バート・バカラックのアルバム

2021年3月28日 (日)

BLUE UMBRELLA The Complete Recordings/Burt Bacharach and Daniel Tashian (2021年)

バート・バカラックとダニエル・タシアンが昨年(2020年)リリースしたアルバム『 BLUE UMBRELLA 』のコンプリート・レコーディング版です! 全9曲入り!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. TRAVELING LIGHT (5:18)
2. CAN'T GO WRONG (4:07)
3. BELLS OF ST. AUGUSTINE (3:29)
4. WHISTLING IN THE DARK (3:23)
5. BLUE UMBRELLA (4:19)
6. MIDNIGHT WATCH 4:08)
7. WE GO WAY BACK (3:16)
8. 21st CENTURY MAN (3:47)
9. QUIET PLACE (2:53)

収録時間約35分


バート・バカラックとダニエル・タシアンは、昨年(2020年)7月に配信限定でEP(ミニアルバム)『 BLUE UMBRELLA 』をリリースしました。この時は全5曲だったのですが、同年10月にボーナストラック2曲を追加して全7曲入り日本盤CD『 BLUE UMBRELLA 』をリリース。← 2人が共作した経緯等はリンク先(拙ブログ過去紹介記事)を参照ください。

そして今年(2021年)1月に今回ご紹介する『 BLUE UMBRELLA The Complete Recordings 』がリリースされました。更に2曲を追加収録した全9曲入りでございます。

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届いたCD現物は紙ジャケットにディスクが1枚入ってるだけの代物。紙切れ1枚すら入っていません。ディスクもどうやらCD-Rみたいだしレーベル面の印刷も粗くてチープ…。前述の日本盤CDのブックレットはライナーノーツやクレジット等充実していただけに、余計貧相に感じます。

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↑表の通り、今回追加収録されたのはT-1.「 TRAVELING LIGHT 」とT-2.「 CAN'T GO WRONG 」の2曲です。

以下、全9曲について簡単にコメントします。(T-3〜9.の7曲は過去記事より転載したものです、悪しからず)
※ 各曲名のリンク先はYouTubeのMV(2021/3/28時点で公式MVがアップされている曲のみ)

T-1.「 TRAVERING LIGHT 」(テンポ:♩≒90)
ミディアムテンポの淡々とした曲。Aメロ〜Bメロ部分はバカラックっぽさを感じる反面、4小節のフレーズを4回繰り返すサビのメロディはバカラックっぽくないなぁと思います。

T-2.「 CAN'T GO WRONG 」(♩≒55)
ゆったり&しみじみした曲調のバラード曲。メロディも含めてバカラック味は薄めかも。4ビートを刻むピアノと柔らかいストリングスが印象に残ります。

T-3.「 BELLS OF ST. AUGUSTINE 」(♩≒71)

5曲(最初にリリースされたT-3〜7)のうち最もテンポの遅いバラード曲で、A-B-A-B-ブリッジ-Bという構成。地味な印象の曲ですが、Bパートでのコード進行、ブリッジ〜Bパートに移る2小節の別世界感、Aメロ中のオクターヴの飛躍にバカラックを強く感じます。

T-4.「 WHISTLING IN THE DARK 」(♩≒85)
イントロ冒頭のシュールなピアノがとても印象的なメロディ・構成とも独特の曲。本編と関係ないストリングスによる緊張感ある30秒間のエンディングも独特。

T-5.「 BLUE UMBRELLA 」(♩≒97)
ほのぼのした曲調がアルバムの中では異色(笑)。飄々としたメロディラインや8小節という単位に収まらない小節数のフレージングにバカラックらしさが感じられます。

T-6.「 MIDNIGHT WATCH 」(♩≒96)
何かこねくり回して作られたように感じて、私にはピンと来ませんでした。

T-7.「 WE GO WAY BACK 」(♩≒80中心に揺れる)
装飾音に特徴があるバカラック爺のピアノをバックにタシアンが淡々と歌う美しい曲。間奏で時折ハーモニカがオブリガートを吹きますが、この曲はバカラック爺とタシアンのデュオと言っていいと思います。

T-8.「 21st CENTURY MAN 」(♩≒86)
タシアンと女性ヴォーカル(Jessie Baylin)が淡々と歌うミディアムテンポの4拍子曲。ストリングスと金管楽器だけになる約1分のエンディングにバカラックらしい響きを感じます。

T-9.「 QUIET PLACE 」(♩≒76)
バカラックらしいメロディが堪能できるバラード曲。特にイントロとエンディングのフリューゲルホーンはいかにもバカラック。タシアンの優しい歌声も心地よいです。

尚、『 BLUE UMBRELLA The Complete Recordings 』のデジタル配信版も3月24日にリリースされました。ただし、トラック順がCDとは違っています。ご留意くださいませ。


【データ】
『 BLUE UMBRELLA The Complete Recordings 』
Burt Bacharach & Daniel Tashian

CD:2021年1月29日リリース
レーベル:Big Yellow Dog Music (US)
番号:-

Written & Produced by Burt Bacharach and Daniel Tashian
Mixed by Ryan Hewitt
Mastered by Greg Calbi (Sterling Sound)
(c)(p) 2021 Big Yellow Dog Music, a division of Big Yellow Dog, LLC. All rights reserved.

↓ 左:CD、右:MP3

 

2020年10月28日 (水)

BLUE UMBRELLA/Burt Bacharach and Daniel Tashian【CD】 (2020年)

バカラック爺がダニエル・タシアンと共作した新曲を収めたデュオ名義のEP(ミニアルバム)です。 配信だけかと思っていたら、CDがボーナス・トラック入りでリリースされました!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. BELLS OF ST. AUGUSTINE (3:29)

2. WHISTLING IN THE DARK (3:23)
3. BLUE UMBRELLA (4:19)
4. MIDNIGHT WATCH (4:08)
5. WE GO WAY BACK (3:16)
6. 21st CENTURY MAN (3:47)
7. QUIET PLACE (2:53)

T-6,7. : ボーナス・トラック

収録時間約26分


EP『 BLUE UMBRELLA 』は5曲入りEPとしてYouTube及びサブスク等による配信のみで今年(2020年)7月31日にリリースされ、拙ブログでも8月に取り上げました。その記事を私はこう締め括ってます。 ─ 2人の共作曲は既にフルアルバムをリリースできるだけのストックがあるようで、コロナ禍が落ち着いた後のレコーディング&アルバムリリースを期待しましょう。 ─

ところがなんと! その後追加レコーディングされた2曲をボーナス・トラックとして収録した日本盤CDが今日(10月28日)リリースされたワケです。Amazonで予約して、発売日の前日に届きました!
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日本語のブックレットには、朝妻一郎氏による詳しい解説や全7曲の歌詞カードに加えて、バカラック爺とタシアンの対談まで掲載されています。クレジットもバッチリで、まさに至れり尽くせり!

解説を読んで初めて知ったのですが、今年1月にリリースされたバカラック爺とメロディ・フェデラーが共作した「 BRIDGES 」はタシアンがプロデュースしていたんですねー。改めて「 BRIDGES 」紹介記事を振り返ってみると確かにそう書いてます。今頃になってその事実に気付くとは、なんて鈍感なんでしょ私って…。

T-1〜5.の楽曲についてはデジタル配信版の記事で書いてますので、ここではボーナス・トラックの2曲についてのみ触れることとします。
※ 各曲名のリンク先はYouTubeのMV(2020/12/4に公式MVがアップされていたのでリンクを追加)

T-6.「 21st CENTURY MAN 」(テンポ:♩≒86)
タシアンと女性ヴォーカルが淡々と歌うミディアムテンポの4拍子曲。ストリングスと金管楽器だけになる約1分のエンディングにバカラックらしい響きを感じます。

T-7.「 QUIET PLACE 」(♩≒76)
バカラックらしいメロディが堪能できるバラード曲。特にイントロとエンディングのフリューゲルホーンはいかにもバカラック。タシアンの優しい歌声も心地よいです。

※ 2021/2/23 追加


【データ】

『 BLUE UMBRELLA 』
Burt Bacharach and Daniel Tashian

CD:2020年10月28日リリース
レーベル:Big Yellow Dog Music / Sony Music Labels Inc.(Japan)
番号:SICX 30088

