バカラックの曲がちょっと入ったアルバム

2017年10月22日 (日)

野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。/野宮真貴 (2017年)

冬の名曲スタンダードをカヴァーした野宮真貴 “ 渋谷系を歌う ” シリーズ第5弾! バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

3. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:53)  ~ Duet with 渡辺満里奈 feat. Smooth Ace ~


Img010gggピチカート・ファイヴのヴォーカリスト、元祖渋谷系のディーヴァの野宮真貴が2017年(今年)にリリースしたアルバムです。

2014年11月リリースの 実況録音盤!『 野宮真貴、渋谷系を歌う。~Miss Maki Nomiya Sings Shibuya-kei Standards~ 』 を皮切りに、2015年11月 『 世界は愛を求めてる。~野宮真貴、渋谷系を歌う。~ 』、2016年8月 『 男と女 ~野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。 』、2017年5月 『 野宮真貴、ヴァカンス渋谷系を歌う。 』 とリリースしてきたシリーズの第5弾!

前作 『 …バカンス系 』 が夏向けだったのに対し、本作は冬の名曲スタンダードをカヴァー。とは言っても、全12トラックのうち半数(T-7~12.)はボーナストラック。ミニ・アルバムと呼んだ方がしっくりします。

T-2. 「 Winter's Tale ~冬物語~ 」 は高野寛、T-4. 「 おもて寒いよね Baby, It's Cold Outside 」 は横山剣、T-6. 「 冬がはじまるよ 」 は鈴木雅之とのコラボ。

そしてバカラックの数少ないのクリスマス・ソング、T-3. 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 は渡辺満里奈とのデュエットでカヴァー。日本のアーティストがこの曲をレコーディングしたのはこれが初めてでしょう。しかも、小西康陽氏による日本語詞で歌っています。

小西氏の訳詞に接して初めて、この曲の世界観を理解することができました。著作権の関係でそのまま載せるとマズいので、私なりに英語詞を超意訳したのがこちら↓。

クリスマスのベルが泣いている ジングルが鳴らないよ~って
サンタはすぐにその理由がわかった 鈴が入ってないからさ

わたしがクリスマスの贈り物をあげよう イヴには鳴るようになるとサンタは言った
そうしたら霜の妖精が涙を凍らせ それは鈴に変わった
壊れたベルは直り ジングルがずっと鳴り続けた


壊れたベルがサンタのおかげでジングルを鳴らせるようになった…というなんとも心温まるお話(歌詞)だったんですねー。

ところどころ満里奈さんがユニゾン/ハモリ/あるいは輪唱で絡んでくるのですが、真貴さんがヴォーカルを多重録音してるんじゃ?と思うほど真貴さんと満里奈さんの声質はよく似ています。男女2人によるバック・コーラスも含めて、ウキウキする大人のポップス…といった感じのアレンジもいいですねー。欲を言えば、同じアレンジで英語詞版も聴いてみたいです。ボーナストラックでいいから収録して欲しかったなぁ。


【データ】
『 野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。 』
野宮真貴

CD:2017年10月18日リリース
レーベル:ユニバーサル・ミュージック
番号:UICZ-4406

Produced by 坂口修
Arrangement & All Programming by Ryosuke Imai
Vocal, Chorus: 野宮真貴
Guest Vocal: 高野寛(T-2.), 渡辺満里奈(T-3.), 横山剣(M-4.), 鈴木雅之(T-6.)

"Les Romantiques"
  Organ, Keyboards, Percussion, Chorus: スパム春日井
  Piano, Organ, A.Guitar: 真藤敬利
  Bass: 石田純
  Drums: 平里修一
  Guitar: 末松一人

"Smooth Ace"
  Chorus: 重住ひろこ・岡村玄

Trumpet:佐々木史郎
Saxophone: 庵原良司

Acoustic Guitar: 古後敦史, 島周平

2017年10月15日 (日)

CALIFORNIA HERE I COME/Bill Evans (1982年)

ビル・エヴァンスの1967年ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ録音盤です。バカラック作品を1曲収録!

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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全15トラック中、バカラック作品は1トラック

11. ALFIE (5:12)


Img006sssジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスの1967年 NY ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ録音盤です。

ビル・エヴァンスは1929年ニュージャージー州生まれ。白人モダン・ピアノの最高峰と呼ばれました。彼は1980年に51歳で永眠したのですが、その直後から日米で追悼作のムーブメントが起こります。本アルバムはそれらの追悼作のひとつで、没後2年の1982年に米国でリリースされたものです。

エディ・ゴメス(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)とのピアノ・トリオ編成。全15曲で75分。LP2枚組でリリースされました。

先月、ビル・エヴァンスのアルバム 『 ANOTHER TIME 』 を取り上げた際にエヴァンスの 「 アルフィー 」 は三種類ある…と書きました。でも、自分が知らないだけでもしかしたら他にも録音が残ってるんじゃないか?と思いDiscogs 等で調べたところ、見つかる見つかるsign01 これまで紹介済みのバージョンを含めて九種類もsign03 こんなに有るとは思っていませんでしたcoldsweats01

聴いたことがない 「 アルフィー 」 六種類のうち、どれかCD買おうと思って本アルバムを選択。他は曲単体をMP3で入手した次第。

全九種類の 「 アルフィー 」 を表にまとめてみました。録音日順に、共演者、演奏時間、オリジナル・アルバム、ライヴorスタジオ録音、録音場所を記しています。ついでにアルバム・ジャケットも載せておきます。このうち、本アルバムは②でございます。

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1966年11月の ①~ 1974年1月の ⑨ まで計九種類、共通点は以下の通り。
・編成=ピアノ・トリオ
・録音=ライヴ録音
・演奏上の構成が同じ
・リードを取るのはエヴァンスのピアノだけ

