カテゴリー「シングル」の44件の記事

★シングル

2024年6月 2日 (日)

WHAT THE WORLD NEEDS NOW/José Calvário (1978年)

ポルトガルのピアニスト/ソングライター/指揮者、ホセ・カルヴァリオが1978年にリリースした12"シングルです。両面に亘ってバカラック・カヴァー8曲をディスコでメドレー!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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Original 12"single front cover/back cover
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 ↓ 12"シングル盤のレーベル面の表記
A.
WHAT THE WORLD NEEDS NOW
RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
DO YOU KNOW THE WAY TO ST. JOSE (← ST. は SAN JOSE の間違いですね…)
I SAY A LITTLE PRAYER
THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
B.
THE LOOK OF LOVE
CLOSE TO YOU
I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN

収録時間  A. 7:09, B. 4:29


ポルトガルのピアニスト/ソングライター/指揮者、ホセ・カルヴァリオが1978年にリリースした12"シングルです。

ホセ・カルヴァリオは1951年1月、ポルトガルのポルト生まれ(2009年6月没、享年58歳)。幼少の頃からピアノを習い、わずか10歳でポルト交響楽団と共演したそう。ポップソングの作曲、アニメのサントラのレコーディング、ポルトガルの多くのフェスティバルの指揮、1972年から1988年の間に5回ユーロビジョン・ソング・コンテストのポルトガル代表に作曲家・編曲家・指揮者として参加、1990年代にはオーケストラの指揮・レコーディング…など、ポルトガルで活躍した指揮者・編曲家でございます。↓ の写真はDiscogsからパクったものです、悪しからず。それにしてもジャケ写の女性は一体誰なんだ? サングラスは米国国旗を模したものでしょうし、左袖のワッペンは 1969-70 AMERICAN BOWLING CONGRESS LEAGUE CHA…(米ボウリング会議リーグチャ…)と書かれています…。謎だ🙄

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そんなホセ・カルヴァリオは1977年〜1979年にかけてディスコにハマっていたようで、1977年に『 The Best Disco In Sound 』というディスコのアルバムを、1979年にはヴィヴァルディの四季をディスコにアレンジしたアルバム『 A Love In Four Seasons 』をリリース。その流れの中で1978年…27歳の時にリリースしたのがこの12"シングル「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW 」でございます。

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ジャケットには「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW 」としか書かれていませんが、レーベル面には、A面で5曲、B面には3曲、バカラックカヴァー定番曲が書いてあります。トラック数はA面/B面ともに1トラックずつで、どちらの面もレコード盤内周までレコード溝が刻まれています( ↑ の画像をクリックして拡大すればわかると思います)。特にB面は4分半しか収録されてないのに…。12インチで45回転の場合11分程度は録音可能と言われているので、溝が広く余裕を持ってカッティングされてることが窺えます。だからと言ってカッティングレベルは決して大きくないんですけどね😅。

A面にレコード針を落とすと、いきなり聴こえるのはバスドラのアップテンポ(♩≒138)な4ビート。時折
アナログシンセのピコピコ効果音や女性コーラスのオカズが入り、34秒経ったところで女性が “ Do you know what the world needs now ” と囁きます。ココまでがイントロでして、37秒から A(1).「 世界は愛を求めている 」がスタートします。テンポは若干落ち着いて♩≒135となりますが、バスドラの4ビートはこのテンポのままB面ラストまで続いてます。メドレーの流れを表形式にまとめましたのでクリックしてご覧ください。
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Eギター、アナログシンセ、エレピ、ベース、ドラムス、ストリングスやブラス等によるバックトラックはまさしくディスコ調。女性ソロ、男性ソロ、2人のシンガー共歌いっぷりはファンキーで、それは男女コーラスも同様。A面最後の A(7).「 恋の面影 」はフェードアウト後、B(1).「 恋の面影 」にフェードインして続いてます。ですから、A〜B面が連続してトータル11分間半のメドレーになってるワケですね。ホセ・カルヴァリオはアレンジを担当したのかな? クレジットは何も書かれてないのでわかりません。それにしてもポルトガルで1978年にこんなバージョンがあったなんてっ⁉️

このシングルのタイトルになっている「 世界は愛を求めている 」は何度も出てきます。それから、A(1)〜(5).と同じ曲順で B(4)〜(8).でも短くメドレー。
アレンジ上では、テンポは同じままメロディを倍の長さでゆったり歌う手法を多用しているのが特徴的。B(3).「 恋よ、さようなら 」では4倍の長さで歌ったりもしています。メロディのフェイクも多彩ですし、聴いてて踊りたくなっちゃいますネ💃🕺。

この “ バカラック定番曲8曲のディスコメドレー ”、YouTubeにはどうやら上がってなさそうです。皆さんに聴いていただきたかったのに…、残念です。


【データ】
「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW 」
José Calvário

12"single:1978年リリース
レーベル:orfeu (Portugal)
番号:SS AT 1

クレジット全く不明

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2024年5月 5日 (日)

Papier Mâché/Pilar Tomas (1970年)

フランスの女性歌手、ピラール・トーマスが1970年にリリースしたシングルです。A面でバカラックの「 ペイパー・マシェ 」をカヴァー!

