反響は衝撃的で、批評家もファンも、このボーカリストの女王がここまで最高の歌声を披露したことは一度もないと同意しました。ホーンの興奮、ホーンの活力、ホーンのスタイルは、まさに今、最高潮に達しています。
 そして、シンプルかつ適切に『 SOUL 』と名付けられたこのコレクションは、まさに最高峰です。これは、これまで聞いたことのないリナでもあります。
 曲は、おなじみの愛すべき「 THE OLD MILL STREAM 」を除いて、比較的最近のもので、この不朽の名曲は、ラ・リナの素晴らしい演奏によって、二度と同じ音には聞こえなくなるでしょう。『 SOUL 』には、トップ 10 入りした曲、リズム&ブルースの曲、カントリーの名曲、ゴスペル風の演奏、そして、おまけに素晴らしい新曲がいくつか収録されています。これらは、リナ・ホーンの演奏でもめったに見られない自由さと活気をもって演奏されており、特に注目すべきは、今日の音楽的背景であり、実際には明日の音楽的背景でもあるということです。
 ここに、唯一無二のリナ・ホーンがいます。ここに『 SOUL 』があります。エンターテインメント界の真の偉人の一人の芸術性を、まったく新しい設定、目もくらむほど新しく、スリリングなほど現代的に表現しています。『 SOUL 』は、リナがなぜ時代の伝説なのかを鮮明に示しています。実際、リナは時代の先を進んでおり、これからもそうあり続けることを示しています。リナはスターです。リナはスターです。リナは『 SOUL 』です。  ─

ビッグバンド+ストリングスというゴージャスな編成とリッチなアレンジの演奏をバックに、ソウルフルで自在な表現力を発揮した歌唱は素晴らしいの一言。彼女の全盛期がいつなのか私は知らないのですが、リリース時49歳のこのアルバムがそうだと言われても納得しちゃいます。粘っこいT-5.「 アンチェインド・メロディー 」、スローで艶やかなT-8.「 蜜の味 」…よく知ってるこの2曲もステレオタイプじゃないアレンジと相まっていずれもグイグイ聴かせます。

前置きが長くなっちゃいました😜。さて、バカラック・カヴァーはT-4.「 世界は愛を求めている 」。オリジナルの1965年ジャッキー・デシャノン版(♩≒108)よりゆったり目(♩≒98)且つ半音低いキー。ジャッキー版同様3拍子ですが、8小節あるイントロではトロンボーンやブラスがオリジナルには無いオブリガートを吹き、只者じゃない雰囲気が漂います。僅かに細かいビブラートが効いたリナの歌唱も、重厚というか貫禄があるというか…。ジャッキー版が「 世界には愛が必要なの、ね 」なら、リナ版は「 世界にゃ愛がいるんじゃ、わかっとんのかい 」てな感じ。いや、そりゃ言い過ぎか…😅。

ここからはオマケ。MP3で所有しているリナ・ホーンのバカラック・カヴァーをご紹介。
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リナ・ホーンは『 SOUL 』の次にリリースした『 Lena In Hollywood 』(1966年)で「 WIVES AND LOVERS(素晴らしき恋人たち)」(2:10) をカヴァー。映画関係の曲をカヴァーしたアルバムのようで、ビッグバンド+ストリングスの優雅且つゴージャスな演奏をバックに、肩の力を抜いて軽やかに歌っています。
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1970年には Lena Horne & Gabor Szabo 名義のアルバム『 Lena & Gabor 』で「 MESSAGE TO MICHAEL(マイケルへのメッセージ)」(3:14) をカヴァー。ガボール・ザボはジャズ系のギタリスト。ドラムス、Eベース、オルガン、ギターという編成で、オルガンのリチャード・ティー、ギターのコーネル・デュプリーとエリック・ゲイルはのちにフュージョンバンド Stuff を結成する面々。♩≒82〜85のゆったりしたテンポ、ゴスペルファンク的なリズム、ソウルジャズのクールなサウンドをバックにリナは情感込めて歌っています。1998年に Varèse Vintage から出たコンピ集『 the burt bacharach songbook 』で聴いた時は余り印象に残らず。でも今聴いたらイイんですよねー。

他にバカラックがリナ・ホーンに書き下ろした曲もあるのですが、未紹介のバカラック物コンピ集に入っておりまして…。いずれ紹介いたします。2024/10/23 追記:こちらのコンピ集で取り上げました。


【データ】
『 SOUL 』
Lena Horne

LP:1966年リリース (所有リイシューCDは、1996年リリース)
レーベル:United Artists (US) (所有リイシューCDは、EMI(UK))
番号:UAL 3496/UAS 6496 (所有リイシューCDは、7243 8 37393 2 5)

All tracks arranged, conducted and produced by Ray Ellis

Amazonリンク(1996年リイシューCD)(2007年リイシューCD ボーナストラック入り全18曲

2024年9月15日 (日)

I Who Have Nothing/Tom Jones (1970年)

トム・ジョーンズが1970年にリリースしたスタジオ録音アルバムです。今年ちょっと話題になったバカラック・カヴァー1曲を収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)

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全11トラック中、バカラック作品は1トラック

B2. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (2:39)


