カテゴリー「ディオンヌ・ワーウィックのアルバム」の32件の記事

★新作主体/カヴァーアルバム/コンピ集を問わず、ディオンヌ名義のアルバム

2023年1月 1日 (日)

ODDS & ENDS SCEPTER RECORDS RARITIES/Dionne Warwick(2018年)

ディオンヌ・ワーウィックの黄金期、セプター時代のレア音源を集めたコンピ集! バカラック作品を15曲(バージョン)収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全26トラック中、バカラック作品は15トラック

1. I SAY A LITTLE PRAYER (Alternate version) *
2. MONDAY, MONDAY

3. A HOUSE IS NOT A HOME (Italian version - Apro gli occhi per non vederti)
4. HE'S MOVING ON (Theme from The Love Machine)
5. AMANDA

6. WALK ON BY (German version - Geh' vorbei)

7. DON'T MAKE ME OVER (Alternate version) *

8. REACH OUT FOR ME (French version - Amour sublime) *
9. THE GOOD LIFE (Studio mix) *

10. LONELINESS REMEMBERS (WHAT HAPPINESS FORGETS)
(Alternate version)

11. WALK LITTLE DOLLY (Italian version - Ogni donna che amerai)
12. IF YOU LET ME MAKE LOVE TO YOU, THEN WHY CAN'T I TOUCH YOU?
13. LA VIE EN ROSE (English version - studio mix)

14. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART) (German version - Ich warte jeden Tag)

15. AS LONG AS THERE'S AN APPLE TREE (Extended version) *
16. OUR AGES OR OUR HEARTS

17. HOW MANY DAYS OF SANDNESS (French version - Combien de jours malheureux) *
18. I LOVE PARIS (Studio mix) *
19. SILENT VOICES (Stereo version)

20. THE WINDOWS OF THE WORLD (Italian version - La vita come va)
21. C'EST SI BON (Studio mix) *

22. ODDS AND ENDS (Alternate version) *

23. A HOUSE IS NOT A HOME (French version - Un toit ne suffit pas)

24. WALK ON BY (Italian version - Non mi pentiro)

25. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE (Alternate version) *
26. PROMOTIONAL COMMERCIAKS & PUBLIC SERVICE ANNOUNCEMENTS (Various radio spots)

* 印:previously unreleased

収録時間約79分


ディオンヌ・ワーウィックの黄金期、セプター時代のレア音源を集めたコンピ集です!


2018年にReal Gone Music/Rhinoからリリースされました。ラジオのコメント(T-26.)を除く25トラックのうち "previously unreleased" が10トラックもあります。そのうちバカラック作品は15トラック("previously unreleased" は7トラック)を占めているのですが、2013年に同じくReal Gone Music/Rhinoよりリリースされたワーナー時代の未発表曲集『 WE NEED TO GO BACK 』とは異なり、未発表のバカラック作品は含まれていません。収録されていたのは既発表曲のバージョン違い 〜 別バージョン(Alternate version)、拡張バージョン(Extended version)、或いは英語以外の言語(イタリア語🇮🇹、フランス語🇫🇷、ドイツ語🇩🇪)で歌ったバージョン 〜 の数々でございます。

以下、バカラック作品15トラックについて簡単に説明してまいります。

◯ 別バージョン:5トラック(T-1,7,10,22,25.)
T-1.「 小さな願い 」:アレンジの骨格こそオリジナルと変わらないものの、トランペットが吹く “ パッパパッパパッ ” というフレーズが “ パーパパーパパー ” とのっぺりした表現だったり、曲中のピアノやストリングスのメロディが所々違っていたり、アウトロでのディオンヌのフェイクが異なっていたり、アレンジ&プロデュースの面で明らかに別物です。Original version from Scepter single SCE-12203 (1967), album『 THE WINDOWS OF THE WORLD 』(1967)
T-7.「 ドント・メイク・ミー・オーヴァー 」:イントロでストリングスのメロディがごく一部異なり歌い出し前にストリングスを1小節追加してる他はオリジナルと目立った違いは無さそう。Original version from Scepter single 1239 (1962), album『 PRESENTING DIONNE WARWICK 』(1962)
T-10.「 ロンリネス・ハッピネス 」:アウトロが明確にオリジナルと違います。オリジナルでは静かにロングトーンで終わるのにリズム伴奏のままフェードアウトするんです。逆にアウトロ以外は同じですかね。なお、1980年に英国リーダースダイジェストから出たコンピ集に収録されたことがあるため "previously unreleased" じゃないんだそう。Original version from Scepter single SCE-12276 (1970), album『 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 』(1970)
T-22.「 オッズ・アンド・エンズ 」:同じテイクのミックス違いと思われます。Original version from Scepter single SCE-12256 (1969)
T-25.「 サン・ホセへの道 」:バックトラックは同じみたいですがディオンヌのヴォーカルが違います。オリジナルと較べて軽やかさが不足してるのと微妙にテンポに乗り切れてないんですね。こうして聴くとやっぱりオリジナルの方がいいなと思います。Original version from Scepter single SCE-12226 (1968), album『 DIONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』(1970)

◯ 拡張バージョン:1トラック(T-15.)
T-15.「 アズ・ロング・アズ・ゼアズ・アン・アップル・ツリー(リンゴの木がある限り)」:オリジナル(2分5秒)と較べて尺が長い(2分49秒)ことが拡張バージョンと表記される理由です。曲の構造を簡単に表現すると、拡張バージョンが A-B-A-B-A(唄なし)-B-A-転調A…F.O. となってるのに対し、オリジナルは A-B-A-B-A(唄なし)-転調A…F.O. で赤字部分がカットされてるんですね。拡張バージョンのまま世に出して欲しかった…。Original version from Scepter album『 DIONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』(1970)

◯ イタリア語🇮🇹バージョン:4トラック(T-3,11,20,24.)
T-3.「 ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」、T-24.「 ウォーク・オン・バイ 」:バックトラックはオリジナルと同じ。ヴォーカル(T-24.はバックコーラスも)がイタリア語。From Scepter single SC 713 (1967) Italy, Original version from Scepter album『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』(1964)
T-11.「 ウォーク・リトル・ドゥリー 」、T-20.「 世界の窓と窓(世界の窓に光を)」:バックトラックはオリジナルと同じ。ヴォーカルがイタリア語ですが、T-11.はオリジナルにあるバックコーラスが省略されています。From Scepter single SC 715 (1967) Italy, Original version from Scepter album『 THE WINDOWS OF THE WORLD 』(1967)
…これらイタリアでの2枚のシングルは、1967年にイタリアのサンレモ音楽祭にディオンヌが出演するにあたってリリースされたんだそう。

◯ フランス語🇫🇷バージョン:3トラック(T-8,17,23.)
T-8.「 リーチ・アウト 」:バックトラックはオリジナルと同じ。ヴォーカルとバックコーラスがフランス語。Original version from Scepter album『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』(1964)
T-17.「 悲しみの日々 」:バックトラックはオリジナルと同じ。ヴォーカルとバックコーラスがフランス語。Original version from Scepter album『 THE SENSITIVE SOUND OF DIONNE WARWICK 』(1965)
T-23.「 ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」:バックトラックはオリジナルと同じ。From Vogue EPL. 8313 (1964) France, Original version from Scepter album『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』(1964)
…フランスでは1964年にT-23.のシングルをリリース。その後もT-8.やT-17.をフランス語でもレコーディングしてたようです。1966年初頭、ディオンヌはフランスのサッシャ・ディステルの共演者としてパリのオランピア劇場に5週間出演するのですが、その際「 ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」をフランス語で歌っています。そのライヴ盤『 Dionne Warwick in Paris 』(1966) に収録されているバージョンはスタジオ録音のT-23.に拍手をかぶせた疑いが濃厚ですが…。