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しっかりした紙製ジャケットの表/裏

A. Papier Mâché (PAPER MACHE) (2:52)
B. La Golondrina (3:07)


フランスの女性歌手、ピラール・トーマスが1970年にリリースしたシングルです。
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ピラール・トーマスについては前回記事『 Pilar Tomas 』(1969年)をご覧ください。…と言っても、詳しい情報ではありませんが…😅。

彼女がカヴァーしたバカラック曲はA面の「 Papier Mâché 」。オリジナルはディオンヌ・ワーウィックの「 PAPER MACHE(ペイパー・マシェ)」で、1970年の4月リリースのアルバム『 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 』に収録、同年7月にシングルカット(全米43位)されました。ピラール・トーマスはこの曲をフランス語詞で歌っています。

paper mache を英和辞典で引いてみたのですが、見出し語にズバリそのものは載っておらず…

papier-mâché n. [U] 混凝紙[張り子細工用]; 張り子   ─adj. 1 混凝紙で作った 2 模造の; 欺まん的な [<F  chewed paper  <paiper paper +mâché chewed] (出典:旺文社英和中辞典©️1975、発音記号は省略)

語感から薄々感じてはいましたが、元々フランス語なんですねー。混凝紙とはパルプ、紙片、布片などと糊を混ぜたもの。“こんくりがみ”と読み、混凝はコンクリートを意味するんだそう。知らんかったー。Hal David が作詞した原曲の歌詞を読んでみましたが、張り子で作られた世界を歌っていて消費文明をチクリと皮肉ってる感じも受けます。

さて本題。ピラール・トーマスのカヴァーは、キー(歌い出しの音:F)とテンポ(♩≒130)いずれもディオンヌ版と同じ。曲全体の構成も同じだし、イントロのマリンバのリフ、アコギのリフ、サビ部分の歌唱ハモリ、トランペットのオブリガートなど主要なアレンジも同じ。所謂完コピってヤツですね(原曲にあるオカリナのオブリガートなど一部のオカズは省略されてますが)。ピラール・トーマスの歌唱はその特徴である細かいビブラートが曲にマッチしているようで、軽く歌っているディオンヌとどっこいどっこいと言ったところ。ただ、こうなると本家に勝るものはないんですよねー。

B面はドリーミーな曲ですが、彼女の細かいビブラートの歌声は曲にあまりマッチしてない気がします。

ここからはオマケ。MP3で所有している「 ペイパー・マシェ」のうち1970年にリリースされたカヴァーをご紹介!
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ピラール・トーマスと同じ1970年、Sylvia Vrethammar(シルヴィア・ヴレタマー)というスウェーデンの女性ポップ/ジャズ・シンガーが「 PAPER MACHE 」をスウェーデン語詞でカヴァーしています。2ndアルバム『 Sylvia 』に収録されていて、曲名は「 På En Öde Ö 」(2:54) 。どういう風に読むんでしょうか🤔。キーは同じでテンポは♩≒132とほんの少し速いだけ。オカリナのオブリガートもきっちり入ってて、アレンジはピラール・トーマス版以上に完コピです。シルヴィアの歌唱はディオンヌよりも骨太な印象を受けます。
他に1970年にリリースされた「 ペイパー・マシェ 」のカヴァーは、Peter Nieuwerf 版Sir Christopher Scott 版The Carmen Cavallaro Camp 版Floyd Cramer 版がありますが、いずれもインスト物でそれぞれ紹介ずみでございます。
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えぇい、ついでだ! シルヴィア・ヴレタマーの他のバカラック・カヴァーも紹介しちゃえ!
彼女は1969年にリリースした1stアルバム『 Tycker Om Dej 』で「 世界は愛を求めている 」と「 アルフィー 」の2曲をカヴァー。やはりスウェーデン語詞で歌っていて、曲名は「 Vad Världen Behöver Är Kärleken 」(3:36) と「 Alfie 」(2:53) 。どちらの曲も、豊穣なストリングスを軸にしたゆったりアレンジ。彼女の歌声はメリハリがあって上手いなぁと思います。
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もぅ一丁ついで!
シルヴィア・ヴレタマーは2019年にリリースしたジャズのアルバム『 Vortex 』で「 THE LOOK OF LOVE(恋の面影)」(3:28) をカヴァー。アルバムジャケットのお姿はとても50年経ったようには見えません。テンポの速いウォーキングベース&キレのあるピアノをバックに英語詞のまま歌っています。メリハリのある歌唱も変わっておらず素敵です。


【データ】
「 Papier Mâché 」/「 La Golondrina 」
Pilar Tomas

7"single:1970年リリース
レーベル:CBS (FR)
番号:5257

Orchestre, direction:Jean Claudric
A.「 Papier Mâché 」(French version of PAPER MACHE)

      B.Bacharach - E. Marnay - Hal David
B.「 La Golondrina 」
      Arranged By Jean Claudric - E. Marnay

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2023年12月24日 (日)

DON'T COUNT THE DAYS/Sandi & Salli (1968年)