Producers:Daniel Tashian and Burt Bacharach
Songwriters:Daniel Tashian and Burt Bacharach
Arrangement by Burt Bacharach (except T-5.)
String Arrangement by Jordan Lehning and Burt Bacharach (T-1〜4.)
Strings Conducted by Jordan Lehning (T-1,4.)
Conducted by Jordan Lehning (T-6,7.)
Musicians
  Burt Bacharach - Piano (T-3,5.)
  Daniel Tashian - Vocals,  Guitar (T-6.)
  Tim Lauer - Piano (T-1,2,4,6,7.),  Rhodes (T-3.)
  Fred Eltringham - Drums (T-1〜4,6,7.)
  Dennis Crouch - Bass
 (T-1〜4.)
  Lex Price - Bass (T-6.)
  Viktor Krauss - Bass (T-7.)
  Tom Bukovac - Electric Guitar (T-1,2,4.),  Martin Acoustic (T-3.),  Guitar (T-6.)
  Jordan Lehning - Celeste (T-1.)
  Steve Herman - Trumpet (T-3.)
  Jeff Bailey - Flugelhorn and Trumpet (T-6,7.)
  Jennifer Kummer - Horn in F (T-6,7.)
  Jim Hoke - Chromatic Harmonica (T-5.)
  Austin Hoke - Cello (T-1〜4,6,7.)
  Jonathan Yudkin - Violin (T-1〜4.)
  Alicia Enstrom - Violin (T-6,7.)
  Kristin Weber - Violin (T-6,7.)
  Betsy Lamb - Viola (T-6,7.)
  Jessie Baylin - Backing Vocals (T-1〜4.),  Vocals (T-6.)
  Sarah Buxton - Backing Vocals (T-1〜4.)

2020年8月16日 (日)

BLUE UMBRELLA/Burt Bacharach and Daniel Tashian (2020年)

バカラック爺がダニエル・タシアンと共作した新曲5曲を収めたデュオ名義のEP(ミニアルバム)です。YouTube及びサブスク等による配信のみのリリース。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. BELLS OF ST. AUGUSTINE (3:30)
2. WHISTLING IN THE DARK (3:23)
3. BLUE UMBRELLA (4:19)
4. MIDNIGHT WATCH (4:09)
5. WE GO WAY BACK (3:17)

収録時間約19分


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このところ更新をサボっておりました。

前回記事をアップしたのが2020年6月21日なので、約2ヶ月ぶりです。この間のトピックといえば、なんといってもバカラック爺とダニエル・タシアンとのコラボEPが7月31日にリリースされたことでしょう。
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ということで、ご紹介するのはバカラック爺がダニエル・タシアンと共作した新曲5曲を収めたデュオ名義のEP(ミニアルバム)でございます。当初はYouTube及びサブスク等による配信のみでしたが、約3ヶ月経った10月28日にボーナス・トラック2曲を加えてCD化されました! → こちら

タシアン(1974年コネチカット州生まれ)は、米テネシー州ナッシュビルを拠点に活動するシンガーソングライター/プロデューサー。音楽一家(両親はフォーク/ロック・デュオの Barry and Holly Tashian)に育ち、ソロ活動や他アーティストに曲を提供する傍らポップロックバンド The Silver Seas を率いるなどマルチに活動。最近では、2019年2月にグラミー賞の最優秀アルバム賞(アルバム・オブ・ザ・イヤー)を受賞したケイシー・マスグレイヴス(Kacey Musgraves)のアルバム『 Golden Hour 』をプロデュースしたことで注目を集めました。そして、バカラック爺もタシアンに注目したひとりだったんですね。

バカラック爺とタシアンは2019年グラミー受賞式の翌日にカリフォルニア州にあるバカラックの自宅で初めて会い、コラボレーションを開始。作曲は主にバカラック爺が、作詞は主にタシアンが担当していますが、互いに相手のアドヴァイスも取り入れて共作したそうです。

同年6月にナッシュビルのスタジオでレコーディング。バカラック爺がピアノを、タシアンはヴォーカルを担当。その他、ナッシュビルのスタジオミュージシャンたちがバックに加わりました。
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本作、ネットのニュース記事等では “バカラック 15年ぶりの新曲” という紹介をされていました。でも、それは誤り。
“バカラック 15年ぶりにアルバムをリリース” が正しい紹介かと。だって、ここ数年だけでもバカラック名義で新曲をリリースしていますから(基本誰かとのコラボ名義ですが、それは今回タシアンとのコラボも同じ)。
  2018年9月、シングル:「 LIVE TO SEE ANOTHER DAY 」/Burt Bacharach & Rudy Pérez
  2020年1月、シングル:「 BRIDGES 」/Melody Federer & Burt Bacharach
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5年の『 AT THIS TIME 』以来、自身名義では15年ぶりのアルバムですし…ネ。

EPの5曲はいずれもミディアムテンポの4拍子曲。タシアンのヴォーカルは若干だみ声ですが高い音も地声でこなし殆どノンビブラートでストレートな歌い方。意識してそう歌ってるのかな? 曲には馴染んでると思います。以下簡単ですが曲ごとにコメントします。
※ 各曲名のリンク先はYouTubeのMV

T-1.「 BELLS OF ST. AUGUSTINE 」(テンポ:♩≒71)
6月12日に先行してリリース。5曲のうち最もテンポの遅いバラード曲で、A-B-A-B-ブリッジ-Bという構成。地味な印象の曲ですが、Bパートでのコード進行、ブリッジ〜Bパートに移る2小節の別世界感、Aメロ中のオクターヴの飛躍にバカラックを強く感じます。

T-2.「 WHISTLING IN THE DARK 」(♩≒85)
イントロ冒頭のシュールなピアノがとても印象的なメロディ・構成とも独特の曲。本編と関係ないストリングスによる緊張感ある30秒間のエンディングも独特。

T-3.「 BLUE UMBRELLA 」(♩≒97)
ほのぼのした曲調がEPの中では異色(笑)。飄々としたメロディラインや8小節という単位に収まらない小節数のフレージングにバカラックらしさが感じられます。

T-4.「 MIDNIGHT WATCH 」(♩≒96)
7月10日に第2弾として先行リリース。何かこねくり回して作られたように感じて、私にはピンと来ませんでした。

T-5.「 WE GO WAY BACK 」(♩≒80中心に揺れる)
装飾音に特徴があるバカラック爺のピアノをバックにタシアンが淡々と歌う美しい曲。間奏で時折ハーモニカがオブリガートを吹きますが、この曲はバカラック爺とタシアンのデュオと言っていいと思います。

個人的なレコメンド曲は…T-3とT-5ですかね。2人の共作曲は既にフルアルバムをリリースできるだけのストックがあるようで、コロナ禍が落ち着いた後のレコーディング&アルバムリリースを期待しましょう。

※ < 2020/10/28 追記> このEPがCD化されました。しかもボーナス・トラック2曲を追加収録して! …ということで、CD版の記事は こちら


【データ】
『 BLUE UMBRELLA 』
Burt Bacharach and Daniel Tashian

MP3:2020年7月31日リリース
レーベル:Big Yellow Dog Music
番号:不明

Daniel Tashian(vocal)
Burt Bacharach(piano)
Dennis Crouch (bass)
Fred Eltringham (drums)
Tom Bukovac (guitar)
Jim Hoke (harmonica) ...他のミュージシャンは不明
Recorded at Nashville’s Sound Emporium Studios in June 2019

※ 日本のAmazonでの取り扱いは、「 BELLS OF ST. AUGUSTINE 」と「 WE GO WAY BACK 」のみ。EPとしては取り扱ってないようですねぇ。

2018年1月 2日 (火)

NIGHT SHIFT/O.S.T. (1982年) - 2回目

バカラックが音楽を担当した米映画 『 ラブ IN ニューヨーク 』 のサントラ盤です。やっとLPを入手しましたので再度記事にします。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全10トラック中、バカラック作品は6トラック

A1. NIGHT SHIFT  ~ Quarterflash ~  F
A2. STREET TALK  ~ Burt Bacharach ~
A3. GIRLS KNOW HOW  ~ Al Jarreau ~  M
A4. THE LOVE TOO GOOD TO LAST  ~ Pointer Sisters ~  F
A5. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR  ~ Rod Stewart ~  M
B1. SOMEDAY, SOMEWAY  ~ Marshall Crenshaw ~
B2. PENTHOUSE AND PAVEMENT  ~ Heaven 17 ~
B3. TALK TALK  ~ Talk Talk ~
B4. EVERLASTING LOVE  ~ Rufus & Chaka Khan ~