◯ ドイツ語🇩🇪バージョン:2トラック(T-6,14.)
T-6.「 ウォーク・オン・バイ 」、T-14.「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」:バックトラックはオリジナルと同じ。ヴォーカルとバックコーラスがドイツ語。T-14.はオリジナルよりもバックコーラスが厚いです。From Vogue Schallplatten single DV 14298 (1964) Germany, Original version from Scepter album『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』(1964)

個人的なレコメンドはT-1.とT-15.ですね。他もレアなことはレアなんでしょうけど…。


【データ】
『 ODDS & ENDS SCEPTER RECORDS RARITIES OVER TWO-DOZEN LOST RECORDINGS SPANNING 1962-1971 
Dionne Warwick

CD:2018年リリース
レーベル:Real Gone Music / Rhino
番号:OPCD-9003

Original recordings produced by Burt Bacharach & Hal David
Compilation Producer:Jim Pierson
Executive Producer:Gordon Anderson
Associate Producer:Pail Howes
©️2018 Rhino Entertainment Campany, a Warner Music Company.
©️2018 Real Gone Music, L.L.C. Manufactured for Rhino Custom Products, a Division of Rhino Entertainment Company, All Rights Reserved.

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2019年6月16日 (日)

she's back/Dionne Warwick (2019年)

ディオンヌ・ワーウィックが先月リリースしたばかりのアルバムです。バカラック作品2曲を新たにリメイク!

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Disc1
全15トラック中、バカラック作品は2トラック

12. IF I WANT TO (4:34)
15. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (4:50)  〜 ft. Jubilation Choir 〜 

Disc2  …  <ボーナス・ディスク>
1998年リリース『 DIONNE SINGS DIONNE 』のリマスター盤
(但し、曲順は Original CD と若干異なっています)


ディオンヌ・ワーウィックが先月(2019年5月)リリースしたばかりのアルバムです。

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─ She's Back!  ディオンヌ・ワーウィックが戻ってきた。だが、今年で79歳を迎えるディオンヌは“戻ってくる”必要がないくらい今も現役で活動を続けている。2015年の来日公演で元気な姿を見せてくれたことも記憶に新しい。作品もコンスタントに出してきた。近年は、2012年にデビュー50周年を記念した『 Now 』、2014年にデュエット・アルバム『 Feels So Good 』を発表。ただ、この四半世紀くらいは最近の2作を含めセルフ・カヴァー集が中心で、他にもブラジル音楽やゴスペルなどをテーマにした企画色の強いアルバムが多かった。(中略)今作『 She's Back 』は前作から5年ぶりであることに加え、セルフ・カヴァーを含めてソウル/R&Bの曲を歌った作品ということで、“R&Bに意識的になったディオンヌが戻ってきた”と解釈すれば<She's Back>というタイトルにも納得がいく。 ─  (林 剛氏、ライナーノーツより)

以上、アルバムの概要でした(手抜き💦)。

ここで1998年以降のリメイク集やデュエット集をリリース順にリストアップ。( )は略称、"  " は新たに録音したバカラック作品の曲数です。
① 1998年『 DIONNE SINGS DIONNE 』(DSD)"8曲"
② 2000年『 DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ 』(DSDⅡ)"9曲"
③ 2006年『 MY FRIENDS & ME 』(F&ME)"9曲"
④ 2012年『 NOW 』"10曲"
⑤ 2014年『 FEELS SO GOOD 』(FSG)"6曲"

ヒップポップ系のアレンジが目立つ①『 DSD 』、コンテンポラリーな味付けの②『 DSDⅡ 』、全て女性とのデュエットでヒップポップ風味の③『 F&ME 』、②に近いコンセプトだけど意欲的な選曲が光る④『 NOW 』、スタイルにこだわらず老若男女とデュエットした⑤『 FSG 』。…手を替え品を替えといった感じでしょうか。前述の林氏は<She's Back>というタイトルに納得されたようですが、私の感覚としては<She's Back Again>…えーっ、またかって感じですね(苦笑)。

本アルバムはボーナス・ディスクとして『 DSD 』のリマスター盤を付属しているのですが、本アルバムでリメイクしているバカラック作品2曲はこの『 DSD 』以来のリメイク。早速聴き比べてみましょう。

T-12.「 イフ・アイ・ウォント・トゥ 」は超レア曲。オリジナルはサンディ・パティ(1994年『 FIND IT ON THE WINGS 』)で、ディオンヌが『 DSD 』でカヴァーしたもの。『 DSD 』版と同じテイストの生ストリングス入りスロー・バラードに仕立てられていて、テンポは『 DSD 』版の♩≒65に対して♩≒64とほぼ同じ。ですがキーは二度半低く、全体的に声が細くて最高音のG♯なんて声が掠れてちょっと辛そう。編集段階で色々修正はしてるのでしょうが、それでもコレですからね。20年の歳月を突きつけられました、残念。

T-15.「 世界は愛を求めている 」はジャッキー・デシャノンがオリジナルのバカラック・カヴァー定番曲。ディオンヌにとっては曰くつきの曲ですね(こちら)。『 DSD 』版はヒップポップ系のアレンジで共演者のラップが全面的にフィーチャーされたものでしたが、本作ではクワイヤをフィーチャーしたゴスペル仕立て。コレは良いです! ディオンヌが最初に歌った1966年の『 HERE WHERE THERE IS LOVE 』版と比べてキーは二度低いだけなんですが、最高音のGもしっかり出ていて声に力強さを感じます。「 イフ・アイ・ウォント・トゥ 」とは大違い。これはリメイクした価値が十分あります(エラそうにスミマセン)。

他の曲についても少しばかり触れます。全15曲のうち、10曲がカヴァーで、バカラック作品の2曲を含む5曲(T-5,10,12,13,15)がリメイク。それぞれ異なる男性シンガーと6曲(T-1,3〜6,10)でデュエット。まぁ、確かにR&B調の曲が多いです。ただ、ディオンヌのノリはイマイチ。年齢考えたら無理もないかな…。ディオンヌが本当に歌いたかったのか…私は疑問に思います。

💡拙ブログでは、過去自身が歌った曲のカヴァーをリメイクと呼び、他人に提供した曲を自身でカヴァーすることをセルフ・カヴァーと呼んで区別しています(但し、ライナーノーツは本文ママ)。ややこしいですが、悪しからず。


【データ】
『 she's back 』 (邦題:シーズ・バック)
Dionne Warwick

CD:2019年5月17日リリース (所有CDは、同年5月22日リリースの日本盤)
レーベル:Kind music / Entertainment One (US) (所有CDは、ビクター・エンタテインメント)
番号:ECM-CD-46085 (所有CDは、VICP-65526〜7)

Executive Producer:Dionne Warwick, Damon Elliott, Alan Grunblatt, Maurice White
Produced by Damon Elliott and Teddy Harmon (T-2〜5,7〜9,13)
Produced by Damon Elliott, Teddy Harmon and Musiq Soulchild (T-1)
Produced by Damon Elliott (T-15)
Produced by Brian McKnight and Damon Elliott (T-6)
Produced by Rob Shrock (T-10,12,14)
Produced by Brenda Russell (T-11)

T-12. Written by Burt Bacharach and Will Jennings
T-15. Written by Burt Bacharach and Hal David

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2017年5月24日 (水)

ディオンヌ・ワーウィック・グレイテスト・ヒッツ/Dionne Warwick (1989年/1990年)

ディオンヌ・ワーウィック、セプター時代のヒット曲を集めたコンピ盤です。2枚シリーズで、Vo.2 はバカラック縛り!