米国の女性デュオ、Sandi & Salliが1968年にリリースしたシングルです。B面がバカラック超レア曲のカヴァーです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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B面

A. IN THIS FOR-THE-MOMENT WORLD (2:15)
B. DON'T COUNT THE DAYS (2:37)


米国の女性デュオ、Sandi & Salliが1968年にリリースしたシングルです。

Sandi & Salli(サンディ&サリー)は、Sandi Griffiths(サンディ・グリフィス:1946年8月1日LA生まれ)とSally Flynn(サリー・フリン:1946年7月23日オレゴン州オンタリオ生まれ)のガールデュオ。ユタ州にあるBrigham Young University(ブリガム・ヤング大学)でクラスメイトだった2人はコンビを組み、ビッグバンド・リーダーのLawrence Welk(ローレンス・ウェルク)がホストを務める米国のミュージカル・バラエティTV番組“ローレンス・ウェルク・ショー”(1951年〜1982年放送)に1968年1月から出演して一躍人気となります。1972年後半、サリーはソロキャリアを追求するためショーを去りデュオは解散。サンディはそのあと1980年までショーに出演を続けました。

Discogsによればサンディ&サリーはシングルを3枚リリース(1967年と68年にCapitolから2枚、1968年にRanwoodから1枚)。Ranwoodはローレンス・ウェルクと Dotレーベル社長のRandy Wood(ランディ・ウッド)が1968年に設立したレーベルなんですが、本シングルリリース時はRanwood設立前だったのかしらん。それともCapitolとの契約が残っていたのかな? まぁどっちでもいいかっ😄

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んで、本シングルのB面がバカラック超レア曲「 DON'T COUNT THE DAYS 」のカヴァーでございます。マリリン・マイケルズが1968年秋にリリースしたシングルがオリジナル(拙記事参照)。すぐにカヴァーしたってことになりますね。オリジナル(♩≒144)よりゆったり目のテンポ(♩≒124)でキーは半音低く、よく動くベースでウキウキ感を出しヴィブラフォンやオーボエのオブリガートでドリーミーな雰囲気を醸し出すアレンジはよく練られてると思います。2人は基本ユニゾンで歌っています。サビでハモってるのはバックコーラスではないかと…。決して歌唱力は高くはないのですが、そのフワッとした歌唱はアレンジによくマッチしてますねー。YouTubeにもアップされていますので要チェックです(ちなみに上の画像はその動画のサムネイルをスクショしたものです。サンディ<左>&サリー<右>)。

この曲は他にLisa Carroll(リサ・キャロル)が1969年7月にカヴァー(拙記事参照)。マリリン版がアイドル風、リサ版はポップス風、そしてサンディ&サリー版はドリーミー、私はいずれも好きです。が、それ以降カヴァーが無いんですょ〜。誰かこの曲をカヴァーしてくんない?…と思う2023年の年の瀬です。


【データ】
IN THIS FOR-THE-MOMENT WORLD/DON'T COUNT THE DAYS 」
Sandi & Salli

7"Single:1968年リリース
レーベル:Capitol (US)
番号:2089 (所有シングルは、P 2089 … プロモーションレコードは頭にPが付く)

Produced by Alexis de Azevedo
Arranged By Gene Page
A.「 IN THIS FOR-THE-MOMENT WORLD 」
    (Billy Page)
B.「 DON'T COUNT THE DAYS 」
    (B.Bacharach - H. David)

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2023年12月10日 (日)

DON'T COUNT THE DAYS/Lisa Carroll (1969年)

米国の女性歌手、リサ・キャロルが1969年に英CBSよりリリースしたシングル。B面が超レアなバカラック・カヴァーです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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B面

A. YOU MADE ME WHAT I AM (2:08)
B. DON'T COUNT THE DAYS (2:48)


米国の女性歌手、リサ・キャロルが1969年に英CBSよりリリースしたシングルです。

彼女は1930年、米ノースダコタ州生まれ。若い頃('50年代)はFay Morleyという名前で映画やテレビに出演。初めての映画出演はマリリン・モンロー主演の西部劇『 RIVER OF NO RETURN(帰らざる河)』(1954年) で、ダンスガールを演じたそう。ですがあまり成功を収めることはできず、英国に渡ってクルーズ船で歌ったりBBCの番組で3年間ホスト役をしたり英CBSで録音しています。同時期に彼女は名をLisa Carrollに変えており、本シングルはこの渡英時代のものかと。その後米国に戻った彼女はナイトクラブやラスベガスでパフォーマンス。70歳の頃と思われる映像がありましたのでYouTubeのリンクを貼っておきます。

Discogsにあった彼女の画像を拝借しました。モノクロですからねぇ…、いつ頃だろ?
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さてこのシングル、B面で超レアなバカラック曲「 DON'T COUNT THE DAYS 」をカヴァーしています(オリジナルはマリリン・マイケルズで1968年にシングルリリース)。軽快なテンポ(♩≒144)で元気良かったマリリン版と較べるとちょっと趣が違うようで…。テンポは落ち着きのある♩≒126、キーも長三度低く、少しばかり鼻にかかったリサの歌声はとても表情豊か。バックの演奏もマリリン版のコピーではなく、分厚いブラスによる合いの手、フルートのオブリガートなど一味加えたアレンジが光ってます。リサはこの時39歳。マリリン版がアイドル風、リサ版はポップス風と言ったら違いがわかりますでしょうか。