B5. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR  ~ Burt Bacharach ~
     (Night Shift Love Theme) (instrumental)

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約39分


今年(2018年)のブログ “ 書初め ” はこのアルバム! バカラックが音楽を担当した米映画 『 ラブ IN ニューヨーク 』 のサントラ盤です。

過去に一度(2016年6月)本アルバムを取り上げた時点では本アルバムを所有しておらず記事にするだけのネタがありませんでした。中古アナログ盤を入手したらあらためて取り上げると書いて一年半、念願の中古アナログ盤(LP)を Discogs のマーケットプレイスでゲット。ドイツのお店に注文したのでUS盤ではなくドイツ盤でしたけれど、ちゃんと手元に届いてホッとしました。…ということで、再度記事にする次第です。

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1981年の映画 『 ミスター・アーサー 』 から1年後、バート・バカラック&キャロル・ベイヤー・セイガーのチーム(1982年3月に二人は結婚しました)はまたもや映画の音楽を担当します。

─  ロン・ハワード監督が贈るラブ・コメディ。 ニューヨークの死体置き場の夜勤として働くチャック(ヘンリー・ウィンクラー)と助手のビル(マイケル・キートン)は、ベリンダ(シェリー・ロング)たちコールガールにヒモがいないため商売がうまくいかないのを知って、彼らの事務所と車を提供することでヒモになることを考えた。取り引きは成立、商売は順調に進んだが、チャックがベリンダにほれてしまったり、暗黒街の連中にばれたりで大騒ぎに! ─ (映画DVDパッケージのあらすじより)

あらすじのとおり、今度の映画 『 NIGHT SHIFT 』 もコメディ。1982年7月にアメリカで封切られ、日本では1年以上経った1983年11月に 『 ラブ IN ニューヨーク 』 というタイトルで公開されました。気弱なチャックの言動には感情移入したり応援したりで(私も気弱な性格なんですぅ)…、映画の中身について語りたいことは色々ありますがここまでにしておきます。

映画のエンドクレジットに表示されてる曲は13曲。それらの曲が使われた場面とサントラ盤のトラックを表にまとめました。
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①~③はそれぞれオープニングクレジット/劇中/エンドクレジットのBGM(いわゆる挿入歌)として使われています。いずれもこの映画のために用意された曲です。レコード・ジャケットでも ORIGINAL SONGS PERFORMED BY ~ とアピールしています。

一方、④~⑬はそれぞれの場面(お店や会場など)で流れていた音楽。既成曲を使ったものと思われます。

サントラ盤収録曲は全10曲。作者やプロデュースも含め表にしてみました。バカラック作品以外は割愛してます、悪しからず。
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A1. 「 ナイト・シフト 」 はロック調の曲。歌ってるのは米ロック・グループのクォーターフラッシュ。1980年の結成で、紅一点のRindy Ross(リード・ヴォーカル、サックス)とMarv Ross(ギター)の夫婦を中心とした6人組。Marvはソングライティングでも参加しています。作詞はよくわかりませんが、作曲は明らかにバカラック以外の血が入ってますよね。プロデュースしたJohn Baylanについては全くわからず。途中一部編集されていますがサントラのバージョンがオープニングクレジットのBGMに使われています。本アルバムからの唯一のシングルとしてリリースされ、全米60位の小ヒットになりました。
また、この曲のメロディがチャックが出勤や帰宅するシーンのBGM(いわゆるスコア)で3度流れます。全て異なるアレンジのインストで、ロック調ではなくフュージョンタッチ。風采の上がらないチャックをどこかイジってるようにも聴こえます。これらインスト版はサントラ未収録です。

A2. 「 ストリート・トーク 」 はクールなフュージョン・タッチのインスト曲。バカラック&キャロルの作品ですが、歌詞はありません。もしかしたら歌詞も一緒に考えたのかもしれませんが…。プロデュースはバカラックとBruce Swedien。このお方、エンドクレジットに Music Score Engineer という肩書で出ているのですが、グラミーを5回受賞したエンジニアだそうです。映画ではサントラのバージョンは使われていません。しかし、映画冒頭でヒモが暗黒街の連中に追われるシークエンスでスローなテンポ&タイトなリズムのバージョンが流れます(いわゆるスコア)。サントラのバージョンはアルバム用にあとで録音したのでしょう。

A3. 「 ガールズ・ノウ・ハウ 」 は軽快なAOR。歌ってるのは皆さんご存知アル・ジャロウ。昨年(2017年)亡くなったのは記憶に新しいところです。バカラック夫妻とデヴィッド・フォスターによる共作なんですが、バカラック風味は殆ど感じらずメロディ・ラインにせよコード進行(特にサビ最後の1小節のコード展開)にせよデヴィッド・フォスターの色が濃い曲だと思います。加えてプロデュースはデヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンのコンビ。アル・ジャロウはジェイ・グレイドンのプロデュースで1981年に 『 BBREAKIN' AWAY 』 、1983年に 『 JARREAU 』 という傑作アルバムをリリースしています。この2枚は私も大好きなのですが、「 ガールズ・ノウ・ハウ 」 はよりポップな 『 JARREAU 』 との近似性を感じます。映画ではチャック&ビル社の商売が順調に進んでいるシークエンスのBGMとして、1コーラス目Aメロ2回目の頭から使われています。

A4. 「 幸せすぎて 」 は書下ろしではなく、ポインター・シスターズの1980年のアルバム 『 SPECIAL THINGS 』に収録されている曲そのものです。曲についてはそのアルバムの記事を参照ください。映画の中ではナイトクラブの店内で流れていました。既成曲ですがバカラック作品だったためLPのA面に持ってきたのでは?と思われます。

A5. 「 愛のハーモニー 」
はロッド・スチュアートが歌うバラード。のちにディオンヌ&フレンズが歌って全米1位となったのは皆さんご承知の通り(ただし2番の歌詞が幾分異なるようです)。Aメロの出だし、小節の頭からではなくアウフタクト(弱起)で始めたいとバカラックが主張してキャロルが歌詞をつけ足した話はバカラック自伝にも書いてあって有名ですね。
個人的には、Aメロのコード進行にバカラックらしさを感じます。以下はキーをCとした場合のAメロのコードです。

(in C) C - Em7 - Am7│Dm7│Bm7(♭5) - E7sus4 - E7│Am7│F - Dm7onG

1小節目のEm7やAm7(Ⅰの代理コード)、2小節目のDm7(Ⅳの代理コード)がメロディと絡み合ってなんともいえないロマンチックなムードになり、3小節目頭のBm7(♭5)から4小節目にかけて響きが変わって(短調になってる?)心がざわつき、5小節目のFで正気に戻る。そんな印象を受けます。4小節目が変拍子(2拍子)になってるのもいかにもバカラックって感じですよね。

プロデュースはロッド・スチュアートなんですが、バカラック夫妻は曲の仕上がりに不満だったそうです。何に不満だったのかはよくわかりませんが、全体にくぐもった音質とロッドの気持ちが入ってないような歌い方は私が聴いてもイマイチですねー。映画ではエンドクレジットのBGMとして使われました。

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インスト版の B5. 「 愛のハーモニー 」 はバカラック名義。愛のテーマという副題が付いているように、映画の中でチャックとベリンダが2人きり(チャック1人だったりビルも含めた3人の場面もありますが)のシーンで計7度流れます。いわゆるスコアで、場面に応じて様々な楽器(ギターだったりシンセだったりオーボエだったりピアノだったり)がメロディを奏でます。ただし、A2. と同様サントラのバージョンはアルバム用にあとで録音したもののようでアレンジが異なります。プロデュースもA2. と同様にバカラックとBruce Swedienです。


ここからはオマケ。
拙ブログにお越しの方ならすでにご存じかとは思いますが、本アルバム全10曲を聴けるサイトがあります。 リンクは → こちら


【データ】
『 NIGHT SHIFT 』 (邦題:ラブ IN ニューヨーク)
O.S.T.