(画像は全てクリックすると大きくなります)

ディオンヌ・ワーウィック・グレイテスト・ヒッツ (Vol.1)
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全22トラック中、バカラック作品は20トラック

1. DON'T MAKE ME OVER
2. ANYONE WHO HAD A HEART
3. WALK ON BY
4. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
5. REACH OUT FOR ME
6. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)
7. MESSAGE TO MICHAEL
8. TRAINS AND BOATS AND PLANES
9. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF
10. ALFIE
11. THE WINDOWS OF THE WORLD
12. I SAY A LITTLE PRAYER
13. (THEME FROM) THE VALLEY OF THE DOLLS
14. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
15. WHO IS GONNA LOVE ME
16. PROMISES, PROMISES
17. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU
18. THE APRIL FOOLS
19. YOU'VE LOST THAT LOVIN' FEELING
20. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
21. LET ME GO TO HIM
22. MAKE IT EASY ON YOURSELF

収録時間約70分

ディオンヌ・ワーウィック・グレイテスト・ヒッツ Vol.2 ディオンヌ・シングス・バカラック
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1. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
2. THE LOOK OF LOVE
3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
4. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
5. WIVES AND LOVERS
6. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU
7. WISHIN' AND HOPIN'
8. LONELINESS REMEMBERS (WHAT HAPPINESS FORGETS)
9. THIS EMPTY PLACE
10. MAKE THE MUSIC PLAY
11. A HOUSE IS NOT A HOME
12. (HERE I GO AGAIN) LOOKIN' WITH MY EYES
13. THE BEGINNING OF LONELINESS
14. LET ME BE LONELY
15. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
16. ODDS AND ENDS
17. PAPER MACHE
18. THE GREEN GRASS STARTS TO GROW
19. WHO GETS THE GUY

収録時間約58分


私がバカラック関連のCDを蒐集し始めた1993年頃、バカラック関連で所有している音源といえば、ディオンヌの市販カセット (*1) と中学生の時にLPからダビングした吹奏楽バカラック・カヴァー集 (*2) 、合わせて2本のカセットテープだけでした。
(*1) 1980年代前半に購入したセプター期のベストで確か20曲収録
(*2) ウェブページの個人的な思い出を参照方

とにかく何かCDを買いたいぁなと最寄りのレコード屋さんに入ってディオンヌのCD棚を物色。確か、アリスタレーベルのアルバムと今回ご紹介するグレイテスト・ヒッツ(以後 Vol.1 と称します)しかありませんでした。まずは知ってる曲名の多いこの Vol.1 を購入。その後、Vol.2 も別のレコード屋さんでゲット。ディオンヌのコンピ盤は沢山リリースされていますが、私が所有しているディオンヌのコンピ盤はこの2枚だけです。

2枚ともセプター時代の曲を集めたコンピ盤。たぶん日本編集だと思います。ただ、ライナーは曲目リストと歌詞(英語)のみで曲の解説等は皆無。これには閉口しました。ということで、当時の自分に向けてちょいと解説してみようかな。

Vol.1 は、T-22. 「 涙でさようなら 」 を除いて、セプターからリリースしたシングルのうち全米TOP40以内に入った曲をシングル・リリース順に収めたもの。ただし、その「 涙でさようなら 」 も1970年7月にライヴ録音バージョンがシングル・リリースされてナント全米37位になってるんですねー。ライヴ録音バージョンが収録できていればコンプリートだったのに、なんとも残念! 権利上の問題でもあったのでしょうか? 以下表中の “ US ” 欄は全米ビルボードポップチャートの最高位を示しています。なお、T-13,19. はバカラック作品ではありません。

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Vol.2 は基本 “ バカラック縛り ” 。何故かT-6. 「 ディス・ガール 」 は Vol.1 と重複してます^^;。こちらのコンピ盤は、有名曲のカヴァー8曲(T-1~6,11,15.)と、ディオンヌがオリジナルでシングル・リリースしたけどあまりヒットしなかった11曲、という組合せ。後者はCD購入するまで全く知らなかった曲ばかりで、「 何やコイツら 」 と思いながら聴いたものです(笑)。

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各曲の詳細については各アルバムの拙ブログ過去記事をご覧ください。以下、アルバム・リリース順に並べていてリンクをクリックすると各記事に飛びます。なお、略号のLV はライヴ盤、CPはベスト等コンピ盤、無印はスタジオ録音盤です。リンクのないアルバムは所有しておりませんので記事はありません、悪しからず。
1st  『 PRESENTING DIONNE WARWICK 』 (1963)
2nd  『 ANYONE WHO HAD A HEART 』 (1964)
3rd  『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』 (1964)
4th  『 THE SENSITIVE SOUND OF DIONNE WARWICK 』 (1965)
5th  『 HERE I AM 』 (1965)
LV 1st  『 DIONNE WARWICK in Paris 』 (1966)
6th  『 HERE WHERE THERE IS LOVE 』 (1966)
8th  『 THE WINDOWS OF THE WORLD 』 (1967)
10th  『 DIONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』 (1968)
11th  『 PROMISES, PROMISES 』 (1968)
12th  『 SOULFUL 』 (1969)
CP 2nd  『 DIONNE WARWICK'S GREATEST MOTION PICTURE HITS 』 (1969)
13th  『 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 』 (1970)
14th  『 VERY DIONNE 』 (1970)


【データ】
『 ディオンヌ・ワーウィック・グレイテスト・ヒッツ 』  (Vol.1)
『 ディオンヌ・ワーウィック・グレイテスト・ヒッツ Vol.2 ディオンヌ・シングス・バカラック 』
Dionne Warwick

( Vol.1 / Vol.2 )
CD:1989年12月21日リリース / 1990年9月1日リリース
レーベル:FUNHOUSE (日本)
番号:FHCG-1001 / FHCG-1007

Licensed from DECEMBER 12 INC. JAC MUSIC CO. INC. BLUE SEAS MUSIC INC.
その他詳細クレジットなし

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2017年4月30日 (日)

DIONNE WARWICK LIVE/Dionne Warwick (2006年)

ディオンヌ・ワーウィックのライヴ・アルバムです。でも、実は…

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全14トラック中、バカラック作品は11トラック

1. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR
2. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
3. I'LL NEVER LOVE THIS WAY AGAIN
4. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
5. WALK ON BY
6. ANYONE WHO HAD A HEART
7. DON'T MAKE ME OVER
8. I SAY A LITTLE PRAYER
9. ALFIE
10. HEARTBREAKER
11. Medley:
   1) I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
   2) MESSAGE TO MICHAEL
   3) THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU
12. Medley:
   1) YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
   2) A HOUSE IS NOT A HOME
13. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
14. LOVE SONG