演奏上の構成はすべて、前半(1コーラス目)バラード ⇒ 中盤(2コーラス目の最初~サビ手前まで)アドリヴ ⇒ 後半(2コーラス目のサビ~エンディング)またバラード というもの。

ただ、③~⑨に共通している “ 2コーラス目導入部の駆け上がるようなフレーズ ” と “ エンディング ” は、①・②と明確に異なります。

クルマに譬えると、③ でマイナーチェンジしたような感じ。また、①はまだ手探り状態なのかぼやっとした演奏なのですが、②では細かい表現に神経が行き届いていて輪郭がクッキリした印象です。①は量産前の試作車で、②で量産開始した…といったところでしょうか。

③~⑨は少なくともエヴァンスのピアノに関してはほぼ一緒。テンポの速い/遅い、アドリヴの違い、ベースやドラムスの演奏の違いなど、クルマに譬えるとグレードやオプションによる差ですかねー。 エヴァンスにとって 「 アルフィー 」 の完成形なんだと思います。そのなかでは、ドラムス・ベース共にピアノに寄り添ってる感がより感じられる③がオススメです。

最後に、過去に紹介したアルバムの記事をリンクしておきます。
『 ANOTHER TIME 』
『 MONTREUX Ⅱ 』
『 the magic of Burt Bacharach 』 … バカラック物コンピ集


【データ】
『 CALIFORNIA HERE I COME 』  (邦題:ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード・セッション'67)
Bill Evans

LP:1982年リリース (所有CDは、2016年6月29日リリースの日本盤)
レーベル:Verve (所有CDは、ユニバーサル・ミュージック)
番号:VE2-2545 (所有CDは、UCCU-5572)

Produced by Helen Keane
The Bill Evans Trio:
  Bill Evans, piano
  Eddie Gomez, bass
  "Philly" Joe Jones, drums
Recorded at The Village Vanguard
August 17,18, 1967.

2017年10月 8日 (日)

Lullaby Girl/Lisa Loeb (2017年)

米女性シンガーソングライターのリサ・ローブが一昨日リリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録! (CD無し/デジタル配信のみ)

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全13トラック中、バカラック作品は1トラック

11. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (2:56)


米女性シンガーソングライターのリサ・ローブが一昨日(2017年10月6日)リリースしたアルバムです。Amazon Music のデジタル配信のみで、Prime会員なら無料! 私は会員なのでラッキーでした(^^)。

リサ・ローブは1枚だけアルバム持ってます。1995年リリースの 『 TAILS 』 で、全米1位になった 「 STAY 」 が入ってるヤツです。彼女のことは全く知らなかったのですが、当時雑誌のレコード評を読んで買ったんじゃないかなぁ。あまりピンと来なかったので数回聴いただけですけど^^;。

さて本作。もともと子供向けの子守歌アルバムとして企画されたものの、レコーディングの過程で子供だけではなく大人向けのアルバムになると確信。子供にも大人にも聴いてもらえる、気持ちを和らげるララバイ/リラックス・ソング集として製作されたんだとか。

収録曲は 「 BE MY BABY 」、「 DREAM A LITTLE DREAM 」、「 TOMORROW 」 などカヴァーがメイン。オリジナルも2曲あるそうなんですがクレジットが無くてどれがそうなんだかわかりません。全体的にアコースティックで優しいサウンド。バックの演奏は、ピアノトリオ、アコギが中心の編成、ヴィブラフォンやグロッケンなどが入った子守歌仕様の編成など、曲によって変化を持たせています。

バカラック・カヴァーはT-11. 「 世界は愛を求めてる 」 。アコギ、ヴィブラフォン、グロッケン、ダブル・ベース、エレピ、鈴、時折女性のバック・コーラスも加わり、アルバムの中では賑やかめの演奏。♩≒110のテンポはオリジナルのジャッキー・デシャノン版(♩≒106)より心持ち速めでしょうか。リサ・ローブの歌唱はニュートラルでバックの演奏になじんでいます。聴いてるとほっこりしますね。個人的な好みでいえば、もう少し歌にメリハリつけたいところですが。

ここから、ちょいと時事ネタです。

前回シーラ・Eの記事で 「 世界は愛を求めてる 」 のカヴァーが最近多いと感じてる…と書きましたが、その直後の10月2日(現地時間10月1日の夜)に米ラスベガスで銃乱射事件が発生! 昨年(2016年)の米オーランド銃乱射事件の時の Broadway for Orlando ほどではないものの、事件後に Damon Elliott (デーモン・エリオット:ディオンヌ・ワーウィックの次男)A Las Vegas high school choir (ラスベガス高校合唱団) がこの曲を歌っています。また、Twitterでは 「 世界は愛を求めてる 」 の歌詞や動画を #PrayForLasVegas などのハッシュタグを添えてツイートする事例がたくさん見受けられました。

そして今回リサ・ローブが! でも、当然のことながらレコーディングはもっと前ですし、アルバムの趣旨からして政治的な意図は無いでしょうね~。


【データ】
『 Lullaby Girl 』
Lisa Loeb

MP3:2017年10月6日リリース
レーベル:Furious Rose Productions
番号:不明

クレジット不明 ^^;

2017年10月 1日 (日)

Iconic: Message 4 America/Sheila E. (2017年)

シーラ・Eが2017年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全15トラック中、バカラック作品は1トラック

15. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (4:46)


シーラ・Eが2017年9月にリリースしたカヴァー・アルバムです。

─  私の新しいアルバムIconicは、このような時代だからこそ製作されました。自分の国、そして皆さんのために貢献する責任があると私は信じているのです。私が知ってる最高の方法で。そう、音楽で。 ─