高低差のある歌いにくい音程のメロディ、Bメロで半音上がる転調、ユニークな楽節の数。これら原曲の持つバカラックらしさは健在で魅力的なのは変わりません。
聴いててクセになりますね〜この曲は。実は先日の『 NHK-FM一日バカラック三昧 』で私がリクエストした3曲のうち1曲はこの曲(マリリン版)だったんです。採用されませんでしたが…。
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このスリーヴもレーベル所属アーティストがプリントされていていいですねー。(レーベルはA面です)

この記事を書くためにリサのことを調べていたら面白い情報を発見。リサは結婚したことはないようですが、デートした男性はいらしたようで、なかでもバカラックさんとは特別な関係だったと…。

─ It seems she had a special relationship with songwriter Burt Bacharach, as attested by this funny quote:
“It was my first release. They presented the song to me and, for the b-side, anything written by Burt Bacharach would have to be a success, especially since his parents were my dearest friends. I think it sold well. That was a funny situation as [Burt’s parents] were always trying to fix me up with their son between his many marriages, but it never worked out. They wanted me for a daughter-in-law. Every time he got divorced, they would ring me and say, “Now’s the time!” But by then, I’d be off singing somewhere.” ─ (obscureactresses.wordpress.comより、PRIVATE LIFE のおしまいの辺り)

バカラックの両親はリサのお友達。両親はリサのことを気に入ってたようで、バカラックが離婚するたびにリサとを引っ付けさせようとしたとか(もちろんそれは叶わなかったのですが)。確かに1928年生まれのバカラックと1930年生まれのリサは年齢的に釣り合ってるけど。この話ホントかなぁ😅


【データ】



YOU MADE ME WHAT I AMDON'T COUNT THE DAYS 」
Lisa Carroll

7"Single:1969年7月25日リリース
レーベル:CBS (UK)
番号:4428

Arrange and Produced by Keith Mansfield
A.「 YOU MADE ME WHAT I AM 」
    (J. Trent / T. Hatch)
B. 「 DON'T COUNT THE DAYS 」
    (B. Bacharach)  注:なぜか作詞 Hal David の名はクレジットされていません。可哀相なハルさん…

U.K. Production
(P) 1969

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

 

2023年12月 3日 (日)

THE BELL THAT COULDN'T JINGLE/The Baby Dolls (1964年)

英国の姉妹デュオ、ベイビー・ドールズが1964年にリリースしたシングル。A面がバカラックの代表的なクリスマス・ソング「 THE BELL THAT COULDN'T JINGLE 」のカヴァーです。

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A. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:23)
B. WE'RE NO ANGELS (2:16)


バカラックさんが亡くなってから10ヶ月近く…。今年ももう12月、早いですねぇ。前から欲しかったシングルをやっと入手しました。それが
英国姉妹デュオのベイビー・ドールズが1964年にリリースしたこのシングル。A面がバカラックの代表的なクリスマス・ソング「 THE BELL THAT COULDN'T JINGLE 」のカヴァーです。

─ One - off sisters' duo comprised of Angela Maberley and Hillary Maberley, from London U.K. At the time of their single release they were 11 and 12 years old respectively. 英国ロンドン出身のアンジェラ・マーバリーとヒラリー・マーバリーからなる一度限りの姉妹デュオ。シングルリリース当時、彼女らはそれぞれ11歳と12歳でした。 ─ (Discogsより、機械訳です悪しからず)

あらまぁ、ベイビー・ドールズはこの曲だけの即席デュオだったのね。どんなお嬢さんだったんでしょう? …ということで、Shutterstockのリンク(こちら:このシングル盤を持ってニッコリ)と、Getty Imagesのリンク(こちら:フウセン割れそうで耳を塞いでる)を貼っておきます。どちらの画像もお揃いの服を着ておしゃまな雰囲気っすね。
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Shutterstockの画像には手元にスリーブも写ってます。当時から60年近く経ったこの色褪せ感がたまらんですなぁ。

「 THE BELL THAT COLDN'T JINGLE 」はポール・エヴァンスが1962年12月にリリースしたのがオリジナル。拙ブログで紹介した際(2017年12月24日の記事)、この曲のカヴァーをリリース順に並べてグルーピングしたのですが、このときは1964年リリースのボビー・ヴィントン版を最初のカヴァーとしていました。しかしベイビー・ドールズ版も1964年リリース。もしかしたらこちらの方が初めてのカヴァーだったのかもしれません(知らんけど)。

Aメロ9〜12小節で女性コーラスが歌う “ パンパパン、パパン ” のフレーズをそのままイントロに持ってきてるのはオリジナルのポール・エヴァンス版と違うところですが、この方が子供にとっては歌いやすいのかな? んで、歌唱は明らかに素人の子供のソレ。とても元気なのはいいんですが、勢い余って前につんのめってるところが所々あります。アウトロで笑い声が入ってるのは微笑ましくて私は好きなんですけどねー。どうせディレクターの指示であざといとは思うけど😅