収録時間約60分


ディオンヌ・ワーウィックのライヴ・アルバムです。

ジャケットに書かれている GOLDEN LEGENDS とは、カナダのレーベルが2005年~2006年にかけてリリースしたCDシリーズの名称。ジャズ、ポップス、カントリー、サントラなど幅広いジャンルからレジェンドと呼ぶべきアーティストを取り上げているみたいで、本アルバムはそのシリーズの一枚です。

ライナーに書いてあるのは曲目リストのみ(バカラック作品は11トラック、計14曲)。いつ、どこで演ったライヴなのか、さっぱりわかりません。…というワケで、リリース年が近いライヴ・アルバム 『 AN EVENING WITH DIONNE WARWICK 』 (2004年) と聴き比べてみました。アレンジが似てるかどうかでライヴの時期が推定できるかも?と思ったからなのですが…。

そしたらナント、 『 AN EVENING WITH DIONNE WARWICK 』 と同じでした
 ・曲順
 ・メドレーの曲が個別トラックに分割されてるか否か
 ・拍手のかぶせ方
 ・バカラック作品以外の収録曲
が異なるだけで、音源は全く同じ! くっそー、見事に騙された~

『 AN EVENING WITH DIONNE WARWICK 』 の音源を買って、適当に編集したものなんでしょう。このアルバムはお勧めしません。興味あるなら 『 AN EVENING WITH DIONNE WARWICK 』 を!


【データ】
『 DIONNE WARWICK LIVE 』
Dionne Warwick

CD:2006年2月28日リリース
レーベル:Madacy Entertainment LP (Canada)
番号:GLR2 51898

クレジット記載なし
↓基本的におススメしませんが、試聴できるのでリンクしておきます ( 『 AN EVENING ~ 』 は試聴できないので…)

リンク先消滅したためリンク貼り直し(2024/1/28)
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2017年1月 8日 (日)

FEELS SO GOOD/Dionne Warwick (2014年)

ディオンヌ・ワーウィックが2014年にリリースしたリメイク中心のデュエット集です。バカラック作品を8曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全14トラック中、バカラック作品は8トラック

1. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU ~ featuring Mya ~
2. A HOUSE IS NOT A HOME ~ featuring Ne-Yo ~
3. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD ~ featuring Ziggy Marley ~
4. MESSAGE TO MICHAEL ~ featuring Cyndi Lauper ~
5. EVERY ONCE IN A WHILE  ~ featuring Eric Paslay ~
6. DEJA VU (5:07)  ~ featuring Jamie Foxx ~
7. FEELS SO GOOD  ~ featuring Ceelo Green ~
8. I KNOW I'LL NEVER LOVE THIS WAY AGAIN  ~ featuring Gladys Knight ~

9. THIS GUY/THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU ~ featuring Phil Driscoll ~
10. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART) ~ featuring Ruben Studdard ~
11. LET THERE BE LOVE  ~ featuring Cheyenne Elliott ~
12. HOPE IS JUST AHEAD  ~ featuring Billy Ray Cyrus ~

13. THE WINDOWS OF THE WORLD ~ featuring David Elliott ~
14. A HOUSE IS NOT A HOME (EXTENDED VERSION) ~ featuring Ne-Yo ~

収録時間約56分


ディオンヌ・ワーウィックが2014年にリリースしたリメイクを中心としたデュエット集です。

1998年から2012年までの間に、ディオンヌはリメイク集(リメイクを中心としたアルバム)を4枚リリースしています。え~っ、またリメイク集…と思いましたが、本アルバムはデュエット曲ばかりというのが一番の売りらしいので、拙ブログではデュエット集とさせていただきます。

お相手をチェックすると、メイヤ、ニーヨ、シンディ・ローパー、ジェイミー・フォックス、グラディス・ナイトなどのビッグネームがクレジットされています。ジェイミー・フォックスは俳優だけじゃなくアルバムを数枚リリースしてるミュージシャンでもあったんですね。知りませんでした。

上述のビッグネーム以外はよく知らないので検索しました。Ziggy Marley(ジギー・マーリー)は1968年生まれのレゲエ・アーティスト。あのボブ・マーリーの息子のひとりです。Eric Paslay(エリック・パスレイ)は1983年生まれの米男性カントリー歌手。Ceelo Green(シーロー・グリーン)は1974年生まれの米男性ヒップポップ/R&Bシンガー。Phil Driscoll(フィル・ドリスコル)は1947年生まれの米男性トランペット奏者/ゴスペル・シンガー。Ruben Studdard(ルーベン・スタッダード)は1978年生まれの米男性R&Bシンガー。『 アメリカン・アイドル 』 シーズン2の優勝者です。Billy Ray Cyrus(ビリー・レイ・サイラス)は1961年生まれの米男性カントリー・シンガー。米女性シンガー、マイリー・サイラスの実父です。せっかくなので左から紹介順に写真を載せておきます。オトコばかり6人も並んで絵柄的に微妙ですが(笑)
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ディオンヌの長男デヴィッド・エリオットや孫娘のシャイアン・エリオットともデュエットしています。アルバムのメイン・プロデューサーも次男のデイモン・エリオットですし、ファミリーが登場するのはお約束のようです(^^;

全14曲中バカラック作品は8曲あり、すべてリメイク。ただし、メイヤとデュエットしたT-1. 「 遥かなる影 」 およびシンディ・ローパーとデュエットしたT-4. 「 マイケルへのメッセージ 」 の2曲は、2006年リリースの 『 MY FRIENDS & ME 』 の収録曲と同一ヴァージョン。従って、あらたに録音したバカラック作品のリメイクは6曲ということになります。

ニーヨとデュエットしたT-2. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 は、ルーサー・ヴァンドロス版をベースとしたアレンジ。ニーヨはルーサーをトリビュートしつつも真似はせず自分なりの解釈で歌っていて流石です。ちなみに、4:23のT-2.よりも2分以上長くてネチっこいT-14.の方がこの曲らしいです。ジギー・マーリーとデュエットしたレゲエ調のT-2. 「 雨にぬれても 」 は、ちょっと安直かなー。T-9. 「 ディス・ガイ / ディス・ガール 」 はフィル・ドリスコルとのデュエット。フィル・ドリスコルの歌声が、彼のへなちょこなトランペットの音色からは想像できないくらいハスキーでシブいのが意外でした。ルーベン・スタッダードとデュエットしたT-10. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 は軽めのR&B風アレンジ。T-13. 「 世界の窓と窓 」 は長男とのデュエット。クールなボサノヴァ・アレンジでなかなか雰囲気良いです。

「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 と 「 ディス・ガール 」 は、4枚目のリメイク集 『 NOW 』 を紹介した際に “ ライヴでは歌ってるのにリメイクしてない曲 ” だとして槍玉(?)にあげた数曲のうちの2曲。前言撤回しないといけませんねー

フィル・ラーモンがプロデュースした2年前の 『 NOW 』 と較べて、本アルバムでのディオンヌのパフォーマンスはちょっとユルい感じ。身内がプロデュースしてるから緊張感に欠けるのかしらん。でもまぁ固いこと言わずに、リラックスして歌えたってことにしましょう(笑)