シーラ・E公式サイトでのアルバム紹介コメントを引用して紹介します。(翻訳ソフトで訳した文面を手直ししたもの)

─  このアルバムは、私たちが立ち上がり、私たちの自己利益以上の何かを立てるよう求めるものです。このアルバムでは、私が住んでいるこの混乱する時代に語りかけるために過去の素晴らしい音楽をカヴァーしました。アルバムの各曲は、最大の抗議と革命の歌の一部であり、今の時代にフィットするよう手を加えています。 ─

もともと2016年にダンス・アルバムを製作する予定だったそうですが、プリンスの死とトランプ大統領の誕生により方針転換。シーラ・Eの祖父はメキシコからの移民だそうで、トランプ大統領に怒ってる…とあるインタビューで語っています。政治的なメッセージを含んだ曲をカヴァーし、アメリカを団結させたいとの思いで本アルバムを制作したんだとか。最初は目障りに感じたジャケット写真のボーダー柄も星条旗の赤白ボーダーをオーバーレイしたものなんですねー、納得。

プリンスを始め、ビートルズ、ジェームス・ブラウン、スライ&ザ・ファミリー・ストーンなどのカヴァーを収録。そして、リンゴ・スターやフレッド・ストーン(スライ・ストーンの弟)、キャンディ・ダルファーなど錚々たるミュージシャンがゲスト参加しています。

全体的にはファンクだったりソウル/R&Bあたりのテイストに仕立てられています。冒頭いきなりT-1. 「 Funky National Anthem (ファンキーなアメリカ国歌) 」 からスタート。T-7. 「 James Brown Medley 」 もファンキーです。そうかと思えば、ビートルズのカヴァーT-8. 「 Blackbird 」 はピアノを中心としたアコースティックなサウンド。どこのジャズ・シンガーが歌ってるんだ?って思うほどの渋い歌いっぷりに目が点。ちなみに、「 Blackbird 」 が黒人女性の人権擁護や解放について歌ってるってこと、今回初めて知りました。

さて本題。バカラック・カヴァーはT-15. 「 世界は愛を求めてる 」 。ファンキーにやるんじゃ?という予想は外れてブルースっぽいジャズ・ワルツ仕立て。オルガン(たぶんハモンドでしょう)、ブラス、ギター、エレピのいずれの音色もブルージー。シーラ・Eの歌唱は歌い上げるわけではなく淡々としたもの。でも、バックの演奏にマッチしていてとってもいい感じ。派手さはありませんが好カヴァーだと思います。

アルバム全体を通して、ファンキーな曲もそうでない曲も通奏低音のようにシーラ・Eの思いや熱意が感じられます。ただ楽譜の音符をなぞるだけの音楽じゃない、彼女の強い意志が込められたアルバムでしたgood

それにしても、拙ブログでシーラ・Eを取り上げることになるなんて。1984年の 「 グラマラス・ライフ 」 のヒットはよく覚えています。当時私は二十歳で、人生の中で最も洋楽(ミーハーなヤツ)を聴いていた頃。パーカッションを叩きながら歌う彼女のMVを何度観たことか…。わからないもんですね~。

61vbggohsjl_sl1200_ここからはオマケです。MP3しか所有してないバカラック・カヴァーをご紹介。
昨年、米国で Broadway for Orlando が歌ったあたりから 「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (世界は愛を求めてる) 」 をカヴァーする例が目立つなぁ…と感じています。今年2月リリースの Andra Day もそうですし、この The Isley Brothers & Santana 版 (5:29) もそう。
サンタナとアイズレー・ブラザーズ、二つのグループがコラボしたアルバム 『 Power of Peace 』 (2017年8月リリース) の中の1曲。原曲は3拍子ですが4拍子のR&B(若干ゴスペルも入ってる?)にアレンジ。ロナルド・アイズレーの熱く粘っこいヴォーカルとカルロス・サンタナの泣きギターが絡まりあうパフォーマンスは一聴の価値ありです。

412bdv7nylその少し前に Dwight Trible (ドゥワイト・トリブル)もカヴァー (5:47) 。Dwight Trible with Matthew Halsall 名義のアルバム 『 Inspirations 』 (2017年6月リリース)に収録されてます。
ドゥワイト・トリブルはLAの男性ジャズ・シンガー。スピリチュアル・ジャズ方面の方らしいのですが、スピリチュアル・ジャズが何なのかよくわかりません^^;。タイトでハードなジャズ・ワルツのリズムでかなりメロディをフェイクして歌っています。Matthew Halsall (マシュー・ハルソール)のトランペットは野太い音色で音数少なめのアドリヴを披露。このカヴァーは個人的にあまり好みではありませんが、その熱意は伝わってきました。

やはりトランプ大統領に反抗するメッセージなのか…。しばらく注目していきたいと思います。


【データ】
『 Iconic: Message 4 America 』
Sheila E.

CD:2017年9月1日リリース
レーベル:StilettoFlats Music, inc.
番号:無し

Produced by Sheila E.
Executive Producers, Sheila E., Gilbert Davison
Arrangements: Sheila E. & The Sheila E. Band
The Band
  Sheila E. - lead & bg vocals, drums, percussion
  Wesley McVicker - drums, drum pad, percussion
  Raymond Mckinley - bass
  Mychael Gabriel - guitar, protools
  Bertron Curtis - keys, organ
  Lynn Mabry - lead & bg vocals, tambourine
  Eddie M - saxophone, lead & bg vocals
  Joel Behrman - trumpet, horn & string arrangements
  Jeanne Geiger - trombone
  Jaymes Silver - keyboard program, keys
Spesial Guests: Ringo Starr, George Clinton, Boosty Collins, Freddie Stone, Israel Houghton, Pete Escovedo, Angela Davis, Dolores Huerta, Candy Dulfer, etc.