どなたかがYouTubeに上げてますので興味があれば是非。


ここからはオマケです。ここ数年で知った
この曲の好カヴァーをいくつかご紹介。
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ロサンゼルスを拠点に活動する俳優、作家、ソングライター、レコーディング、ボイスアーティストのAshley Fox Lintonが、2020年リリースのアルバム『 Christmas Will Keep Us Warm 』で「 THE BELL THAT COULDN'T JINGLE 」(2:05)をカヴァー。ブライトな歌声にピアノやグロッケンをフィーチャーした軽快な伴奏も相まって、キラキラで楽しいカヴァーです。YouTubeに動画上がってます。
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ニューヨーク/ニュージャージー地域の主要なプロの金管楽器とパーカッション奏者からなるGramercy Brass Orchestra of NYが2022年のアルバム『 A Gramercy Brass Christmas 』にクリスマスソング4曲をメドレーした「 Christmas Celebration 」(7:40)を収録しているのですが、そのメドレーの最初の曲が「 THE BELL THAT COULCN'T JINGLE 」(約2分間)です。巧みなアレンジで、最初は柔らかく途中からウキウキするサウンドを展開しています。遙か昔にちょろっとトロンボーンを吹いた経験のある私がまた吹いてみたいと思った魅力的な演奏でした。レコメンドです。これもYouTubeに上がってますね。



【データ】
「 THE BELL THAT COULDN'T JINGLE 」/「 WE'RE NO ANGELS 」
The Baby Dolls with Geoff Love and His Orchestra

7"Single:1964年リリース
レーベル:Columbia (UK)
番号:DB 7432

Recording first published 1964
A.「 THE BELL THAT COULDN'T JINGLE 」
    (Bacharach - Kusik)
    BATON MUSIC LTD.
B.「 WE'RE NO ANGELS 」
    (Ponte - Johnson)
    PONTE-OATES MUSIC WESTSIDE MUSIC
MADE IN GT. BRITAIN

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し



2023年7月30日 (日)

OUR LOVELY DAYS/清野由美 (1982年)

1981年にデビューした女性シンガー、清野由美(せいの ゆみ)が1982年7月にリリースしたシングルです。当山ひとみのバカラック・ナンバー「 OUR LOVELY DAYS 」をカヴァー!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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Original 7"single front cover

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所有リイシューCDのジャケット表/ケース裏

全2トラック中、バカラック作品は1トラック

1. OUR LOVELY DAYS (3:48)
2. サマーホテル (3:57)


1981年にデビューした女性シンガー、清野由美(せいの ゆみ)が1982年7月にリリースした4thシングルです。

清野由美さんについて詳しいことはわかりません。  ─  音性多彩‼︎ ポップス、フュージョン、ジャズ……ジャンルを超えた多彩な個性が……いま、TAKE OFF! ─ これは1981年の1stアルバム『 U・TA・GE 』ジャケット帯のコピーですが、少なくともアイドルじゃなさそうですね。
今で言ったらシティポップ? 今月シングルやアルバムが日本コロムビアから配信開始されましたし、来月には一部LPが復刻されたり動きが活発な様子。これからもっと彼女の情報が出てくるかもしれません。

さて、本シングルのA面「 アワ・ラヴリー・デイズ 」は当山ひとみが歌ったバカラック楽曲のカヴァー。2人とも日本コロムビア所属で、しかも同じ1982年7月にシングルをリリースしてるんですねー。カヴァーというよりは競作になるのかな? ただし、当山版が英語詞なのに対して清野版は日本語詞。当山版は日立製作所のイメージ・ソングとしてTV-CMに使われました(個々の製品ではなく、企業イメージCMに使われたようですね。例えばこちら)。清野版のシングル・ジャケットの曲名の下にも小さく“日立イメージ・ソング”と書いてありますが、YouTubeを検索しても使われたCMは見当たらず…。当山版とも清野版とも異なるアレンジのインスト版「 アワ・ラヴリー・デイズ 」がFM番組『 日立ミュージック・イン 』のオープニングで使われた(例えばこちら)ことも併せて想像するに、日立イメージ・ソングを清野由美も歌ってみました…ということなんでしょうか…。
尚、当山版については拙ブログ記事のオマケで詳しく触れています。ご参考ください。
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さて、清野由美の「 アワ・ラヴリー・デイズ 」は、当山版のアレンジに似たシティ・ポップス。明確に違うのはイントロで、当山版の18小節に対して清野版は後半10小節をカットした8小節。それを除くと構成は一緒で、1コーラス目はAメロ-Aメロ-サビ-サビ、2コーラス目はAメロ-サビ-サビで、その後サビを繰り返しながらフェードアウト。テンポは♩≒120で当山版(♩≒112)より速めな一方、キーは当山版(Aメロ最初の音=G)より二度低く(同音=F)、全体的な軽快さは同等といったところ。本シングルB面の「 サマーホテル 」を聴く限り彼女の歌声はしっとり&透明感があって魅力的なんですが、この「 アワ・ラヴリー・デイズ 」では歌声にリバーブや音を揺らせるエフェクトを強く効かせてて…。エフェクト無しの歌声を聴きたかったです。