【データ】
『 FEELS SO GOOD 』
Dionne Warwick

CD:2014年リリース
レーベル:Bright Music Records (US)
番号:1790020389

Produced by Damon Elliott (T-1,3-6,8-10,13.), Jesse "Corporal" Wilson (T-2,14.), Jack Splash (T-7.), Narada Michael Walden (T-11.), Brandon Friesen (T-12.)
Executive Producer: Damon Elliott/Anthony Melikhov
Co-Executive Producer: Duquan Brown

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2017年1月 4日 (水)

WE NEED TO GO BACK/Dionne Warwick (2013年)

ディオンヌ・ワーウィックのワーナー時代の未発表曲を集めたアルバムです。バカラック作品を3曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全19トラック中、バカラック作品は3トラック

8. AND THEN YOU KNOW WHAT HE DID (4:07)
9. PLASTIC CITY (3:44)
10. AND THEN HE WALKED RIGHT THROUGH THE DOOR (3:18)


ディオンヌ・ワーウィックがワーナーに在籍していたのは1972年~1978年。そのワーナー時代の未発表曲を集めたアルバムです。2013年にリリースされました。

ワーナーでの1枚目のアルバム 『 DIONNE 』 (1972年1月リリース) を最後に、アリスタ6作目の 『 FINDER OF LOST LOVES 』 (1985年1月リリース) でバカラックとのコンビが復活するまでディオンヌはバカラックの新曲をレコーディングしていない。…というのが世の中の常識でしたが、本アルバムによりその常識は覆ることとなりました。

CDのライナーにその辺りの経緯が書いてありました。該当する部分を引用して紹介します。私の意訳はかなり怪しい(特に後半)ですが、大目に見てくださいませ。

─  1974年のディオンヌとバート・バカラックのリユニオンに関しては、曖昧さが残っている。ディオンヌ自身、ワーナー時代の録音については確信が持てていない。彼女は言う。「 30年以上前のレコーディングを思い出せだなんて、至難の業よ 」。 当時ふたりは訴訟中だった。にもかかわらず短時間のリユニオンが実現した。結果、フィル・ラーモンが録音エンジニアを務めるハリウッドのA&Mスタジオで、6月7-8日の2日間だけという制約のなか3曲がレコーディングされた。その頃バカラックはボビー・ラッセル(「 LITTLE GREEN APPLES 」 の作者)とのコラボで8曲を共作していた。そのうち、ボビー・ヴィントンの 「 CHARLIE 」 と、バカラックもセルフ・カヴァーしているトム・ジョーンズの 「 US 」 の2曲は既に録音&リリースされていた。今回のコンピレーションでは、さらに2曲のバカラック - ラッセル作品 「 AND THEN YOU KNOW WHAT HE DID 」 「 PLASTIC CITY 」 が日の目を見るわけである。3つめのバカラック - ワーウィックのリユニオン曲 「 AND THEN HE WALKED RIGHT THROUGH THE DOOR 」 は、脚本家で作詞家であるニール・サイモンとのコラボ曲。バカラックとデイヴィッドがスコアを書いたミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 の未公開フィルム・ヴァージョンのために書かれたものだった。これら3曲はバカラックらしく複雑で創意に富む曲である。しかし聴いているとほろ苦い気分になる。永く続いていたバカラック - デイヴィッド - ワーウィックの協力関係がもう終わっていたという喪失感に包まれるのである。 Paul Howes - June, 2013  ─

バカラックの自伝のなかに、1974年にディオンヌと3曲レコーディングした…なんて話は出てきません。ディオンヌのコメントも、思い出せないというよりは、何か話したくない事があるのかな? という風に感じられます…。

ともあれ、貴重な音源が発掘されたことに変わりはありません。

T-8. 「 AND THEN YOU KNOW WHAT HE DID 」 : ドラムレスでアコギだけをバックに歌う導入部だけはゆったりしたテンポ。すぐ♩≒138の軽快な8ビートになりますが、そのあともリズムや表情が何度も変わるドラマチックな曲。バカラック得意の変拍子こそありませんが、メロディラインや曲の構造も本当に複雑。それを難なく歌うディオンヌはやっぱりすごいです。

T-9. 「 PLASTIC CITY 」 : ♩≒128の8ビートの曲。バカラックにしては珍しくコードがあまり動きません。独特な動きをするメロディはバカラックらしいですが、同じモチーフを繰り返す点はそれほどバカラックらしくありません。微妙に変拍子もあるし、変な曲には違いないのですが(笑)。

T-10. 「 AND THEN HE WALKED RIGHT THROUGH THE DOOR 」 : ♩≒124の8ビート曲。ミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 のような元気で明るい感じではなく、優しいけれど物悲しい雰囲気。どちらかというと映画 『 失われた地平線 』 あたりの曲調・曲想に近いです。CDライナーに書かれていた 『 プロミセス・プロミセス 』 の未公開フィルム・ヴァージョンって、いったい何でしょうね。 映画化とかの話が 『 失われた地平線 』 の頃にあったのかもしれません。とっても気になります。


【データ】
『 WE NEED TO GO BACK: THE UNISSUED WARNER BROS. MASTERS
Dionne Warwick

CD:2013年7月30日リリース
レーベル:Warner Bros.  Real Gone Music/Rhino (US)
番号:RGM-0170/OPCD-8778

Original recordings produced by Holland-Dozier-Holland (T-1,2.), Ashford & Simpson (T-3,4.), Randy Edelman (T-5~7.), Burt Bacharach (T-8~10.), Jerry Ragovoy (T-11.), Thom Bell (T-12,13.), Joe Porter (T-14~18.), Steve Barri & Michael Omartian (T-19.)
Compilation Producer: Jim Pierson
Executive Producer: Gordon Anderson
All masters ℗2013 Warner Bros. Records Inc.

Written by Burt Bacharach & Bobby Russell (T-8,9.)
Written by Burt Bacharach & Neil Simon (T-10.)

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2016年12月28日 (水)

NOW/Dionne Warwick (2012年)

ディオンヌ・ワーウィックがデビュー50周年を記念してリリースしたリメイク集です。バカラック作品を10曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は10トラック

1. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
2. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)
3. DON'T MAKE ME OVER
4. LOVE'S (STILL) THE ANSWER
5. 99 MILES FROM LA
6. BE AWARE
7. REACH OUT FOR ME
8. IS THERE ANYBODY OUT THERE?
9. I JUST HAVE TO BREATHE
10. IT WAS ALMOST LIKE A SONG
11. MAKE IT EASY ON YOURSELF
12. I SAY A LITTLE PRAYER ~ Duet with David Elliott ~

収録時間約46分


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ディオンヌ・ワーウィックのデビュー50周年を記念したリメイク集です。ライナーには、50周年記念のロゴ・マーク(画像)もありましたですょ。わざわざデザインしたんですねー。

ディオンヌのリメイク集は、1998年の 『 DIONNE SINGS DIONNE 』 (DSD) 、2000年の 『 DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ 』 (DSDⅡ) 、2006年の 『 MY FRIENDS & ME 』 (F&ME) に続いて、本作 『 NOW 』 が4枚目。拙ブログではこれら4作を リメイク集4部作 と呼ぶことにします。

Amazonの “ 内容紹介 ” によれば、本作の収録曲は、親しいミュージシャン、親友、家族、そしてファンなどの意見をもとにセレクトされたものだそう。全12曲のうち、リメイクは8曲で新たなカヴァーが4曲。リメイクの8曲は全てバカラック&デイヴィッド作品で占められています。また、新たなカヴァー4曲のうち2曲はバカラックが作曲。12曲中10曲がバカラック作品ということになりますネ。