Recordrd at Pacifique Studios, North Hollywood, CA
Blue 52 Lounge Studios, Tarzana, CA

2017年9月 6日 (水)

ANOTHER TIME/Bill Evans (2017年)

2017年にリリースされた、ビル・エヴァンス'68年モントルー・トリオの未発表ライヴ音源です。バカラック作品 「 アルフィー 」 を収録!

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全9トラック中、バカラック作品は1トラック

4. ALFIE  (5:29)


Img410obi_3Img413ff_4 2017年にリリースされた、ビル・エヴァンス'68年モントルー・トリオの未発表ライヴ音源です。

トリオのメンバーは、ビル・エヴァンス(ピアノ)、エディ・ゴメス(ベース)、ジャック・ディジョネット(ドラムス)。

このトリオの記録は、1968年6月15日に行われたモントルー・ジャズ・フェスティバルのライヴ録音盤 『 BILL EVANS At The Montreux Jazz Festival (モントルー・ジャズ・フェスティバルのビル・エヴァンス) 』 のみとされてきました。なので、このメンバーのことを前述のとおり “ モントルー・トリオ ” と呼ぶんだとか。ちなみに、演奏している写真はその時のものです。

ところが最近、モントルー・トリオの未発表音源が立て続けに発掘されまして。モントルーのライヴ録音からわずか5日後(1968年6月20日)にドイツのスタジオで録音された音源が2016年にリリース。その2日後(1968年6月22日)にオランダで収録されたライヴ音源が今年(2017年)リリースされた本アルバムでございます。

先日紹介したコンピ集 『 the magic of Burt Bacharach 』 にビル・エヴァンスの 「 アルフィー 」 (1972年録音) が入ってました。ビル・エヴァンスの 「 アルフィー 」 といえば 『 MONTREUX Ⅱ 』 (1970年録音) が有名ですが、どうも違うバージョンっぽいなぁとあちこち調べてる最中に本アルバムの存在を知りまして。おやっ、「 アルフィー 」 入ってるじゃん! ちょうどCD発売されるってんでAmazonで購入した次第です。

『 the magic of Burt Bacharach 』 と 『 MONTREUX Ⅱ 』 のトリオ・メンバーとはドラムスが違うので、どんな演奏なのかワクワクしながらT-4. 「 アルフィー 」 を再生。あれれ、構成が全く一緒だ! 前半バラード、中盤アドリブでちょっと派手に、後半またバラード、それにエンディングまで!

でも、じっくり聴くと本アルバムの 「 アルフィー 」 は 『 MONTREUX Ⅱ 』 よりも中盤の派手さが控えめです。というか、ジャック・ディジョネットのドラムスがエヴァンスのピアノに寄り添ってる感じ。エディ・ゴメスのベースにも似た印象を受けました。三種類あるエヴァンスの 「 アルフィー 」 の中では本アルバムが一番好きですね。

全体的にとても50年近く前とは思えないくらいクリアな録音で、選曲や演奏についてもネットでの評判は良いようです。「 アルフィー 」 目的でエヴァンスのアルバムを選ぶなら、本アルバムをお勧めします。

※ エヴァンスの 「 アルフィー 」 は、本作のバージョンを含めて九種類の演奏がレコード音源として残っています。詳しくは こちら をどうぞ。(2017/10/15 追記)



【データ】
『 ANOTHER TIME THE HILVERSUM CONCERT 』 (邦題:アナザー・タイム ザ・ヒルフェルスム・コンサート
Bill Evans with Eddie Gomez and Jack DeJohnette

LP/CD:2017年5月5日/8月25日リリース (所有CDは、2017年8月25日リリースの輸入盤日本語ブックレット付き仕様)
レーベル:Resonance Records(US) (所有CDは、King International Inc.)
番号:HCD-2031 (所有CDは、KKJ 1023)

Original recordings produced by Joop de Roo for NRU
  Bill Evans - piano
  Eddie Gomez - bass
  Jack DeJohnette - drums
Recorded at Netherlands Radio Union (NRU) VARA Studio 8 in Hilversum, Netherlands on June 22, 1968

Produced for release by Zev Feldman
Executive Producer: George Klabin

Japanese Booklet
Original Japanese Liner Notes: Kiyoshi Koyama 児山紀芳
Translation: Tamae Terai 寺井珠重 (Jazz Club OverSeas)
翻訳の寺井さん、クレジットにはローマ字しか載ってなかったのでネットで調べました。“ 珠重 ” さんの珠は真珠のこと=転じて美しいものの譬え。なので、美しいものが重なる意味になりますでしょうか。素敵なお名前ですねー。日本向けなら人名くらいはちゃんと日本語表記して欲しいです。

↓Amazon は普通の輸入盤をリンクしておきます。試聴できるので。

2017年8月27日 (日)

introducing.../The Four King Cousins (1969年)

従妹同士のガールズ・グループ、フォー・キング・カズンズが1969年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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所有のリイシューCD (紙ジャケット仕様:オリジナルLP盤を再現)

全11トラック中、バカラック作品は2トラック

1. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU (3:17)
3. WALK ON BY (3:01)


Img407obi_2従妹同士のガールズ・グループ、フォー・キング・カズンズが1969年にリリースしたアルバムです。

戦前から米国のジャズ / ミュージック・シーンで活躍していたキング・ファミリー。1965年1月からABCテレビで 『 キング・ファミリー・ショー 』 が始まり、ファミリー内グループのキング・シスターズを中心にその夫や子供たち(=キング・カズンズ)が出演して歌や踊りを繰り広げました。この中から生まれたのがフォー・キング・カズンズで、『 キング・ファミリー・ショー 』 に出演するキング・カズンズの中から選抜された女性4人組でございます。(以上、とっても詳しいライナーより超抜粋してご紹介)