竜真知子さんの日本語詞は英語詞の訳ではないけれど大意は同じで、あなたと過ごした素敵な日々を思い出す…てな感じ。聴いてて全く違和感ありません。

林哲司さんのアレンジは80年代前半らしいエレピの音がいい感じ。因みに、林哲司さんは駆け出しの頃、アメリカに行ってバカラックさんが作曲した曲を現地でアレンジ、レコーディングしてくるという仕事をしたそうですが、それがこの曲だったと語っておられます。(日刊ゲンダイ 2023年5月29日の記事『 林哲司さん語る 今年2月に死去した音楽家バート・バカラックとの不思議な縁 』を参照方) ─ 本人に会うことはできなかったけど、バカラックの誰も聴いていない曲のアレンジを任された ─ とも書いとられます。レコーディングは当山版と清野版どちらが早かったんでしょうね。レコード番号は当山版の方が若いのでオリジナルは当山版になるんでしょうけど
…。

そういえば、歌詞カードの下の方に(Los Angeles 録音)と書いてありました。

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YuTubeに自動生成でUpされてましたので動画を置いておきます。


ついでに、リリース当時のものと思われるプロモーション動画?も。温泉宿の玄関にいる人たちは何なんだ?(笑)



【データ】
「 OUR LOVELY DAYS/サマーホテル
清野由美




7"Single:1982年7月21日リリース (所有リイシューCDは、2023年4月1日リリースのオンデマンドCD:MEG-CD)
レーベル:Blow Up / 日本コロムビア(JP) (所有リイシューCDは、JVCKENWOOD Victor Entertainment (JP))
番号:AH-236-A (所有リイシューCDは、VODL-37071)

T-1.「 OUR LOVELY DAYS 」
作詞:竜 真知子
作曲:Burt Bacharach
編曲:林 哲司
(Los Angeles 録音)

リンク先消滅したためリンク貼り直し(2024/1/13)
Amazonリンク(リイシューCD


2023年4月 2日 (日)

WHAT'S NEW PUSSYCAT?/The Bill Brown Singers (1967年)

ビル・ブラウン・シンガーズによる「 WHAT'S NEW PUSSYCAT? 」のカヴァー。小西康陽さん監修によるリイシュー7"シングルです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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所有リイシュー7"シングルのジャケット表/裏

A. THEME FROM 'CARNIVAL'  〜 Harry Getts With The Bill Brown Singers 〜  (2:14)
AA. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  〜 The Bill Brown Singers 〜  (1:51)


ビル・ブラウン・シンガーズによる「 WHAT'S NEW PUSSYCAT? 」のカヴァーです。レディメイド 未来の音楽シリーズ 7インチ編 第二シーズン※ – 11 として、2022年に他1曲とのカップリングで7"シングルリイシューされました。

※ 小西康陽さんのオールタイムDJクラシックを、本人の選曲・監修によるベスト・カップリング選曲で7インチカットして大好評だった【レディメイド 未来の音楽シリーズ 7インチ編】のセカンドシーズン。2022年4月より毎月1タイトルずつ発売(各500枚限定プレス)。


元々は、米国メインストリーム・レコードが1967年にリリースした『 Award Winning Original Motion Picture Sound Tracks And Themes 』(Mainstream Records – 56076)というタイトルの映画音楽集に収められていたもの。ジョニー・マンデル、モーリス・ジャール、ジェリー・ゴールドスミスのオーケストラ、と書いてありますが、実際の編曲者は不明です。このアルバム全11曲のうち8曲を歌っていたのがビル・ブラウン・シンガーズで、この「 WHAT'S NEW PUSSYCAT?(何かいいことないか子猫チャン)」はその1曲。ビル・ブラウン・シンガーズの素性はよくわからないのですが、元気の良い男女コーラスです。
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『 Award Winning Original Motion Picture Sound Tracks And Themes 』- Original LP front cover/back cover

監修の小西さんはシングルの解説でこうおっしゃてます。 ─ この「 何かいいことないか子猫チャン 」は埋もれていた宝石。 ─
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シングルに挿入されていた解説(名刺大のペラ)

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シングルのレーベル面(表面/裏面)。表面に両面(A面/AA面)の曲名等が印刷され、裏面はなぜか銀座のお肉屋さんの包み紙?が印刷されてます。なんじゃこりゃ?