LP:1982年7月リリース (所有LPは、1982年リリースのドイツ盤)
レーベル:Warner Bros. Records (所有LPも同じ)
番号:23702-1 (所有LPは、WB K 57 024)

Executive Producers: Carole Bayer Sager and Stephen Paley
Music and Lyrics by Burt Bacharach and Carole Bayer Sager*
* With additional music & lyrics by Marv Ross and David Foster
各曲の作者及びプロデューサーは前述の表を参照方。

↓AmazonではLPの取り扱いはありません。代わりに、映画DVDのリンクを貼っておきます。

 

2017年5月28日 (日)

A&M New Gold Series BURT BACHARACH (1990年)

A&Mレーベルからリリースされたバート・バカラック自演物のベスト盤です!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
2. THE LOOK OF LOVE
3. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  F
4. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
5. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
6. ALFIE
7. REACH OUT FOR ME
8. PROMISES, PROMISES
9. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
10. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
11. MAKE IT EASY ON YOURSELF  M (ボーカルはバカラック自身)
12. I SAY A LITTLE PRAYER
13. THE APRIL FOOLS
14. BOND STREET
15. ANY DAY NOW
16. PACIFIC COAST HIGHWAY
17. A HOUSE IS NOT A HOME  M (ボーカルはバカラック自身)
18. ONE LESS BELL TO ANSWER  F
19. WIVES AND LOVERS
20. LIVING TOGETHER, GROWING TOGETHER  FM
21. KNOWING WHEN TO LEAVE

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約70分


─  A&M時代に残されたバート・バカラックのアルバムから代表曲21曲を選び、日本独自に編集したベスト、いわばバカラック音楽の軌跡ともいえるものである。 ─ (ライナーノーツより)

前回記事(ディオンヌのベスト盤)に続いて、今回はバカラック自演物のベスト盤をご紹介します。バート・バカラックがA&Mレーベルとアーティスト契約を結んで最初にアルバムをリリースしたのが1967年。以降、他人に提供した曲のセルフ・カヴァーを中心として1979年までにA&Mからアルバムを計8作リリースしました。ちなみに、3作目は映画 『 明日に向って撃て! 』 のサントラで、5作目は当初日本と英国でしかリリースされなかったライヴ盤です。(各アルバムは拙ブログの紹介記事にリンク)

'67/10 『 REACH OUT 』  T-2,5,6,7,12,14,17. <7曲>
'69/ 6 『 MAKE IT EASY ON YOURSELF 』  T-3,4,8,9,11,15,16,21. <8曲>
'69/11 『 BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID 』  T-1. <1曲>
'71/ 6 『 BURT BACHARACH 』  T-10,13,18,19. <4曲>
'71/ 8 『 LIVE IN JAPAN 』
'73/12 『 LIVING TOGETHER 』  T-20. <1曲>
'77/ 4 『 FUTURES 』
'79/ 6 『 WOMAN 』

本アルバムの収録曲がどのアルバムからチョイスされてるかを付記しましたが、見ての通り21曲のうち7割に当たる15曲が最初の2作からセレクトされています。ま、妥当なセレクションでしょうね。なお、T-1. 「 雨にぬれても 」 はB.J.トーマス版ではなくインスト版の方です。

前回記事にも書きましたが、私がバカラック関連のCDを蒐集し始めたのが1993年。その頃はレコード屋さんに “ バカラック ” のインデックスはなく、“ B ” のインデックスにも本アルバムはなかなか置いてなかったように記憶しています。今の状況を考えると隔世の感がありますねー。

レコード屋さんで本アルバムを発見した時は嬉しかったなぁ。CD買って家で聴いた時はイメージと違っていて “ あれっ? ” って思いましたけど。てっきりバカラック物のコンピ盤だとばかり思ってましたからネ。まさかバカラックがセルフ・カヴァーしてたなんてっ!? そりゃ、ディオンヌ版に近いT-4. 「 サン・ホセへの道 」 、T-9. 「 ディス・ガイ 」 、T-13. 「 幸せはパリで(エイプリル・フールズ) 」 、それに吹奏楽版で知っていたT-14. 「 ボンド・ストリート 」 あたりはまだイメージから大きく外れてませんでしたょ。でも、カーペンターズで知ってたT-10. 「 遥かなる影 」 は “ なんやこのリズム⁉ ” 、T -16. 「 パシフィック・コースト・ハイウェイ 」 やT-20. 「 リヴィング・トゥゲザー、グローイング・トゥゲザー 」 なんかは “ これってヒットしたの? ” 、極めつけは “ げっ!?、バカラックって歌うの? ” (笑)。

ついでに言えば、本アルバムの邦題 『 グレイテスト・ヒッツ 』 もちょっと違うんじゃないかと。収録曲の中でヒットしたのはT-3. 「 恋よさようなら 」(1969年/全米93位)くらいですからね、“ バカラック名義 ” という意味では。『 バカラック・ベスト 』 なら文句ないんですけどねー。

本アルバムは同じジャケット・デザインのまま何度も再発されています。ただし、タイトルは1996年から 『 アルフィー~グレイテスト・ヒッツ 』 に。理由は1996年秋クールのTBSドラマ 『 協奏曲 』ヴァネッサ・ウィリアムスが歌う 「 アルフィー 」 が主題歌となり、ヒットしたからでしょう。拙ブログもそれくらい影響力があればいつかアルバム・タイトル変わるかなぁ?(苦笑)。


ここからはオマケです。
Discogsサイトを参考にして、1993年までにA&Mレーベルからリリースされたバカラック・ベスト盤をいくつかピックアップして時系列に並べてみました。
①LP:1971年 『 PORTRAIT IN MUSIC 』
  A&M (UK) AMLS 2010 / キングレコード GP-201, 全14曲
  Portrait_in_music
②LP:1971年 『 Golden Double Deluxe 』
  A&M / キングレコード AMW 19-20, 全22曲(2枚組)
  Double_deluxe
③LP:1971年 『 The Best Burt Bacharach 』
  A&M / キングレコード GO-6, 全8曲
  ※ 1,000円シリーズの1枚。帯の “ ヤングの君にこのチャンス! ” に時代を感じます
  The_best_bb
④LP:
1972年 『 Seldom in Burt Bacharach 』
  A&M / キングレコード NAX-004, 全12曲
  Bb
⑤LP:1973年 『 Burt Bacharach's Greatest Hits 』
  A&M (US) SP-3661, 全12曲
  ※ 本アルバムはCDでも再発されてます
  Bbs_greatest_hits
⑥LP:1976年 『 The Very Best Of Burt Bacharach 』
  A&M / キングレコード LAX-5010, 全12曲
  Very_best_bb
⑦LP:1979年 『 Sounds Capsule Series Burt Bacharach 』
  A&M / ALFA Records AMP-10007, 全14曲
  B00006655
ここからCD時代へ
⑧CD:1986年 『 A&M Gold Series BURT BACHARACH 』
  A&M / Canyon Records D32Y3053, 全14曲
  ※「 雨にぬれても 」 はインスト版ではなくB.J.トーマス版らしい
  Am_gold_series_bb
⑨CD:1987年 『 A&M Records 25th Anniversary Classics Volume 23 』
  日本盤は 『 A&M Records 25th Anniversary Classics Volume 8 』
  A&M (US) CD 2521 / Canyon Records D32Y3508, 全19曲
  Classics_23 Classics_8
⑩CD:1991年 『 A&M Gold Series BURT BACHARACH 』
  A&M (Germany) 397072-2, 曲数不明
  ※ ジャケ写は本アルバムと同じなのに、New が付かない Gold Series という不思議
  Golden_series

曲名を確認できた①~⑨と本アルバムの計10作のうち何回登場したか?を集計し、人気曲ベスト10を選出してみました。トラック番号は本アルバムのものです。ほぼ納得のランキングになりましたが、9位の T-15. 「 エニィ・デイ・ナウ 」 がちょっと意外でした。欧米では人気ある曲なんでしょうね。
1位 10回(4曲)  T-1. 「 雨にぬれても 」、T-2. 「 恋のおもかげ 」、T-3. 「 恋よさようなら 」、T-5. 「 世界は愛を求めている(愛を求めて) 」
5位   9回(3曲)  T-6. 「 アルフィー 」、T-7. 「 リーチ・アウト 」、T-12. 「 小さな願い 」
8位   8回(1曲)  T-8. 「 プロミセス、プロミセス 」
9位   7回(4曲)  T-4. 「 サン・ホセへの道 」、T-9. 「 ディス・ガイ 」、T-10. 「 遥かなる影 」、T-15. 「 エニィ・デイ・ナウ 」