なんやかやあって人気がでてきて彼女たちは初めてのアルバムをリリース。それが本アルバムです。それにしても上から目線で見下されてるような気になりませんか?このジャケット。それもそのはず、結成当時メンバーのうち3人は結婚していたのですが結婚相手はみな有名企業の経営者といったセレブ達だったんですねー。

ワタクシ、前回記事で紹介したバカラック物コンピ集 『 ~Alfie~ バート・バカラック・ラヴ・ソングブック 』 に入ってたフォー・キング・カズンズの 「 ウォーク・オン・バイ 」 を気に入っちゃいまして。収録元のアルバムを調べたところ、もう1曲バカラック・カヴァーがあることが判明。早速アマゾンでポチッとして入手したばかりでございます。

そのT-3. 「 ウォーク・オン・バイ 」 はポップでいてクール。ヤッパリいいですねー。

一方、T-1. 「 ディス・ガール 」 は期待が大きすぎたか今一つでしょうか。AメロとBメロを “ パッパー、パッパー ” と歌うイントロはいいなと思ったのですが…。ちゃんと歌い始めた1コーラス、何故かBメロをポルタメント(=ある音から別の音に移る際に、滑らかに徐々に音程を変えながら移る演奏技法)で歌うんですが、ここだけ浮いちゃってて意図不明。また、アウトロなしで唐突に曲が終わるというユニークなアレンジも、残念ながら不自然なだけで…。彼女達のコーラスもちょっと雑な感じで、全体的に勿体ないなーという印象です。

アルバム収録曲は全部で11曲。古い曲もありますが、聴く人の興味をそそるのはモンキーズやビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ロジャー・ニコルズなどの曲。アレンジがイマイチの曲もありますが、ビーチ・ボーイズのT-8. 「 GOD ONLY KNOWS(神のみぞ知る) 」 やロジャ・ニコ書下ろしのT-11. 「 I FELL(アイ・フェル) 」 あたりはアレンジとコーラスどちらも Good Job だと思います。


【データ】
『 introducing... 』
The Four King Cousins

LP:1969年1月1日リリース (所有CDは、2006年3月23日リイシューの日本盤。ライナーは土橋一夫氏、歌詞付き、訳詞付き)
レーベル:Capitol (所有CDは、東芝EMI)
番号:ST-2990 (所有CDは、TOCJ-66316)

Produced, Arranged and Conducted by Lex De Azevedo
Left to right on cover photo, the Four King Cousins are Tina, Cathy, Carolyn and Candy.

2017年7月 2日 (日)

THE APRIL FOOLS/O.S.T. (1969年)

1969年の米映画 『 幸せはパリで 』 のサントラです。バカラックが主題歌を提供!

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Original LP front cover/back cover

全16トラック中、バカラック作品は3トラック

A1. THE APRIL FOOLS  ~ Percy Faith, His Orchestra and Chorus ~ (3:02)
A2. THE PARTY AT GUNTHER'S (Dialogue)
A3. PETER'S PAD
A4.
TELEPHONE CALL TO THE WIFE AT HOME (Dialogue)
A5. LA LA LA  ~ Mongo Santamaria ~
A6.
MORE PARTY AT GUNTHER'S  (Dialogue)
A7. THE SAFARI CLUB (Music and Dialogue)
A8.
DO YOU DANCE (Dialogue)
A9. WAKE UP  ~ The Chambers Brothers ~

B1. SUGAR KITE  ~ California ~
B2. FLAME  ~ Robert John ~
B3. GIVE YOUR WOMAN WHAT SHE WANTS  ~ Taj Mahal ~
B4. I REMEMBER THE RAIN

B5. THE APRIL FOOLS (3:55)
B6. MINUET (Dialogue)
B7. REPRISE:THE APRIL FOOLS  ~ Percy Faith, His Orchestra and Chorus ~ (2:40)

収録時間約32分


1969年の米映画 『 幸せはパリで 』 のサントラです。

Img389aa_4Img389bb_3 この映画、今月(2017年6月)ようやく日本版がDVD化されました。パチパチ。いや嬉し。以前VHS版を一度だけレンタルして観たことがあるのですが、今回改めてDVDを観て内容を全く憶えていないことに愕然としました。ここまで何も憶えていないとは…coldsweats01

音楽はマーヴィン・ハムリッシュが担当。主題歌はバカラック&デイヴィッドの 「 THE APRIL FOOLS (エイプリル・フール) 」 。他にも、モンゴ・サンタマリア、チャンバー・ブラザーズ、タジ・マハールなどのアーティストの曲を取り上げています。ダイアログも5トラック収められていて、Dialogue のクレジットがないトラックも一部にダイアログが重なってたりします。ビデオのなかった当時、映画の雰囲気を伝える手段のひとつだったんでしょう。

主題歌は3トラック(T-A1,B5,B7.)収録! しかし、映画で用いられたディオンヌ・ワーウィック版はサントラには未収録。サントラはColumbia/ディオンヌはScepterとレーベルが異なり、契約上の問題かなにかで収められなかったのかな? 残念ですね。

ディオンヌ版の代わりに収められているのがパーシー・フェイス版(T-A1,B7.)。逆に、パーシー・フェイス版は映画では全く登場しません。サントラ用にレコーディングされたんですね。バカラックのアレンジだとこうはならないであろう流麗なストリングスとたっぷりエコーの効いたコーラス。十分パーシー・フェイスらしさが感じられます。リプライズのT-B7. には、エレベータの中でカトリーヌ・ドヌーヴがジャック・レモンをパリに誘う重要なシーンのダイアログが冒頭45秒間入ってます。