閑話休題。聴いてみて、確かにこれは派手で楽しくおしゃれな "宝石" でした。こんな素晴らしいカヴァーを知ってるなんて!  さすがは小西さんです。実はこの曲、去る2023年3月24日(金)19時〜 YouTubeで配信された 爆クラ in DOMMUNE <第104夜> Presents バート・バカラック追悼記念番組「 世界は愛を求めている 」のDJタイムで小西さんが回してたレコードのうちのひとつ。私はそれでこのバージョンを知りまして、早速ゲットした次第。
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口で説明するのは難しいのですが、賑やかなオカズがたくさん散りばめられていて2分もかからない尺なのに聴き終わってお腹いっぱいになります。でもまた食べたく(聴きたく)なる料理(カヴァー)なんです。印象的なのはヴィブラフォンや男性コーラスが何度も展開する "2小節かけて駆け上がって駆け降りる" オブリガート。コレは中毒性があってクセになりますね〜、文句なしにレコメンドです。


【データ】
「 THEME FROM 'CARNIVAL' 」/「 WHAT'S NEW PUSSYCAT? 」
Harry Betts with The Bill Brown Singers / The Bill Brown Singers

7"シングル:2022年8月26日リリース
レーベル:Oldays Records (JP)
番号:ODREP45044

小西康陽 選曲・監修 レディメイド 未来の音楽シリーズ 7インチ編 第二シーズン – 11
design:SUGANO kazushige
remastered by NAGANO beat


--「 WHAT'S NEW PUSSYCAT? 」の Original --
『 Award Winning Original Motion Picture Sound Tracks And Themes 』
V.A.

LP:1967年リリース
レーベル:Mainstream Records (US)
番号:56076

Vocal Chorus:The Bill Brown Singers
Orchestras:Johnny Mandel, Maurice Jarre, Jerry Goldsmith

リンク先消滅したためリンク貼り直し(2024/1/14)
Amazonリンク(7"シングル


2022年4月 3日 (日)

MOON OVER WICHITA / HEARTBREAK STORMS/Burt Bacharach & Daniel Tashian (2022年)

バート・バカラックとダニエル・タシアンが2022年4月1日にリリースしたシングルです。2曲とも新曲!(デジタル配信のみ)

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. MOON OVER WICHITA (3:13)
2. HEARTBREAK STORMS (3:16)


出ましたねぇ〜。バート・バカラックとダニエル・タシアンが2022年4月1日にリリースしたシングルです。勿論新曲!

2人のコラボといえば、2020年リリースの5曲入りEP『 BLUE UMBRELLA 』、それに2曲追加して日本でリリースした『 BLUE UMBRELLA 【CD】』、更に2曲追加した2021年の『 BLUE UMBRELLA The Complete Recordings 』があります。

今回の2曲も、2人のソングライティング/プロデュースによるミディアムテンポの4拍子曲。殆どノンビブラートでストレートなタシアンの歌声も『 BLUE UMBRELLA 』シリーズと変わりませんが、これまで以上に曲に馴染んでるように感じます。以下簡単ですが曲ごとにコメントします。
※ 尚、各曲名のリンク先は YouTubeのMV です!

T-1.「 MOON OVER WICHITA 」(♩≒78)
とてもウォームでゆったりした聴き心地の良い曲。バカラック味がありつつ柔らかく美しいメロディライン、さりげない転調、シンプルなピアノの四つ刻み、エンディング前のオーボエの音色…。気品があります。バカラック&タシアンの作品の中で1番好きかもしれません。とはいえ、そらで歌おうとしても歌えないんですけどね、メロディ覚えられなくて…。この
1日で20回以上聴いたのに😅。

T-2.「 HEARTBREAK STORMS 」(♩≒96)
バカラック&タシアンの「 BLUE UMBRELLA 」あたりにテンポや曲調が似てる曲。でもメロディはイマイチかなぁ。あまり響かないんですよねぇ、なぜだろう…。まぁ好みの問題ですけどねぇ。

何はともあれ、この調子で2人のセカンドアルバムが世に出ることを願っています。


【データ】
「 MOON OVER WICHITA 」/「 HEARTBREAK STORMS 」
Burt Bacharach & Daniel Tashian

MP3:2022年4月1日リリース
レーベル:Big Yellow Dog Music (US)
番号:860890

Written & Produced by Burt Bacharach & Daniel Tashian
その他詳しいクレジットは不明
℗©️2022: Big Yellow Dog Music, a division of Big Yellow Dog, LLC.

Amazonのリンク

2022年1月30日 (日)

ALFIE/Everything But The Girl (1986年)

英国の男女デュオ、エヴリシング・バット・ザ・ガールが1986年にリリースしたシングル。B面でバカラックの「 アルフィー 」をカヴァーしています。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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B面

B. ALFIE (2:49)


英国の男女デュオ、エヴリシング・バット・ザ・ガール(以降EBTG)が1986年にリリースしたシングル。B面でバカラックの「 アルフィー 」をカヴァーしています。

─ それぞれチェリー・レッド・レコードから作品を発表しハル大学に在学していたマリン・ガールズのトレイシー・ソーンと、ベン・ワットの2人が、レーベル企画によって1982年に結成されたユニット。ネオ・アコースティックの代表的なバンドとして知られる。  ─(Wikiより)

私は、この頃のEBTGも含めてネオ・アコースティックとかこの辺りのジャンルは全く無知なのでこれ以上は触れません。

A面曲の「 DON'T LEAVE ME BEHIND 」はバンド+オケによるスウィング調のポップな曲で、1986年リリースの3rdアルバム『 Baby, The Stars Shine Bright 』にも収録されています。
…が、B面の「 アルフィー 」はシングルオンリー。後年3rdアルバムがCDリイシュー化された際にボーナストラックとして収められ、バカラック物コンピ集(日本編集の『 バート・バカラック・ソングブック/ワーナー・エディション 』、2013年リリース)にも収録されていますが、いずれも未所有のため7"シングルを中古で手に入れた次第。