【データ】
『 A&M New Gold Series BURT BACHARACH 』  (邦題:グレイテスト・ヒッツ)
Burt Bacharach

CD:1990年リリースらしいのですが確認できず (所有CDは1993年7月1日リリース、ライナーノーツ:かまち満氏)
レーベル:A&M Records / POLYDOR (JP)
番号:? (所有CDは、POCM-1884)

This Compilation Ⓟ1990 A&M Records

↓2007年再発盤です。全曲試聴可。

 

 

 

2017年5月17日 (水)

Original Demos/Burt Bacharach and Tonio K. (2017年)

スペインのレーベルからリリースされたばかり! バカラック&トニオ・K作品のデモ音源集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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所有CDのシリアル№ 0162 (CDケース裏のバーコード下に刻印)

1. IF I SHOULD LOSE YOU   M
2. CHANGE MY MIND   M
3. NEVER TAKE THAT CHANCE AGAIN   M
4. TELL IT TO YOUR HEART   FM
5. WHERE DOES LOVE GO?   M
6. LOVE'S STILL THE ANSWER   M
7. COUNT ON ME   M
8. DO YOU?   F
9. GO ASK SHAKESPEARE   M
10. IT WAS YOU   M
11. WHAT LOVE CAN DO   M
12. YOU AND I   M
13. WHEN YOU LOVE SOMEBODY   F
14. SOMEDAY   F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約60分


バカラック&トニオ・K作品のデモ音源集です。

前回記事のとおり、“ スペインの独立系レーベル CONTANTE & SONANTE から5月15日に限定1,000枚でリリース ” という情報を得て、公式サイトで5月2日に予約注文していました。そうしましたら、なんとリリース日前の5月13日に到着! 注文してすぐ発送したんでしょうね。 届いたCDには律儀にもシリアル№が! 私のは 0162 でした。これって、注文→発送順なのかなぁ。現時点で在庫は何枚くらいなんでしょうか??

曲のセレクション及びライナーはトニオ・Kとレーベルによるもので、バカラック爺にも了解を取ったそう。レーベルのCEOが書いたバカラックとトニオ・Kの出会いに関するコラム、全10ページにも及ぶトニオ・K自身による全14曲の解説など、ライナーは充実の一言。せっかくなのでコラム部分をかいつまんで紹介します。ちゃらんぽらんな意訳ですがご容赦くださいませ。

─  バカラックとトニオ・Kは、1995年に一緒に曲を書き始めた。共作のアイデアはふたりに共通するロスの出版社が提案したもの。二人ともアリソン・アンダース監督の映画 『 グレイス・オブ・マイ・ハート 』 に曲を提供していたことがその発想の元にあるようだ。バカラックはエルヴィス・コステロと 「 ゴッド・ギヴ・ミー・ストレングス 」 を共作し、トニオ・Kは映画の音楽プロデューサーであるラリー・クラインと 「 LOVE DOESN'T EVER FAIL US (恋の痛手) 」(ザ・ウィリアムズ・ブラザーズ)を書いていた。バカラックはトニオ・Kの当時の曲 ~ ヴァネッサ・ウィリアムス&ブライアン・マックナイトの 「 LOVE IS 」 やボニーレイットの 「 YOU 」 ~ をラジオで聴いて知ってたし、1960年代に音楽を聴いて育ったトニオ・Kはもちろんバカラックのカタログに精通していた。1960年代のアメリカでバカラックの音楽を知らないなんてモグリだからね。ロスで最初に会って親しみを感じたバカラックは、トニオ・Kをビーチハウスに呼んでいくつか音楽上のアイディアを出した。バカラックがそれをピアノで弾き始めた時、トニオ・Kは自分の顔がにやけてるのに気づいて必死でこらえた。トニオ・Kはバカラックにこう言った。「 もし目隠しされ頭に銃を突きつけられピアノを弾いてるのは誰か当てろと言われたら、バート・バカラック! と答えられますよ。」 バカラックは笑って、いい時間を過ごせそうだと言った。その独特なリフはそれ以後二人が共作する最初のものとなり、「 IF I SHOULD LOSE YOU 」 と呼ばれるその曲はシカゴによって直ぐにレコーディングされた。彼らは良いスタートを切った。 ─ (Gabriel Raya、2017年4月、Constante & Sonante )

トニオ・K(別名 Steven Krikorian)は1950年生まれでバカラックより22歳年下。思春期にリアルタイムでバカラック黄金期の曲を聴いた世代ですね。日本では久石譲さん(1950年生)、松任谷正隆さん(1951年生)、高橋幸宏さん(1952年生)あたりが同世代になります。

ライナーのトニオ・Kの解説を元に、デモ音源の参加ヴォーカリストや最初にレコーディング/リリースしたアーティスト(以下、オリジナルと称す)などを下表にまとめました。なお、T-8,10. のオリジナルはライナーに未記載でしたので私が書き加えました。

Bb_and_toniok_list

デモといってもよくできてるな~というのが第一印象。ピアノはけっこうバカラックが弾いてるみたいですが、一部曲を除いて演奏は大部分がそれぞれプロデューサー自身によるもの。ヴォーカルは、元ヴァレンタイン・ブラザーズのビリー・ヴァレンタイン(5曲)、LAのセッション・シンガーのウォーレン・ウィービー(1曲)、元シカゴのビル・チャンプリン(1曲)、LAのシンガー/女優のブリトニー・ベルティエ(1曲)、バカラックの友人で隣人のお嬢さん(現在はLAで女優してるそう)のミミ・パーレイ(1曲)、それにバカラック・シンガーズの2人 ~ ジョン・パガーノ(2曲)とドナ・テイラー(1曲)も歌っています。おっと忘れちゃいけねぇ、バカラック爺も1曲歌ってました。バックコーラスでは、3人いるバカラック・シンガーズのもう1人 ~ ジョシー・ジェイムスも一部参加してるようです。

全体的にはテンポやテイストがオリジナルとデモで同傾向のものが多いです。T-6. とT-9. なんかはヴォーカルを除いて演奏がデモとオリジナルで全く一緒だったりします。ブライアン・ウィルソンも共作者のでオリジナルをブライアンが歌ったT-11. では、デモもビーチ・ボーイズ風のバック・コーラスでそれらしい雰囲気が出ています。T-1. のオリジナルはシカゴらしくブラスを強調した味付けで、デモとはちょっと違いますかね。T-4. は女性シンガーのランディ・クロフォードがオリジナルをうたっていますが、デモは男女のデュエット・ナンバー。これがなかなか良くてデモの方が私は好きです。

デモとオリジナルでかなり印象異なるのがT-8. とT-10. 。あのジェリー・リーバーも共作者に加わっているというT-8. はオリジナルをSMAP(吾郎ちゃんのソロ)が歌っているのですが、デモとは曲名を変え歌詞も日本語に。このSMAP版は森浩美という方が作詞をしていて、Tonio K.が書いた詞の日本語訳ではありません。だから曲名も変えたのか⁉ デモがR&Bテイストなのに対してオリジナルはダンス・ポップ系で吾郎ちゃんの歌いっぷりもどこかぎこちない感じです。T-10. はミディアム・バラード曲ですが、デモの軽い8ビートに対してオリジナルは弦楽四重奏(+途中からピアノ)をバックに椎名林檎さんの情感こもった歌唱…という具合に全然違う仕上がりとなっています。🍎林檎さん、さすがです。

まだ世に出てない4曲のうち、3曲(T-2,5,12.)はミディアム・テンポのバラード曲でT-13. はミディアム・テンポのコンテンポラリー曲。この中では、T-10. とよく似たイントロで始まるT-2. が印象に残りました。