一方、T-B5. は、マーヴィン・ハムリッシュの仕事と思われるインスト版。メロディを吹くフリューゲルホーンの薄い感じはいかにもバカラックがアレンジ&プロデュースしたかのよう。1944年生まれのハムリッシュは当時25歳。映画の仕事は1968年からで 『 幸せはパリで 』 が3作目。まだ駆け出しなワケで、とにかくバカラック風味にしなくっちゃとか思ったんでしょう。このバージョンは、カエルから王子様に戻すためカトリーヌ・ドヌーヴがジャック・レモンにキスする、この映画で最もロマンティックな場面で流れます。

映画は、昇進したばかりのビジネスマンと社長夫人がパーティーで意気投合しパリへ駆け落ちするロマンティック・コメディ。そのパーティの中で、会場のBGMを担ってる生ピアノが 「 小さな願い 」 を弾き始めたとたん、突然女性がを歌いだすシーンがあります。楽しいシーンですが、歌いっぷりのそれはディオンヌ版ではなくてアレサ版なのがちと残念。会場にはピアノしかないのにドラムスやベースが聴こえるのはご愛敬coldsweats01

主題歌の 「 エイプリル・フール 」 は映画の中で計10回流れます(あるでお調べ)。
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キスしてダンス踊るシーンは本当にロマンティックな場面。その他、2人が絡むロマンティックな場面で多くこの曲が流れています。転調が多くみられるこの曲は、表には出ない心の揺れみたいなものを表現しているようにも感じられます。そして真打ちディオンヌ版。2回あるディオンヌ版が流れるシーンはどちらも情景と歌詞の見事なマッチングにため息が出ます。特に、手を取り見つめ合う2人を乗せたTWA機が飛び立つラスト・シーンは、歌詞がジーンと心に染み入ってきます。そう言えば、5月1日のムービープラス 『 この映画が観たい 』 でも、高橋幸宏さんが ─ 飛行機が飛び立っていくシーンでかかるのが 「 エイプリル・フール 」 の歌詞。ディオンヌ・ワーウィックのバージョンでしたけどね。それは、グッときましたね。 ─ と仰ってました。パリで幸せになってねと願わずにはいられません。

あぁ、自分もこんな大人のおとぎ話のような恋をしたいなぁ…と柄にもなく思ってしまったあるでおでした~。

㊟ THE APRIL FOOLS の邦題は、映画が 『 幸せはパリで 』 、主題歌が 「 エイプリル・フール 」 というのが一般的です。拙ブログもその通例に倣いました。


【データ】
『 THE APRIL FOOLS 』
O.S.T.

LP:1969年リリース
レーベル:Columbia
番号:OS 3340

Produced by Jack Gold
Arranged by Percy Faith (T-A1,B7.)
Arranged by Joe Scott (T-A5,B1,B2) (Brass Arrangement for T-A9.)
Arranged by Johnny Parker (T-A7.)
Arranged by Taj Mahal (T-B3.)
Selection From the Sound Track JACK LEMMON and CATHERINE DENEUVE in "THE APRIL FOOLS"
Title Music by Burt Bacharach and Lyrics by Hal David
Music by Marvin Hamlish

※ サントラは2007年にCD化されていたのですが、私は気づかず購入しそびれました。所有のLPは最近中古レコード屋さんでゲットしたものです。

2017年6月14日 (水)

A Matter of Style/Russell Thompkins, Jr. (2002年)

スタイリスティックスのリードとして活躍したラッセル・トンプキンスJr.が2002年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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全12トラック中、バカラック作品は2トラック

3. NOTHING IN THIS WORLD  (4:38)
10. THE APRIL FOOLS  (3:33)  ※

※ 本アルバムでの曲名表記: (APRIL FOOLS) TRUE LOVE HAS FOUND US


元スタイリスティックスのラッセル・トンプキンスJr.が2002年にリリースしたアルバムです。

ラッセル・トンプキンスJr.はスタイリスティックスのオリジナル・メンバー。5人組だったグループは1980年に2名脱退&1名新加入して4人組に、1985年にはその新加入メンバーも脱退して3人組となります。以前ご紹介したアルバム 『 LOVE TALK 』 (1991年)は3人組時代の作品です。ラッセル・トンプキンスJr.はグループのリード・シンガーをず~っと務めてきましたが2000年にグループを脱退。ソロで2002年にリリースしたのが本アルバムです。

彼のファルセット・ヴォイスは本アルバムでも健在! 1951年生まれですから本アルバムリリース時は50歳をちょっと超えたくらい。オヤッ、意外と若いじゃないですか。もっとお年を召されてるのかと思っていました…^^;。

アニタ・ベイカーのヒットで知られる T-1. 「 ノー・ワン・イン・ザ・ワールド 」 、ガーシュイン作のジャズ・スタンダード T-5. 「 エンブレイサブル・ユー 」 、スタイリスティックスのセルフ・カヴァー T-7. 「 PEOPLE MAKE THE WORLD GO ROUND (愛の世界) 」 などが収録された本アルバムは彼のセレクションによるカヴァー集の趣き。新曲もあるのかもしれませんが、私にはわかりません^^;。

んで、バカラック・カヴァーは2曲。T-3. 「 ナッシング・イン・ディス・ワールド 」 はエンゲルベルト・フンパーディンクがオリジナルで、2000年リリースのアルバム 『 At His Very Best 』 に収録されています。オリジナル同様スロー・バラード仕立てですが、リズムやバックが賑やかなのとバック・コーラスのお陰でゴージャス感があります。でも、トンプキンスのファルセット・ヴォイスは何となく軽い印象。フンパーディンク版のシンプルで渋い歌声のほうがこの曲には好ましく思いました。

もう1曲はT-10. 「 幸せはパリで(エイプリル・フール) 」 。こちらはシンプルなアレンジ。トンプキンスはメロディの一音一音を長く保って丁寧に歌っています。特徴的なのは、普通にオリジナルの歌詞を歌ったあとでサビ部の最後の歌詞を5回もリフレインしてる点。こんなのトンプキンス版だけです。だからでしょう、本アルバムではその5回リフレインする歌詞を曲名にしちゃってます。曲名を変えてしまうなんて!