トム・ジョーンズが1970年にリリースしたスタジオ録音アルバムです。

トム・ジョーンズは1940年英国南ウェールズ生まれの男性ポップシンガー。バカラック曲「 WHAT'S NEW PUSSYCAT?(何かいいことないか子猫チャン)」、「 PROMISE HER ANYTHING(プロミス・ハー・エニシング)」、「 US(アス)」のオリジナル・アーティストでもあります(これらの曲はバカラック物コンピ集にもよく取り上げられています)。2006年には大英帝国ナイト位を授与されました。所謂 “サー” の称号付きで呼ばれるわけですね、すげー。

本作は『 Tom 』(1970年4月リリース、UK#4)に続けて同年11月にリリースされました。1967年以降のアルバムが全てUKチャートで1桁順位だったのに対して、本作はUKチャート10位。彼独特のダイナミックな歌唱は健在だしノリの良い曲(A4,B6)もありますが、バラードタイプの曲(A2,A3,A5,B1,B5)も多くて全体的に大人しめな印象です。ジャケット裏面には、赤いドラゴン(ウェールズ国旗の中央に描かれている竜ですよね)、
“WALES” LAND OF SONG... This is my homeland; where I was born and raised のコピー、ウェールズと思しき丘陵地を背に佇むトムの写真…。出身地のウェールズに想いを馳せて感傷的になってそういう曲が多くなったのかしらん。(知らんけど)
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んで、バカラック・カヴァーはB2.「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE(当時の日本盤の邦題:愛を求めて)」。歌い出しはイントロなしでアウフタクト2拍をゆったりと。オリジナルと同じ3拍子でテンポは♩≒118。バックはビッグバンド+ストリングスのゴージャスなサウンド。トム・ジョーンズは最初は抑えめに歌っていますが、ラストサビでは彼らしいシャウトを聴かせます。いいですねぇ〜、
レコメンドでございます。公式動画がありましたので貼っておきます。


当時トム・ジョーンズはテレビ番組『 This is Tom Jones TV Show 』(1969〜1971年)のホストを務めていました。その番組で、1969年にサミー・デイヴィスJr.とこの曲をデュエットしています。エンディングが少し違っていてテンポも僅かに遅いですが、本アルバムのバージョンと基本的にバックの演奏は同じ。シャウトの掛け合いが素晴らしいです。これも公式動画を貼っておきます。


そして、今年ちょっと話題になったのが…。来月(2024年10月)公開となる映画『 Joker: Folie à Deux(ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ)』。今年4月10日リリースの特報トレーラーにトム・ジョーンズの歌う「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE 」が使われていたんです(ワーナー公式サイトのNEWS参照。特報トレーラーも視聴できます)。じっくり聴いてみると、デュエット版からサミー・デイヴィスJr.の冒頭の歌声が、本アルバムのトム・ジョーンズ版からラストサビの2フレーズ目の歌声が使われているようです。バックの演奏はとても重厚ですし、ゆったりしたインスト部分の美しさも際立っていますね〜。映画本編でも使われるのか、フォローしたいと思います。


ここからはオマケ。MP3で所有しているトム・ジョーンズのバカラック・カヴァーをご紹介。
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トム・ジョーンズは1967年のアルバム『 Green, Green Grass Of Home 』〜 ただし、Decca盤(UK)には収録されておらず、Parrot盤(US)のみ収録 〜 で「 ANY DAY NOW 」(2:54)をカヴァー。こういう曲にトム・ジョーンズの歌い方は相性いいですね。後半でのシャウトもハマっています。補足:1966年フランスでリリースした4曲入りEP『 What A Party 』のA面2曲目が初出の模様。
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同じく1967年リリースのアルバム『 13 Smash Hits 』で「 I WAKE UP CRYING 」(2:19)をカヴァー。それほど特徴はなくオーソドックスな仕上がり。もちろんトム・ジョーンズの歌唱はパワフルですけれど。
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ついでにライヴ盤も。1967年の『 Tom Jones Live! At The Talk Of The Town 』で「 WHAT'S NEW PUSSYCAT? 」(2:14)を歌唱。イントロで何やらおどけてるみたいですがよくわかりません。ライヴはやっぱり映像が欲しいですな。楽しく歌ってるのは伝わってきますけど。


【データ】
『 I Who Have Nothing 』(邦題:アイ)
Tom Jones

LP:1970年11月リリース
レーベル:Decca (UK)
番号:SKL 5072

詳細クレジット不明

Amazonリンク(MP3)(1998年リイシューCD 2 in 1

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カテゴリー

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    ★バカラック・カヴァー曲が主体でBacharach をアルバムのタイトルやサブタイトルに入れているアルバム ★収録曲のうち半分以上がバカラック・カヴァーのアルバム ★複数アーティストによって新たにカヴァーしたアルバム ★複数アーティストによるトリビュートコンサートのライブアルバム
  • コンピレーションアルバム
    ★複数アーティストのバカラック作品を集めたいわゆる編集盤
  • シングル
    ★シングル
  • ディオンヌ・ワーウィックのアルバム
    ★新作主体/カヴァーアルバム/コンピ集を問わず、ディオンヌ名義のアルバム
  • バカラックの曲がちょっと入ったアルバム
    ★バカラックの曲がちょっと入ったアルバム
  • バカラック関連ネタ
    ★バカラック作品は入っていないがバカラックと何らかの関連があるアルバム ★アルバムやシングル以外のこと。本、コンサート、ライヴ、TV、Radio、告知、独り言、イベントなどなど
  • バート・バカラックのアルバム
    ★メインのアーティストがバカラックとなっているもの ★バカラックが音楽を担当した映画等のオリジナル・サウンドトラック ★ ○○ with Bacharach のようなアルバムは含めない
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