オマケとして、オリジナルが収録されているアルバムをリスト・アップしておきます。リンクは拙ブログの過去記事に飛びます。よろしかったら参照ください。リンクのないものは、アルバム・ジャケットと収録されているバカラック作品について簡単にコメントしています。
T-1. 『 Chicago XXVI Live in Concert 』/Chicago
T-3. 『 Friends From Schuur 』/Diane Schuur
T-4. 『 Play Mode 』※/Randy Crawford (2000年)
「 TELL IT TO YOUR HEART 」 (4:11) 収録。このアルバムでは他にも 「 ALFIE 」 (3:26) をカヴァーしているのです。この 「 アルフィー 」 はリズムのアレンジがちょっと変わっていて、波間に揺れてるような感覚になります。ランディ・クロフォードの歌唱はどこか淡白であまり印象に残らないのですが…。※US盤のみ 『 Permanent 』
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T-6. 『 SOGNI PROIBITI 』/ornella vanoni
T-7. 『 HERE I AM : Isley Meets Bacharach 』/Ronald Isley
T-8. 『 super.modern.artistic.performance 』/SMAP (2008年)
「 DO YOU? 」 から曲名を変えた 「 LIFE WALKER 」 (5:12) を収録。
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T-9. 『 AT THIS TIME 』/Burt Bacharach
T-10. 『 浮き名 』/椎名林檎
T-11. 『 New Music From An Old Friend 』/V.A. (2007年)
ブライアン・ウィルソンが歌う 「 WHAT LOVE CAN DO 」 (4:34) を収録。他にもこのアルバムには2曲バカラック作品が収録されています。バカラック&ピーボ・ブライソン名義の 「 ALFIE 」 (3:46) は、オーケストラをバックにピーボ・ブライソンがしっとり歌っています。バカラックはピアノを弾いてるようです。もう1曲はバカラック&ジョン・パガーノ名義の 「 I STILL REMEMBER 」 (4:51) で、これはバカラック&ジョン・パガーノ&トニオ・Kの共作による書下ろし曲。ミディアム・テンポの3拍子の曲で、淡々としたマイナーの曲です。尚、アルバム・ジャケットが2種類あるので両方載せておきます。
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T-14. 『 MY SHOW 』/Carola


【データ】
『 Original Demos 』
Burt Bacharach and Tonio K.

CD:2017年5月15日リリース
レーベル:CONTANTE & SONANTE (España)
番号:CSCD-0117

Produced by
  T-1~5. Stephan Oberhoff
  T-6~12. Ted Perlman
  T-13,14. Steve Deutsch
Mastered by John Astley at Close To The Edge, London, UK
Executive Producer: Gabriel Raya (Contante & Sonante CEO)

Ⓒ & Ⓟ 2017 Burt Bacharach.
Manufactured and distributed by Contante & Sonante under license from Burt Bacharach.

注文先: CONTANTE & SONANTE
アマゾンやディスクユニオンさんでもそのうち輸入盤or中古品が出回ると思いますが…。
  

2017年2月15日 (水)

A Boy Called Po/O.S.T. (2017年)

バカラックが音楽を担当した2016年公開の米映画 『 A Boy Called Po 』 のサントラです。(CD無し/デジタル配信のみ)

(画像は全てクリックすると大きくなります)
Po

全27トラック中、バカラック作品は19トラック

1. DANCING WITH YOUR SHADOW  ~ Sheryl Crow ~  F
2. AMELIA SAYS GOODBYE
3. THE PIRATE
4. NURSES OFFICE
5. DRAWING  ~ Joseph Bauer ~
6. THE LAND OF COLOR  ~ Joseph Bauer ~

7. SCHOOLTIME
8. FAMILY TIME
9. GOODBYE DAD
10. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
11. AMELIA
12. DETACHED  ~ Joseph Bauer ~
13. LOST  ~ Joseph Bauer ~
14. THROUGH THE DOOR  ~ Joseph Bauer ~

15. FISH TANK
16. THE PIER
17. ANOTHER WORLD  ~ Joseph Bauer ~
18. MAGIC GARDEN
19. DAD PACKING
20. AIRPORT KISS
21. FINAL  ~ Joseph Bauer ~
22. RAINBOW ON THE WALL
23. SHERWOOD FOREST
24. IT'S OKAY  ~ Joseph Bauer ~
25. SUPERMARKET LOVE
26. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Bethany Joy Lenz ~  F
27. DANCING WITH YOUR SHADOW

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約49分


2016年に米国で公開された映画 『 A Boy Called Po 』 のサントラです。2017年1月にデジタル配信のみでリリースされました。

『 A Boy Called Po 』 は、妻を癌で亡くし自閉症の10歳の息子を育てることになった父親の物語。バカラックが音楽を手掛けることになったきっかけは、2014年にこの映画の監督である John Asher と飛行機で一緒になったこと。その時、「 遥かなる影 」 を映画に使ってもよいか訊かれてバカラックは快諾します。その後映画を観たバカラックは、感動して自分から進んでスコアを書くと言ったそうです。それも無償で。バカラックの娘ニッキはアスペルガー症候群を患ってましたからね…、共感して心が突き動かされたんでしょう。

Sdiff

 

 

映画の当初のタイトルは 『 Po 』。ニューポートビーチ国際映画祭で2016年4月23日に、サンディエゴ国際映画祭で同年10月1日にそれぞれ上映されたあと、同年11月25日から一般公開されました。サンディエゴ国際映画祭では、10ある賞のうちのひとつ、“ Breakthrough Feature ” 賞を受賞したそうです。(画像)

その後、『 A Boy Called Po 』 に改題されて2017年9月1日より米国内劇場及びデジタル・プラットフォームで公開されました。

本サントラ・アルバムに収録されているのは27トラック。そのうち19トラックがバカラック作品です。バカラック作品以外の8トラックは Joseph Bauer (ジョセフ・バウアー)という映画音楽作家によるもので、アルバム・アートワークにもその由記載されています。

T-1. 「 DANCING WITH YOUR SHADOW  」 は映画の主題歌(リンク先は公式MV)。映画のために書き下ろしたもので、作詞はビリー・マン、歌はシェリル・クロウ。♩≒80くらいのゆったりとしたバラード曲で、バックはピアノとストリングスだけのシンプルなもの。高低差のあるメロディやサビに至るふわっとした転調はバカラックらしさが感じられます。一方で、バカラック作品の特徴である変拍子や不規則な小節数は封印。結果、地味だけど気品があり聴けば聴くほど味わいが深まる、そんな曲になっています。シェリル・クロウの淡々とした、それでいて温かみのある歌声も素晴らしい。そういえば、彼女は 『 ONE AMAZING NIGHT 』 でもしっとり歌ってましたね。

なお、作詞を担当したビリー・マンは、1968年フィラデルフィア生まれのシンガーソングライター/プロデューサー。Wikiによれば、ビリー・マンは自閉症児の父親でもあり、2011年バラク・オバマ大統領が自閉症再認防止法に署名した際には妻子と共にその場に立ち会ったそうです。

ヴォーカル入りの曲がもう1トラック。T-26. 「 遥かなる影 」 を歌っているベサニー・ジョイ・レンツは1981年フロリダ州生まれの女優/シンガーソングライター。バックはピアノを主体として、アンビエントなシンセが加わったもの。彼女の声は少しかすれていて、歌い上げる風ではなく等身大の歌い方。この映画の雰囲気には合ってるのかも。

T-27. 「 DANCING WITH YOUR SHADOW 」 はT-1. の歌なし版。その他は所謂劇伴で、1分弱~2分程度の短いものが殆ど。「 DANCING WITH YOUR SHADOW 」 のメロディをモチーフとしたものが半分くらいでしょうか。T-10. 「 遥かなる影 」 はピアノ・ソロですが、これも1分少々と短いです。ちなみに、ジョセフ・バウアー作の各トラックはアンビエントそのもので2分~4分程度のものが多いです。

「 DANCING WITH YOUR SHADOW 」 を聴く限り、バカラック爺のソング・ライティング力はまだ衰えていないと感じます。凄い爺やです。

※ 2017/9/2 作品名の改題を受けて、タイトル及び関連する記述を修正しました。アルバム・アートワークは 『 Po 』 のままです。悪しからずm(__)m


【データ】
『 A Boy Called Po 』
O.S.T.

MP3:2017年1月13日リリース
レーベル:The Movie Po, under exclusive license to Varese Sarabande Records
番号:?