リメイク集4部作の収録曲のうち、バカラック作品だけをリスト化したのがこちら↓。“ リメイクした曲 ” と “ 初めてカヴァーした曲 ” の二つのカテゴリーに分けました。

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リメイクしたのは圧倒的にセプター時代の曲が多いことがわかります。なかでも 「 I SAY A LITTLE PRAYER (小さな願い) 」 は4部作全てで取り上げています。他の曲は多くても2回なのに…。「 小さな願い 」 はディオンヌにとって思い入れのある特別な曲なのでしょう。

ワーナー時代は、バカラック作品が少ない上にヒットもない為ディオンヌがリメイクすることは無いと思っていました。事実、3作目までは蚊帳の外だったのですが、本作 『 NOW 』 では2曲取り上げています。T-6. 「 BE AWARE (ビー・アウェアー) 」 とT-9. 「 I JUST HAVE TO BREATHE (アイ・ジャスト・ハフ・トゥ・ブリーズ) 」 で、2曲ともオリジナルは1972年のアルバム 『 DIONNE 』 に収録。どちらも地味ですがメロディが繊細で美しい曲。まさかリメイクされるとは! うれしい誤算でした。

ちょっと腑に落ちないのが、アリスタ時代の全米1位 「 THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR (愛のハーモニー) 」 をリメイクしていないこと。ライヴ(例えば2004年の 『 AN EVENING WITH DIONNE WARWICK 』 )では歌っているんですけどね。

同様に、セプター時代の 「 ALFIE (アルフィー) 」 、「 THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU (ディス・ガール) 」 、「 A HOUSE IS NOT A HOME (ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム) 」 といったバカラックの有名曲も、ライヴでは歌ってるのにリメイクはゼロ。美しい旋律の 「 THE APRIL FOOLS (エイプリル・フールズ/幸せはパリで) 」 や躍動感のある 「 PROMISES, PROMISES (プロミセス・プロミセス) 」 あたりもリメイクして欲しかったです。

一方、リメイク4部作のなかには初めてカヴァーしたバカラック作品も3曲あって、そのうち2曲を本作 『 NOW 』 で取り上げています。T-4. 「 LOVE'S (STILL) THE ANSWER (ラヴ・イズ・スティル・ジ・アンサー) 」 は、イタリアの女性歌手オルネラ・ヴァノーニが2002年にリリースしたバカラック集 『 SOGNI PROIBITI 』 で歌ったのがオリジナル。ロナルド・アイズレーやトレインチャもカヴァーしています。T-8. 「 IS THERE ANYBODY OUT THERE? 」 は、飯島真理が1995年に歌ったのがオリジナル。自身で訳した日本語版も彼女は歌っていて、邦題は 「 愛をさがして 」 でした。私が知る限り、本作のディオンヌ版しかカヴァーはないんじゃないかなぁ…。超レア曲でございます。

こうしてみると、本作 『 NOW 』 はかなり意欲的な選曲をしています。プロデューサーは大御所フィル・ラーモン。ディオンヌとは旧知の仲で、セプター時代のレコーディングにはエンジニアとして参加していたそうです。元のディオンヌ版(或いはオリジナル版)をベースとしたアレンジで、コンセプトとしては 『 DSDⅡ 』 に近いもの。ですが、出来は遥かに本作のほうが上。バックはシンプルだけど密度の濃い演奏で、ちゃんと生のストリングスも入れてます。ディオンヌの歌声はところどころ音程が落ち気味になるものの、気合を入れて歌っている様子は伝わります。

が、幾分物足りない感じがするのも事実。リメイクは何かしらスパイスをきかせないとね。…という私の声が聴こえたのか(笑)、ラストのT-12. 「 小さな願い 」 はちょっと凝ったアレンジ。ヒップポップとゆーのは 『 DSD 』 と同じなのですが、よりクールなリズムに乗ってディオンヌもエモーショナルにカッコ良く歌っています。息子のデヴィッド・エリオットとのデュエットは息もぴったり。アルバムにとって、プチ・スパイスになってると思います(^^♪

ディオンヌは1940年生まれ。ですから、本作リリースした2012年時点では72歳。それを考えると、よく頑張りました! 60周年アルバムもあるかも!?


【データ】
『 NOW ~ A Celebratory 50th Anniversary Album ~  』
Dionne Warwick

CD:2012年10月22日リリース
レーベル:Blue Horizon / H&I Music (US)
番号:BHV-16789-2

Produced by Phil Ramone
Executve Producers: Hermione Ross and Jon Baker
Arranged and conducted by Rob Mounsey
Written by Burt Bacharach & Hal David (T-1,2,3,6,7,9,11,12.)
Written by Burt Bacharach & Tonio K (T-4.)
Written by Burt Bacharach, John Bettis, James Ingram & Puff Johnson (T-8.)
Written by Hal David & Albert Hammond (T-5.)
Written by Hal David & Archie Jordan (T-10.)

Musicians
  Rob Mounsey - Piano
  Henry Hey - Keyboards
  David Finck - Bass
  Ben Butler - Guitar
  Mark McLean - Drums
  Trumpets & Flugelhorns: Kadleck and Jeff Kievit (T-1.)
  Flugelhorn solo: Jeff Kievit (T-6.), Tony Kadleck (T-8.)
  Violins: Concert Master: Elena Barere, Hae-Young Ham, Ann Lehmann and Sarah Crocker (T-5,6,8,9,11.)
  Celli: Jeanne LeBlanc and Ellen Westermann (T-5,6,8,9,11.)
  Background Vocals: Vaneese Thomas, Fonzi Thornton, Catherine Russell and Jill Dell'Abate (T-1,3,7,8,11.)

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2016年11月27日 (日)

MY FRIENDS & ME/Dionne Warwick (2006年)

ディオンヌ・ワーウィックが女性ばかりとコラボしたリメイク集です。バカラック作品を多数収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全13トラック中、バカラック作品は9トラック

1. WALK ON BY  ~ with Gloria Estefan ~
2. MESSAGE TO MICHAEL  ~ with Cyndi Lauper ~
3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ with Mya ~
4. I'LL NEVER LOVE THIS WAY AGAIN  ~ with Gladys Knight ~
5. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ with Kelis ~
6. Déjà Vu
7. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ with Reba McEntire ~
8. ANYONE WHO HAD A HEART  ~with Wynonna Judd ~
9. THEN CAME YOU  ~ with Lisa Tucker ~
10. WISHIN' AND HOPIN'  ~ with Olivia Newton-John ~
11. LOVE WILL FIND A WAY  ~ with Cheyenne Elliott ~
12. THE WINDOWS OF THE WORLD  ~ with Angie Stone, Chanté Moore, Deborah Cox, Da Brat ~
13. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ with Celia Cruz ~

収録時間約49分


1998年の 『 DIONNE SINGS DIONNE 』 (略称:DSD)、2000年の 『 DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ 』 (略称:DSDⅡ)に続いて2006年にリリースされた、リメイク盤の第3弾! ‟ またリメイクかよ ” と思う人もいたでしょうね。私もそうでした。そのあたりはディオンヌもKY(危険予知)したようで、編み出したソリューションは “ 女性アーティストとのコラボによるリメイク集 ” 。