オマケとして、バカラック作品ではありませんがバカラック~ディオンヌつながりでエピソードをひとつ。前述したT-1. 「 ノー・ワン・イン・ザ・ワールド 」 のオリジナルは実はディオンヌで1985年リリースの 『 FINDER OF LOST LOVES 』 に収録されているのですが、この曲についてトンプキンスは後年次のように語っています。 ─  多くの人はアニタ・ベイカーでこの曲を知ってるんだろうけど、僕はそれ以前からこの曲を歌ってたんだ。バカラックの曲といえばディオンヌだろ。僕はディオンヌのレコードを全て買っていてね。それでこの曲を知ったのさ。それからアニタ・ベイカーがこの歌で大ヒットを飛ばしたワケさ。ディオンヌの影響は、僕のバージョンにもあると思うょ。 ─  トンプキンスはバカラックの大ファンなんだそうで、こんなことも語っています。 ─  これからも、レコーディングする1枚1枚のアルバムには、少なくとも必ず1曲は “ バカラック・ソング ” をやるつもりなんだ。 ─


【データ】
『 A Matter of Style 』
Russell Thompkins, Jr.

CD:2002年9月24日リリース
レーベル:Forevermore Music & Records (US)
番号:FVR 4614-2

Produced by Christopher Biehler & Russell Thompkins Jr.
T-3. 「 NOTHING IN THIS WORLD 」
  Arrangement: C. Biehler & A. Calabrese
  Synth Programming & Keyboards: Andy Calabrese
  Background Vocal Arrangement: Russell Thompkins Jr. & C. Biehler
  Background Vocals: Russell Thompkins Jr., Grace Myers, Susan Trexler & Terri Gore
  Producer's dedication: to the person in each of our lives who we call "our best friend."
T-10. 「 (APRIL FOOLS) TRUE LOVE HAS FOUND US 」
  Arrangement: C. Biehler
  Synth Programming & Keyboards: Andy Calabrese
  Drums & Percussion: Steve Curry
  Background Vocals: Russell Thompkins Jr.

2017年5月10日 (水)

和ジャズ・プレイズ ポップス/V.A. (2012年)

昭和を彩った日本のジャズ・ミュージシャンによる、ポップス・スタンダードのカヴァー・コンピ盤です。バカラック・カヴァーを9曲も収録!

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全20トラック中、バカラック作品は9トラック

10. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ 杉本喜代志 ~ (3:09)
13. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ 宮沢昭 ~ (2:42)
14. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ 原信夫とシャープス&フラッツ ~ (2:56)
15. REACH OUT FOR ME  ~ 渡辺貞夫 ~ (2:59)
16. WALK ON BY  ~ 岡崎広志とスターゲイザース ~ (2:35)  FM
17. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ 見砂直照と東京キューバン・ボーイズ ~ (2:34)
18. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ 稲垣次郎とリズム・マシーン ~ (2:58)
19. THE LOOK OF LOVE  ~ 稲垣次郎とリズム・マシーン ~ (3:27)
20. ALFIE  ~ 岡崎広志とスターゲイザース ~ (3:12)

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記


Img375gg 昭和を彩った日本のジャズ・ミュージシャンによる、ポップス・スタンダードのカヴァー・コンピ盤です。

サイモン&ガーファンクル、カーペンターズ、そしてバカラックなどを中心に1960年代~1970年代初頭の洋楽ポップスのカヴァーを集めたもので、稲垣次郎、原信夫とシャープス&フラッツ、渡辺貞夫、猪俣猛など、昭和を彩ったジャズメンによる演奏がコンパイルされています。

全20曲のうち、なんと半数近くの9曲がバカラック作品! 以後、バカラック作品に絞って演奏アーティスト順に取り上げてご紹介します。なお、オリジナル・リリース時アルバムにリンク先があるものは、拙ブログの当該アルバム記事に飛びます。興味ありましたら参照ください。

杉本喜代志 : 日本ジャズ界の重要ギタリストの一人。T-10. 「 遥かなる影 」 はピアノトリオ+ギター、サックス、フルート、ストリングス等による演奏。カーペンターズ版をインストで再現したものでメロディは少しフェイクする程度。 ◎1971年 『 マイ・スイート・ロード 』 (XMS-10033)

宮沢昭 : 日本のモダン・ジャズ黎明期を担ったサックス/フルート奏者。T-13. 「 小さな願い 」 はバンド+フルートによる演奏。ディオンヌではなくバカラック版がベースで、基本フルートが主役。アウトロでのフルートのアドリヴは疾走感があってなかなか。 ◎1972年 『 ジャズ・フルート・メソード 』 (JDX-80)

原信夫とシャープス&フラッツ : 日本を代表するビッグ・バンド。T-14. 「 雨にぬれても 」 はAメロをオーボエが吹く変化球をみせるものの、全体的にはビッグ・バンドらしい演奏。 ◎1972年 『 レイ・アンド・バカラック・オン・ブラス 』 (JPS-5232)