↓ MP3 (サントラも2017年9月1日に 『 A Boy Called Po 』 と改題されて再リリース。『 Po 』 では見つかりません^^;)

2016年11月20日 (日)

AT THIS TIME/Burt Bacharach (2005年)

バート・バカラックが世を憂いて2005年にリリースしたアルバムです。作詞にも初挑戦!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. PLEASE EXPLAIN
2. WHERE DID GO?
3. IN OUR TIME ~ Featuring Chris Botti ~
4. WHO ARE THESE PEOPLE? ~ Featuring Elvis Costello ~
5. IS LOVE ENOUGH?
6. CAN'T GIVE IT UP
7. GO ASK SHAKESPEARE ~ Featuring Rufus Wainwright ~
8. DREAMS ~ Featuring Chris Botti ~
9. DANGER
10. FADE AWAY
11. ALWAYS TAKING AIM

収録時間約54分


Img312cc─  僕はこの作品をとても誇りに思っていますし、人生のこの時期において ~ 肩越しにのぞき込んだ誰かに 「 この歌はヒットしそうにないなあ 」 とか
「 こんな曲じゃラジオで流してもらえないよ 」 なんて言われたりすることなく ~ 自分自身をこんなにも素直に正直に表現する機会を得たことに心から感謝しています。
 僕を支え、励まし、ある種の賭けに出てみることを ~ 言い換えるなら、僕自身の音楽をいくばくかの危険にさらすことを ~ 促してくれたロブ・ストリンガーにも感謝しています。
 状況が好転することがあり得ると願いながら、僕の子どもたちに、そして皆さんの子どもたちにこれを捧げます。 バート・バカラック  ─
 (ライナーに寄せたコメント。対訳:野村伸昭氏)

1979年リリースの 『 WOMAN 』 以来、26年ぶりとなるオリジナル・アルバム。何故バカラック爺がこの作品を世に出したのか…。ライナーに寄せたコメントが全てを物語っています。ロブ・ストリンガーは、英国ソニーBMGの社長さん。彼からのオファーは、─  新しいアルバムを作りませんか? 今のバート・バカラックを表すものを作って欲しい。売れるアルバムではなく、いいアルバムを作って欲しい。─  だったそう。

収録曲は新曲ばかり。ただし、T-7. 「 ゴー・アスク・シェイクスピア 」 は、クリス・ボッティ2003年のアルバム 『 A THOUSAND KISSES DEEP 』 に収録されている 「 THE LAST THREE MINUTES 」 に歌詞をつけたもので、タイトルも変えています。

聴いてまずビックリするのが、ドラム・ループの大量使用。 ─  ドクター・ドレが6,7種類のドラム・ループをくれたので、それを使って曲を書き、エルヴィス・コステロとルーファス・ウェインライトも、一部の曲でヴォーカルを取ってくれた。 ─ (バカラック自伝より)

更にビックリなのが歌詞。今回が初めてバカラック爺が作詞(トニオKと一緒に)しています。ですから、このアルバムは歌詞に注目です。自身がヴォーカルを取ったT-1. とT-2. の2曲は尚更。主要な曲について歌詞のエッセンスを拾ってみました。

T-1. 「 プリーズ・エクスプレイン 」 : 愛はどこに行ってしまったんだろう 僕らがかつて見た夢はどこに? 説き明かしてくれ

T-2. 「 ホエア・ディド・イット・ゴー? 」 : 僕には12歳の息子と9歳の娘とカレッジに通ってる息子がいる 彼らの将来が心配だ 僕の知っていたあの世界はどこに行ってしまったんだろう?

T-4. 「 フー・アー・ジーズ・ピープル? 」 : 僕に向って嘘をつき続けるあの連中は何者なんだろう 何もかも破壊してなにがしかの利益のために未来を売り払うあの連中は何者なんだろう 自分が間違っていても認めないなんて一体どんな指導者なんだろう 連中を止めなきゃいけない

T-7. 「 ゴー・アスク・シェイクスピア 」 : 愛こそが答えなんだ だから僕は希望を持ち続けて耐えている もっといい日が来るのを待ち続けている 人生は奇跡 ─ でなきゃ愚かな物語 僕には分からないから シェイクスピアに聞いてくれ

2005年は、共和党ジョージ・ブッシュ(Jr.のほう)大統領の2期目が始まった年。爺の怒りは相当なものだったんですねー。

先ごろ行われた米国大統領選。共和党のドナルド・トランプ氏が民主党のヒラリー・クリントン氏を破って勝利しましたが、爺の怒りが再び爆発しないことを祈っています。 …いや待てよ? 爆発したほうが良かったりして。そしたらまたアルバムをリリースしてくれるかも!?


【データ】
『 AT THIS TIME 』 (邦題:アット・ディス・タイム)
Burt Bacharach

CD:2005年10月24日リリース (所有CDは、2006年2月22日リリースの日本盤。ライナーは朝妻一郎氏)
レーベル:SONY BMG (UK) (所有CDは、BMG JAPAN)
番号:82876734112 (所有CDは、BVCM-31186)

All tracks produced, arranged and conducted by Burt Bacharach
Executive producer: Rob Stringer and Andrew Hale
Music and Lyrics by Burt Bacharach (T-10.)
Music by Burt Bacharach (T-3~7,9,11)
Music by Burt Bacharach and Denaun Porter (T-1.)
Music by Burt Bacharach and Printz Board (T-2.)
Music by Burt Bacharach and Chris Botti (T-8.)
Lyrics by Burt Bacharach and Tonio K. (T-1,2,4~8,11.)
※ミュージシャンのクレジットはゴチャゴチャしてるので割愛します^^;

 

 

2016年10月26日 (水)

ISN'T SHE GREAT/O.S.T. (2000年)

映画 『 イズント・シー・グレート 』 のサントラです。バカラックが全編音楽を担当!

(画像はクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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1. ON MY WAY ~ Dionne Warwick ~  F
2. LOVE THEME (THE FALLING IN LOVE)
3. LUNCH AT LINDY'S
4. GUY'S THEME (WORDLESS)
5. MASS LOVE
6. SEXUAL ME, SEXUAL YOU
7. YES, THEY SAID YES!
8. THE BIG PITCH
9. ARE YOU MY FRIEND?
10. HELLO CONNECTICUT
11. FOR MIMSY
12. HEARTACHE REVISITED
13. THE BOOK TOUR (ON MY WAY - Reprised) ~ Dionne Warwick ~  F
14. ABOUT EXPECTATIONS
15. THE LATE LUNCH
16. VICTORY AT A PRICE
17. OPEN YOUR HEART ~ Vanessa Williams ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約39分


2000年の映画 『 イズント・シー・グレート 』 のサントラです。

映画は、米国の女性作家 Jacqueline Susann (ジャクリーン・スーザン)の物語。米英独日の共同製作で2000年1月28日に米国公開されました。日本では劇場未公開でしたが、ヴィデオ(VHS)は発売され私もレンタルして観ました。その後、DVDも発売されているようです。

─  いつの時代でもバート・バカラックの音楽は新鮮なものとして(懐メロとしてではなくという意味)受け入れられ続けるだろう、と以前から思っていた筆者にとって、これはわが意を得たり! のサントラ盤だ。ベット・ミドラー主演の映画は未見だが、それが鑑賞上の妨げになることはない。このサントラ盤の楽しみ方は無限にあるのだから。ヴァネッサ・ウィリアムスが初めてバカラックの新曲を、しかもハル・デイヴィッドの作詞! で歌うというのが最大の “ 売り ” だろうが、その外にも隠し味があちこちに……。大満足のアルバムである。 ■宮本 啓  ─ (2000年7月リリースの日本盤について、雑誌 “ FM fan ” のアルバム・レビューより)

音楽が映画の中でどう使われてたか?サッパリ記憶にないのですが、宮本啓さんのアルバム・レビューにあるとおりサントラ鑑賞の支障にはなりません。覚えてない言い訳ととられても仕方ないですが、これホントです(全く説得力無し^^;)。

アルバムのプロデュース、作曲、指揮をバカラックが担当。ヴォーカルが入った曲は、ディオンヌ・ワーウィックが歌うT-1. 「 ON MY WAY 」 及びそのリプライズT-13. 「 THE BOOK TOUR 」 と、ヴァネッサ・ウィリアムスが歌うT-17. 「 OPEN YOUR HEART 」 の3曲。他の14曲はインスト曲です。

ヴォーカル入りの曲はいずれもハル・デイヴィッドが作詞を担当。バカラック&デイヴィッドの二人による共作は、1993年ディオンヌ・ワーウィックの 「 SUNNY WEATHER LOVER 」 ( 『 FRIENDS CAN BE LOVERS 』 収録) 以来7年ぶりです 。

T-1. 「 ON MY WAY 」 は♩≒85の16ビート・バラード曲。音符が高低飛び跳ねるAメロ、ところどころに挿入される変拍子(2拍の小節)、Aメロ(G)~Bメロ(Gm)~サビ(Gm→G)の転調、曲途中での半音キーが上がる転調(G→G♯)、テンション・コードの多用等々、バカラック節が随所にみられる曲です。加えて、流麗なストリングスのオブリガートや間奏でのトランペットなど、バカラックっぽいアレンジも嬉しいところ。高音が苦しくなってきているディオンヌですが、高音域は鼻に抜けるような歌い方でクリアして破綻なく歌い切っています。ただ、全体的な雰囲気はひと昔前(1980年代)のテイスト。この辺りはプロデュース/アレンジの領域でしょうが、人により評価が分かれるところかも…。