CDのライナーに寄せたディオンヌのコメントを少し引用します(私による超意訳です、あしからず…)。 ─  これらの曲はどれも私の人生の中でとても特別な存在なの。今回新しい生命(いのち)を吹き込むことができたのは、私にとって最高の喜びだったわ。彼女たちの惜しみない協力が無かったらこのプロジェクトはとても実現できなかったでしょう。“ 感謝します ” という言葉を何度言っても足りないぐらいね…。 ─

ディオンヌの全米№1ヒットは、スピナーズと共演した 「 THEN CAME YOU 」 (1974年)と、ディオンヌ&フレンズ名義の 「 THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR (愛のハーモニー) 」 (1985年)の2曲。いずれもソロではなく他アーティストとのコラボ曲です。また、アリスタ・レーベル時代のシングル曲のおよそ3分の1はデュエット・ナンバーでした。このことからもわかるように、ディオンヌにとってデュエットをはじめとしたコラボ曲はけっこう得意分野。この企画は確かにナルホドと思わせてくれます。まぁ、私はひねくれ者なので、他人の力を借りざるを得ないほどディオンヌのパフォーマンスは低下したのか…と思っちゃいましたが^^;。

閑話休題、ディオンヌの呼びかけに協力してくれた女性アーティストは15名。グロリア・エステファン、シンディ・ローパー、マイヤ、グラディス・ナイト、オリビア・ニュートン=ジョンの5人は説明不要ですね。グラディスは 「 愛のハーモニー 」 で一緒に歌った仲。義理堅いですね。

Kelis(ケリス)は1979年生まれの米国人シンガーソングライター。Reba McEntire(リーバ・マッキンタイア)は1955年生まれの米国人カントリー歌手。Wynonna Judd(ワイノナ・ジャッド)は1964年生まれの米国人カントリー歌手。彼女は1998年のトリビュート・コンサート 『 ONE AMAZING NIGHT 』 にも参加していました。Lisa Tucker(リサ・タッカー)は1989年生まれの米国人シンガー。彼女はアメリカン・アイドルのシーズン5(2006年)で10位になりました。現在は女優として活動中。Cheyenne Elliott(シャイアン・エリオット)はディオンヌの孫娘で、当時はナント12歳。左から紹介順に画像を載せておきます。シャイアン・エリオットの画像は最近のものです。
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Angie Stone(アンジー・ストーン)は1961年生まれの米国人シンガーソングライター。Chanté Moore(シャンテ・ムーア)は1967年生まれの米国人R&Bシンガー。Deborah Cox(デボラ・コックス)は1974年生まれのカナダ人R&Bシンガーソングライター。Da Brat(ダ・ブラット)は1974年生まれの米国人ラッパー。他の人達がディオンヌと1曲ずつデュエットしているのに対して、この4人は同じ曲でディオンヌとコラボしています。この4人も左から紹介順に画像を載せておきます~。
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大トリは “ サルサの女王 ” と呼ばれたキューバ系米国人のCelia Cruz(セリア・クルース)。しかし彼女は2003年に77歳でお亡くなりになってまして、本アルバムに収録されてる音源は 『 DSD 』 でのデュエット曲をリミックスしてディオンヌの歌を載せ替えたバージョンと思われます。女王の在りし日の御姿を載せておきますね。モノクロ画像はお若い頃のものです。
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プロデューサーはディオンヌの次男、デーモン・エリオット。1973年生まれの彼はこの時33歳。『 DSD 』 や 『 DSDⅡ 』 でプロデュースしたのは一部だけでしたが、今回は全曲をプロデュース。クレジットには書いてありませんが、アレンジも彼なんでしょう。

取り上げられた13曲は全てディオンヌがかつて歌った曲。そのうちバカラック作品は9曲。元曲の構成を尊重しつつも、全体的にはヒップポップ風味に仕上がっています(曲によって味付けの濃い/薄いは有り)。ディオンヌは衰えたなりに頑張って歌っていますし、コラボした女性アーティストもそれぞれ “ らしい ” パフォーマンスを見せてくれてはいます。

でも、グロリア・エステファンとのT-1. 「 ウォーク・オン・バイ 」 や、シンディ・ローパーとのT-2. 「 マイケルへのメッセージ 」 などは、協力してくれた女性アーティストの良さを生かし切れていない印象を受けました。どうしてヒップポップ風味にする必要があるのか。特にシンディ・ローパーは居心地悪そうに聴こえますねー。シンディだったら、「 アルフィー 」 や 「 恋するハート 」 などのバラード曲を聴きたかった…とも思いますし、曲とのマッチングを含めてピップポップにこだわったプロデューサーの力量不足かなぁ…。

聴き応えがあったのはT-12. 「 世界の窓と窓 」 。前述した4人とコラボした曲で、ノリが良くラップもいい感じでハマってます。バカラック作品以外では、グラディス・ナイトとコラボしたT-4. 「 涙の別れ道 」 が良かったです。プロデュースどうこうより、グラディスの貫禄でしょう。


【データ】
『 MY FRIENDS & ME 』
Dionne Warwick

CD:2006年11月7日リリース
レーベル:CONCORD MUSIC GROUP (US)
番号:CCD-2310-2

Produced by Damon Elliott
Co-producer: Teddy "BEAR" Harmon
Executive producers: Dionne Warwick, Damon Elliott and John Burk
Grecco Burratto: Guitar
Trddy Harmon: Bass, Keyboards, Programming
Damon Elliott: Keyboards, Drums, Programming

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2016年11月13日 (日)

AN EVENING WITH DIONNE WARWICK/Dionne Warwick (2004年)

ディオンヌ・ワーウィックが2004年にリリースしたライヴ録音アルバムです。バカラック作品を多数収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全17トラック中、バカラック作品は14トラック

1. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
2. DON'T MAKE ME OVER
3. WALK ON BY
4. ANYONE WHO HAD A HEART
5. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
6. A HOUSE IS NOT A HOME
7. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
8. MESSAGE TO MICHAEL
9. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU
10. I SAY A LITTLE PRAYER ~ featuring David Elliott ~
11. ALFIE
12. HEARTBREAKER
13. CORCOVADO / WATERS OF MARCH / AQUARELA DO BRAZIL

14. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
15. I'LL NEVER LOVE THIS WAY AGAIN
16. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
17. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR ~ featuring David Elliott ~

収録時間約64分


ディオンヌ・ワーウィックが2003年のシラキュース・ジャズ・フェスティヴァルに出演した際のライヴ録音アルバムです。

2003_poster2003_artistsこのジャズ・フェスはニューヨークで1983年から開催されているもの。今年(2016年)第34回を迎えたそうです。

2003年は6月20~22日に開催。当該フェスの公式サイトにポスターと出演者リストがありましたので、ちょいとコピペさせていただきました。この年は、ナンシー・ウィルソン、チャカ・カーン、ディオンヌという3人が目玉だったようですね。リストの中には、ランディ・ブレッカーやジョン・ピザレリの名前もあります。

全17トラックは全て拍手で繋がる形で編集されています。ま、実際にメドレー形式で繋げて歌った曲もありますが。

そのうち14トラック(=14曲)がバカラック作品。自分のファン以外の聴衆が大勢いるジャズ・フェスということもあってか、耳馴染みのある昔のアレンジで歌っています。例外は3曲。ヒップポップ系アレンジのT-10. 「 小さな願い 」 とサルサ仕立てのT-14. 「 サン・ホセへの道 」 は、1998年リリースの 『 DIONNE SINGS DIONNE 』 バージョン。6/8のR&B調アレンジのT-1. 「 遥かなる影 」 は、2000年リリースの 『 DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ 』 からのもの。3曲とも聴衆の反応は上々です。