その「 アルフィー 」はピアノ、ギター、オルガン、ドラムスによるシンプルなアレンジ。気を衒ったところのないカヴァーなんですが、トレイシー・ソーンのどこまでもノン・ヴィブラートな歌声はけっこう新鮮かも。決してうまいわけじゃないし単調と言えば単調なんですが、何か放っておけないというか…しばらくするとまた聴きたくなる歌声です。


【データ】
DON'T LEAVE ME BEHIND/ALFIE 」
Everything But The Girl

7"Single:1986年リリース
レーベル:Blanco Y Negro (UK) / (P)©️WEA Records
番号:NEG 23

B.「 ALFIE 」
  Produced by Ben Watt
  Engineered by Ian Grimble
  Tracey Thorn - Vocal
  他のミュージシャンは不明

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2021年11月 7日 (日)

DON'T COUNT THE DAYS/Marilyn Michaels (1968年)

米国のコメディアン/歌手/女優、マリリン・マイケルズが1968年にリリースしたシングル。B面がバカラックの新曲で、超レア曲です!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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B面

A. MacARTHUR PARK (2:39)
B. DON'T COUNT THE DAYS (2:20)


米国のコメディアン/歌手/女優、マリリン・マイケルズが1968年にリリースしたシングル。B面がバカラックの新曲で、超レア曲です!

マリリン・マイケルズは1943年、マンハッタン生まれ。1960年高校生の頃にレコードデビューし、エド・サリヴァン・ショーなど多くの舞台・TV番組に出演。コニー・フランシスやバーブラ・ストライザンドなどのモノマネが十八番だったようです(参考動画)。ブロードウェイ・ミュージカル『 Funny Girl 』はバーブラ・ストライザンドが主役でしたが、全国ツアーの際はマリリン・マイケルズが主役を演じたんだそう。歌も上手いしなんとなく顔も似てるし…。それって凄くない?
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彼女は1968年秋に「 MacARTHUR PARK(マッカーサー・パーク)」をカヴァーしてシングルをリリース。そのB面がバカラック&デイヴィッドが提供した新曲「 DON'T COUNT THE DAYS 」でした。…ちなみに、「 マッカーサー・パーク 」はリチャード・ハリスが歌って全米2位(1968年6月)になった曲ですが、その時の1位はハーブ・アルパートの「 THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU(ディス・ガイ)」でした。


話を戻します。「 DON'T COUNT THE DAYS 」は軽快なテンポ(♩≒144)のズンチャチャ8ビート曲。高低差のある歌いにくい音程のメロディ、Bメロでの転調、ユニークな楽節。変拍子こそ無いもののバカラックらしさ溢れる曲です。特に楽節は本当に変。1コーラスは基本A-Bという形式で20小節ありますが、Aは9小節(6小節+3小節)、Bは11小節(5小節+6小節)ですから…。変じゃないのはイントロ(4小節)くらいかなぁ…。

マリリン・マイケルズの歌声は元気良くハリがあり、アレンジも秀逸でバックのオケの演奏もキレがあります。私は好きですねぇ。YouTubeにアップされてますので興味ありましたら是非!
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レーベルの所属アーティストが印刷されたスリーブは味がありますね。(レーベルはA面です)

尚、1968年にSandi & Salliという女性デュオがカヴァーしています(拙記事参照)
。こちらもYouTubeにはアップされてまして、ドリーミーなアレンジがなかなか良いです。あと、1969年にはLisa Carrollという女性歌手がちょっと落ち着いた感じでカヴァー(拙記事参照)。ただ、残念ながらYouTubeには上がってないようです。※

※ 2023/12/10追記


【データ】

MacARTHUR PARK/DON'T COUNT THE DAYS 」
Marilyn Michaels

7"Single:1968年秋リリース
レーベル:ABC Records
番号:11098

Arranged & Conducted by Charlie Calello
A.「 MacARTHUR PARK

    Written by Jimmy Webb
B.「 DON'T COUNT THE DAYS 」

    Written by Burt Bacharach - Hal David

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

より以前の記事一覧

カテゴリー

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    ★バカラック・カヴァー曲が主体でBacharach をアルバムのタイトルやサブタイトルに入れているアルバム ★収録曲のうち半分以上がバカラック・カヴァーのアルバム ★複数アーティストによって新たにカヴァーしたアルバム ★複数アーティストによるトリビュートコンサートのライブアルバム
  • コンピレーションアルバム
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  • シングル
    ★シングル
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    ★新作主体/カヴァーアルバム/コンピ集を問わず、ディオンヌ名義のアルバム
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    京都在住のオーガニックシンガーソングライター、Yammy*(ヤミー)さんの公式サイトです。
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    バカラックさんをこよなく愛するまったりさんのブログです。バカラックファンとして大先輩でブログの師匠さんでもあります。
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