T-17. 「 OPEN YOUR HEART 」 は♩≒75のバラード曲。高低差のある独特なメロディ・ライン、変拍子(2拍の小節)の存在、一般的な8小節単位ではなく9小節/7小節/10小節といった楽曲構成など、この曲にもバカラックらしさは見られます。が、しっとりとしていながら艶やかなヴァネッサ・ウィリアムスのヴォーカルと、センスの良いシンセ・ベース、ゴージャスなオーケストレーションにより、コンテンポラリーなテイストに仕上がっています。バカラックと共にプロデュースにクレジットされているキース・トーマスやストリングス・アレンジを担当したロン・ハフ達のおかげでしょう。映画ではエンディング・テーマとして使われたそうです。*

インスト曲はスコアとして使われたものと思われます。収録曲で最も多いインスト曲は 「 OPEN YOUR HEART 」 の別アレンジ版。T-2. 「 LOVE THEME (THE FALLING IN LOVE) 」 、T-7. 「 YES, THEY SAID YES! 」 、T-9. 「 ARE YOU MY FRIEND? 」 、T-14. 「 ABOUT EXPECTATIONS 」 などがそうです。

'60年代のバカラック作品を思わせる曲もあります。T-6. 「 SEXUAL ME, SEXUAL YOU 」 冒頭のメロディやギロが刻むリズムは、明らかに 「 恋の面影 」 をパロッたもの。T-11. 「 FOR MIMSY 」 はその別アレンジ版です。ジャズ・ワルツのT-8. 「 THE BIG PITCH 」 は、「 ワイヴズ・アンド・ラヴァーズ 」 に似たフィーリングの曲。T-13. 「 THE BOOK TOUR 」 の前半1分くらいの賑やかなパートに出てくる ‟ タタタタタタ│タンタン ” という3拍子+2拍子のフレーズなんかは、 「 プロミセス・プロミセス 」 のイントロとモロ同じ音型ですし! ワザとやってますね、バカラックは(^^)。宮本啓さんの言う ─ 隠し味があちこちに ─ はこのあたりのことを指しているのでしょう。

他にも、口笛による明るいメロディのT-3. 「 LUNCH AT LINDY'S 」 とT-15. 「 THE LATE LUNCH 」 、フルート/アルトフルート/オーボエが吹く切ないメロディが特徴のT-4. 「 GUY'S THEME (WORDLESS) 」 とT-12. 「 HEARTACHE REVISITED 」 、フュージョン・タッチのT-5. 「 MASS LOVE 」 とT-10. 「 HELLO CONNECTICUT 」 など、それぞれキャラが立った曲ばかりで、バカラックの力の入れようが窺えます。テイストはひと昔前って感じですけどね…^^;

ちなみに、本作 『 イズント・シー・グレート 』 でジャクリーン・スーザンを演じた大御所女優ベット・ミドラーはシンガーでもありまして、バカラック作品もカヴァーしておいでです。詳しくは こちら をご覧くださいませ。

ちなみにその2、ジャクリーン・スーザンの小説 『 Valley of the Dolls 』 が映画化された際、主題歌 「 (THEME FROM) VALLEY OF THE DOLLS (哀愁の花びらのテーマ) 」 を歌ったのはディオンヌ・ワーウィックでした※。でも、その曲を含めて映画の音楽を担当したのはアンドレ・プレヴィン。それだったら、本作 『 イズント・シー・グレート 』 の音楽もプレヴィンにオファーを出すのが順当なところですよね。どうしてバカラックにオファーが来たんだろう…。ご存知の方、教えてくださいませm(__)m

※ ここら辺の事情はディオンヌのアルバム 『 DIONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』 の記事を参照ください。

* 2018年7月16日 追記


【データ】
『 ISN'T SHE GREAT 』 (邦題:イズント・シー・グレート)
O.S.T.

CD:2000年1月25日リリース
レーベル:DECCA Records / Universal Classics
番号:289 466 981-2

Album Produced by Burt Bacharach
Executive Soundtrack Producer: Gary Jones, Mike Lobell and Andrew Bergman
Associate Album Producer: Todd Kasow
Music Composed and Conducted by Burt Bacharach
Lyrics by Hal David
Credits for Score and 「 ON MY WAY 」
  Orchestrations: Burt Bacharach and Rick Giovinazzo
  Orchestra Contractor: Sandy De Crescent
  Harmonica: Tommy Morgan
  Whistler: Rick Riccio
  Sax: Tom Scott, Dan Higgins
  Fender Bass: Neil Stubenhaus
  Drums: Vinnie Colaiuta
  Guitars: Dean Parks, George Doering
  Alto Flute: Gary Foster
  Flute: Jimmy Walker
  Keyboard: Burt Bacharach, Greg Phillinganes, Randy Kerber
  Flugel Horn and Solo Trumpet: Gary Grant
Credits for 「 OPEN YOUR HEART 」
  Produced and Arranged by Keith Thomas and Burt Bacharach
  Keyboard and Additional Bass Programming: Keith Thomas
  Drum Programming: Mark Hammond
  Bass: Michael Rhodes
  Electric Guitars: Jerry McPherson
  Strings: The Nashville String Machine
  Strings Arranged and Conducted by Ronn Huff
  Strings Contracted by Carl Gorodetsky

↓左はオリジナル盤で、右は日本盤

 

 

 

 

2016年6月22日 (水)

NIGHT SHIFT/O.S.T. (1982年)

バカラックが音楽を担当した米映画『 ラブ IN ニューヨーク 』のサントラ盤です。

※ 2018/1/2追記: 中古LPを入手しましたので、あらためて記事に取り上げました。 → こちら

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover

全10トラック中、バカラック作品は6トラック

1. NIGHT SHIFT  ~ Quarterflash ~  F
2. STREET TALK  ~ Burt Bacharach ~
3. GIRLS KNOW HOW  ~ Al Jarreau ~  M
4. THE LOVE TOO GOOD TO LAST  ~ Pointer Sisters ~  F
5. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR  ~ Rod Stewart ~  M
6. SOMEDAY, SOMEWAY  ~ Marshall Crenshaw ~
7. PENTHOUSE AND PAVEMENT  ~ Heaven 17 ~
8. TALK TALK  ~ Talk Talk ~
9. EVERLASTING LOVE  ~ Rufus & Chaka Khan ~

10. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR  ~ Burt Bacharach ~

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約37分


バカラックが音楽を担当した米映画『 ラブ IN ニューヨーク 』のサントラ盤です。

1981年の映画『 ミスター・アーサー 』から1年後、バート・バカラック&キャロル・ベイヤー・セイガーのチーム(1982年3月に二人は結婚しました)はまたもや映画の音楽を担当します。今度の映画もコメディで…

…などと、映画/アルバム/収録曲/アーティストなどについて説明していきたいところですが、それだけのネタがありません。CD化されてない為CD持ってないし、MP3データでの入手も不可なのです(その昔、海賊盤CDが出たとゆーウワサもありますが)。

いつになるかわかりませんが、中古アナログ盤を入手したらあらためて取り上げます。


ここからはオマケ。
拙ブログにお越しの方ならすでにご存じかとは思いますが、本アルバム全10曲を聴けるサイトがあります。
リンクは → こちら

少しだけコメントを…。
T-4.「 THE LOVE TOO GOOD TO LAST 」は書下ろしではなく、ポインター・シスターズの1980年のアルバム『 SPECIAL THINGS 』に収録されている曲そのものです。アル・ジャロウが歌うT-3.「 GIRLS KNOW HOW 」はバカラック夫妻とデイヴィッド・フォスターによる共作。この曲が一番ポップですね。そして、ロッド・スチュワートが歌うT-5.「 THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR 」は、のちにディオンヌ&フレンズが歌い全米1位となった「 愛のハーモニー 」のオリジナル。曲名は同じですが、2番の歌詞が幾分異なります。


【データ】
『 NIGHT SHIFT 』(邦題:ラブ IN ニューヨーク)
O.S.T.

LP:1982年7月リリース (所有CDはありません)
レーベル:Warner Bros. Records
番号:23702

★ リンク ★

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