高音域はかなり苦しく、音程も不安定。メロディのフェイクもちょっと辛い。でも、“ ディオンヌ頑張れ!” と心の中で声援を送りたくなる。前述した2枚のスタジオ録音盤の紹介記事では “ プロとしてこれは如何なものか… ” なんて言ってたのにね、自分(笑)。ライヴの雰囲気はやっぱりスタジオ録音とは違いますね~。

次男のデーモン・エリオットが2曲(T-10,17.)でデュエットしていますが、なかなかのパフォーマンスです。ディオンヌはどんな表情して歌ってるんだろう? などと思っちゃうワケで、やはりライヴは映像で観たいなぁと思った次第。

そしたら、ライナーに ‟ DVD版もある ” との記述が! アマゾンで検索するも見当たらず…。英国の Amazon で探したらありました。本アルバムと同じジャケ写のトールケース入り。曲目リストはCDと全く同じなのですが、収録時間は倍近い125分! 歌以外にMCなども収録してるのでしょう。ただしこのDVD、リージョン・フリーなのですが放送規格がPAL方式なのでNTSC方式の日本では視聴不可。だから日本のアマゾンでは取り扱ってないのかぁ~。


【データ】
『 AN EVENING WITH DIONNE WARWICK live in concert featuring the Bacharach & David songbook
Dionne Warwick

CD:2004年2月9日リリース
レーベル:Metro / Union Square Music (UK)
番号:METRCD124

ライナーにクレジット等の記載はありませんでした。
ライヴの場所について以下記述があるのみです。
… from her live show at 2003's Syracuse jazz festival captured here in full.

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2016年10月30日 (日)

DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ/Dionne Warwick (2000年)

ディオンヌ・ワーウィックのリメイク・アルバム第2弾です。バカラック&デイヴィッド作品を9曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全11トラック中、バカラック作品は9トラック

1. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
2. ANYONE WHO HAD A HEART
3. WHAT A FOOL BELIEVES
4. IN BETWEEN THE HEARTACHES
5. THE LOOK OF LOVE
6. I SAY A LITTLE PRAYER
7. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
8. DON'T MAKE ME OVER
9. THEN CAME YOU
10. MESSAGE TO MICHAEL
11. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)

収録時間約43分


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1998年リリースの 『 DIONNE SINGS DIONNE 』 に続く、ディオンヌ・ワーウィックのリメイク・アルバム第2弾です。

ライナーによると、米国ではインターネットを通じてのリリースのみ。日本では公式にショップリリースされる許可が出たとかで、CDの帯にも “ 日本独占発売 ” の文字が…。実際、Discogs で調べても本作は日本盤しか見当たりません。世界で日本だけOKだったのはナゼなんでしょうねー。

『 DIONNE SONGS DIONNE 』 (以後DSDと略します) と違い、9曲あるバカラック&デイヴィッド作品は全てリメイクです。『 DSD 』 では思い切ったヒップポップ系のアレンジが特徴でしたが、本作は元のディオンヌ版をベースにコンテンポラリーな味付けの曲が多いです。

そんな本作で一番の力作は、ジョージ・デュークがプロデュースしたT-4. 「 イン・ビトウィーン・ザ・ハートエイクス 」 。フュージョン・タッチの渋いアレンジにエモーショナルなディオンヌの歌が見事にハマっています。ヒップポップ色が強いT-8. 「 ドント・メイク・ミー・オーヴァー 」 は 『 DSD 』 のテイストに近いでしょうか。異色なのはT-7. 「 遥かなる影 」 で、6/8のR&B調アレンジが意外とイケます。

『 DSD 』 と本作の両方で取り上げられた唯一の曲がT-6. 「 小さな願い 」 。この曲の特徴である変拍子をキチンとやってくれてるのはいいのですが、シンセで代用したトランペットの音色がチープで残念。本作全般で言えることなのですが、ストリングスやオケをシンセで代用しているんですね。お金をかけれないという事情があるんでしょうが、どうしても元曲と比べてしまう訳で…。

ディオンヌの声の劣化も気になります。ディオンヌはところどころメロディをフェイクして歌っているのですが、その方が効果的だから…ではなく、高い音域で声が苦しいのがバレないように…というのがミエミエなんです。ちなみに、代表的な4曲のキーはすべて元曲より二度半↓。
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キーを元曲より下げて歌っていてコレですから…。ライヴでならともかく、プロとしてこれは如何なものかと…(エラそうにスミマセン)。

バカラック作品以外についても簡単に触れておきましょう。T-3. 「 ホワット・ア・フール・ビリーブス 」 はドゥービー・ブラザーズのカヴァー。涼しげなボッサ・アレンジが新鮮です。T-9. 「 ゼン・ケイム・ユー 」 はスピナーズとのデュエットで1974年に全米1位になった曲のリメイク。元曲のテイストを再現しています。


【データ】
『 DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ 』 (日本語ライナーノーツ:村岡裕司氏)
Dionne Warwick

CD:2000年4月21日リリース
レーベル:ビクター エンタテインメント
番号:VICP-61016

Produced by Michael Lloyd (T-1,5,6,11.)
Produced by Steve Tyrell. Arranged by Guy Moon and Steve Tyrell (T-2.)
Produced by Zane Giles and Kevin Dorsey (T-3.)
Produced by George Duke (T-4.)
Produced by Damon Elliott (T-7.)
Produced by Tim Miner (T-8,9,10.)

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カテゴリー

  • カヴァーアルバム
    ★バカラック・カヴァー曲が主体でBacharach をアルバムのタイトルやサブタイトルに入れているアルバム ★収録曲のうち半分以上がバカラック・カヴァーのアルバム ★複数アーティストによって新たにカヴァーしたアルバム ★複数アーティストによるトリビュートコンサートのライブアルバム
  • コンピレーションアルバム
    ★複数アーティストのバカラック作品を集めたいわゆる編集盤
  • シングル
    ★シングル
  • ディオンヌ・ワーウィックのアルバム
    ★新作主体/カヴァーアルバム/コンピ集を問わず、ディオンヌ名義のアルバム
  • バカラックの曲がちょっと入ったアルバム
    ★バカラックの曲がちょっと入ったアルバム
  • バカラック関連ネタ
    ★バカラック作品は入っていないがバカラックと何らかの関連があるアルバム ★アルバムやシングル以外のこと。本、コンサート、ライヴ、TV、Radio、告知、独り言、イベントなどなど
  • バート・バカラックのアルバム
    ★メインのアーティストがバカラックとなっているもの ★バカラックが音楽を担当した映画等のオリジナル・サウンドトラック ★ ○○ with Bacharach のようなアルバムは含めない
  • 新作主体のアルバム
    ★『 バート・バカラックのアルバム 』と『 ディオンヌ・ワーウィックのアルバム 』以外で、バカラックが新作を多数(およそ半数以上)提供したアルバム

★ リンク ★

  • Yammy* Official Web Site
    京都在住のオーガニックシンガーソングライター、Yammy*(ヤミー)さんの公式サイトです。
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