渡辺貞夫
: この方は説明不要ですね。T-15. 「 リーチ・アウト 」 はサックス、ギター、ベース、ドラムスに8人のホーンが加わった12人編成。原曲に近いテンポ・リズムで、あまり特徴がないです。 ◎1969年 『 サダオ・プレイズ・バカラック・アンド・ビートルズ 』 (XMS-10010)

岡崎広志とスターゲイザース : 岡崎広志はサックス奏者とシンガーの両方をこなした才人で、スターゲイザースは演奏もこなすヴォーカル・グループ。T-16. 「 ウォーク・オン・バイ 」 は、ピアノ、ベース、ドラムスに、サックス、フルート、クラリネット、トランペットなどが加わった演奏の上に4人の男性ヴォーカルが乗っかってます。疾走感のあるアレンジで、ヴォーカルのノリも良いし中間部のピアノのアドリヴも熱いです。T-20. 「 アルフィー 」 はヴォーカルなし。基本サックスがメロディを吹きアドリヴも披露します。 ◎1969年 『 スターゲイザース・バカラックを歌う 』 (YS-10072)

見砂直照と東京キューバン・ボーイズ : 長きに渡ってラテン・ビッグ・バンドの王座に君臨。T-17. 「 サン・ホセへの道 」 はマンボ・アレンジ。トランペットとトロンボーンがバリバリ吹いて、聴いてて楽しいです。 ◎1970年 『 ヴィーナス/東京キューバン・ボーイズ・ニュー・マンボ・アルバム 』 (JDX-39)

稲垣次郎とリズム・マシーン : 日本のジャズ・ロック界を語るのに避けて通れないサックス奏者。T-18. 「 恋よさようなら 」 はサックスとギターの入ったクインテットに、ストリングスや金管が加わった編成で、歌謡曲或いはカントリーっぽい演奏。T-19. 「 恋のおもかげ 」 も同様の編成。ストリングスの不協和音で始まり途中で激しいリズムになるアヴァンギャルドな演奏です。 ◎1970年 『 サン・ホセへの道≪バート・バカラックの世界≫ 』 (JPS-5201)

これ、ジャズ? と言いたくなる演奏もあります。でも、ジャズにせよイージー・リスニング(ムード音楽?)にせよ、インスト物の勢いがあった当時の雰囲気がよく伝わってくるコンピレーションでした。


【データ】
『 和ジャズ・プレイズ ポップス 』 JAPANESE JAZZ PLAYS POPS
V.A.

CD:2012年10月10日リリース
レーベル:日本コロムビア
番号:COCB-54018

Selected & Compiled by 遠藤亮輔

2017年4月26日 (水)

1619 BROADWAY/Kurt Elling (2012年)

米男性ジャズ・シンガー、カート・エリングが2012年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全11トラック中、バカラック作品は1トラック

6. A HOUSE IS NOT A HOME (7:02)


米男性ジャズ・シンガー、カート・エリングが2012年にリリースしたアルバムです。

カートは1967年シカゴ生まれ。1995年にブルーノートと契約して6枚のアルバムをリリース。本アルバムは、2006年から在籍したコンコードにおける4作目です。アルバムタイトルの 『 1619 BROADWAY 』 とはニューヨークのブリル・ビルディングの所在地のこと。アルバムの副題 “ THE BRILL BUILDING PROJECT ” にあるように、ブリル・ビルディングのソングライター達に捧げられたアルバムだそうです。

本アルバムのリリース時は45歳くらいのはず。…なのに、ジャケ写がなんともシブ過ぎて。もっと年長の方かと思っちゃいましたょ。

曲目リストをみると、ジェリー・リーバー&マイク・ストーラー、バリー・マン&シンシア・ワイル、ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング、バート・バカラック&ハル・デイヴィッドといった、ブリル・ビルディングを代表するソングライターの作品が並んでいます。他に、デューク・エリントン、ポール・サイモン、サム・クックなどの曲も取り上げています。私が知らない曲の方が多いですけど^^;。

バカラック&デイヴィッド作品はT-6. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 。バックは、ピアノ、ベース、ドラムス、ギターのカルテット。元々は4拍子のバラード曲ですが、3拍子っぽくしたり4拍子に戻ったりとリズムは凝っていてゆったりしたなかにも緊張感が漂います。カートもかなりメロディを崩して歌っています。原曲のエッセンスはかなり薄れて、なんか聴いてて落ち着かないです^^;。本人はカッコイイと思って演ってるのかしらん。カートの歌声はバリトンで深く渋味があって、私的には好みなのですが。

T-1. 「 オン・ブロードウェイ 」 はR&B風コンテンポラリー・ジャズという感じなのに対し、ブルースのT-5. 「 I'M SATISFIED 」 なんかはストレートなバップ・スタイル。一方、キャロル・キングのT-8. 「 SO FAR AWAY 」 はバラードよろしく丁寧に歌ってますし、T-10. 「 AMERICAN TUNE 」 はピアノだけをバックにシンプルに歌っております。

選曲にしてもパフォーマンスにしても、振れ幅の大きなアルバムでした。


【データ】
『 1619 BROADWAY THE BRILL BUILDING PROJECT
Kurt Elling

CD:2012年9月25日リリース
レーベル:CONCORD JAZZ
番号:CJA-33959-02

Produced by Chris Dunn, Kurt Elling and Laurence Hobgood
Co-Produced by Darryl Pitt
Recorded May 3-5, 2012 by Chris Allen at Sear Sound, New York, NY
Musicians:
  Kurt Elling - voice
  John Mclean - guitar
  Laurence Hobgood - piano
  Clark Sommers - bass
  Kendrick Scott - drums, congas
T-6. 「 A HOUSE IS NOT A HOME 」
  Arranged by Laurence Hobgood

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